東の草原(3)

《[シャルロット]の種族、職業、武器LVが上昇しました》

《[リシア]の種族、職業、武器LVが上昇しました》


 目の前のゴブリンの死体がポリゴンになって消える。


 今日4回目になるアナウンスが頭に響く。


「よし、これで今レベル5のはずね。一度ステータスを確認してみましょう」


 武器レベルが5になるとスキルが手に入ると情報があったので、二人は一度ステータスを確認することにした。


「了解!」



[ステータス]

名称:シャルロット

種族:ダークエルフ〈5/50〉

職業:暗器使い〈5/30〉

武器:ダガー〈5/100〉

HP:150/150

MP:200/200(+50)

STR:15

VIT:15

DEX:25(+10)

AGI:75(+40+20)

INT:45(+30)

スキル:【アジリティライズ(1/3)】

称号:なし

装備:【鉄のダガー】



 シャルロットは【アジリティライズ】というスキルを入手していた。


「もうちょっと捻りを入れたりしないのかしら…」


 シャルロットはあまりにもそのままなスキル名を多少不満に思うが、まあ一つ目のスキルなのでそんなものだろうと自分を納得させた。


 すると、リシアも確認したようでシャルロットに共有する。


「【ストレングスライズ】だって。」


「私は【アジリティライズ】よ。まあもう少しレベルの高いスキルになればもうちょっとマシな名前になってくれるでしょう。たぶん。…スキルって詳しい説明とか見れないのかしら」


 スキルを手に入れるたびに検証するのは面倒なので、シャルロットはステータス画面から確認できないかとスキル名をタップする。


 すると、詳しい説明が出てきた。


「あら。リシア、ステータス画面からタップしたら詳しい説明が出て来るわよ」


 説明を読む前にリシアにもそのことを伝える。


「そうなの?私も見てみよ」


 

[スキル]

スキル名:アジリティライズ

LV:1/3

効果:アジリティが3分間10%上昇する



 効果は割合でアジリティが上昇していくものだった。


(これは私のステータスが上がれば上がるほど強いわね…気になるのは、レベルが上がって効果が上昇するのは時間なのか割合なのか…どちらにせよ最初のスキルにしては思ったより強力なのは間違いないわね)


 シャルロットは効果対象がSTRに変わっただけだろうとは思いつつ、リシアに【ストレングスライズ】の効果を尋ねる。


「効果はどうだったかしら」


「えっとねー、ストレングスが3分間10%上がるって。シャルちゃんの方も?」


 効果はシャルロットの予想通りだった。


「ええ。アジリティに変わっただけで同じね」


「なんか微妙な感じだね」


 リシアはまだスキルの真価に気づいていないらしく、スキルの効果を微妙だと判断した。


「いいえ。そんなことないわよ」


「そうなの?」


「ええ。今だったらまだまだ弱いスキルだけれど、私たちのレベルが上がったら変わってくるわ」


 そこまで言ったところで、リシアもこのスキルの強さに気づいた。


「あっ、そうか。これ割合で増えるんだ」


「そういうことよ。私だったら、アジリティが500くらいまで上がったとするとスキルを使えば50アジリティが上がる。これはアジリティが種族レベルが50上がった状態になるってことよ」


「たしかに…そう考えると強いね。それにまだスキルのレベルも上がるし」


「そうね。…さて、この後はどうしましょうか。まだ狩りを続ける?」


「うーん…冒険者ギルドに行きたくなってきたかな。街に戻らない?」


「いいわよ。そうと決まれば早く行きましょうか」


 二人はちらほらと人の増えてきた草原を、街へと向けて歩き出した。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る