第11話:一人にさせたくないけれど
4月18日(火)
交換日記に付き合ってくれてありがとう。
私、小さい頃は体が弱くて学校をよく休んでいました。近くに住んでいた友達に、学校のプリントなどを届けてもらう時に差し入れてくれた一冊の日記帳が、私にとっての交換日記の始まりです。
ファミコンもその子(女の子です!)に教えてもらいました。新しいゲーム機は対戦型が多く、近所の子供たちがよく騒ぎながら遊んでいるのを見て、ちょっと苦手な意識がありました。それに比べると昔のゲームは静かで、私に向いていたのかも知れません。
この町には春に引っ越してきたばかりなので誰も友達がいませんでしたが、ファミコンが好きな友達(なんて、まだ言っちゃ駄目かな?)ができて、とてもうれしかったです。交換「日記」と言いましたが、私が勝手に押し付けたようなものだから、無理しなくていいからね。勉強やゲームの合間に、気が向いたらお返事を書いてくれれば十分です。
そうそう、アストスとの戦いは記録ではシンプルですが、実際は何度もリセットしちゃいました。やっぱり仲間は死なせたくないので。サイレスで魔法を封じ込めるとその戦闘中はずっと有効みたいです。
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日々木さんから受け取った最初の日記は、僕が交換日記を受けたことに対するお礼だった。読んでいて体の芯が熱くなるのを感じた。僕は彼女にとって特別な人になれたのかも知れない。それに、最近の対戦型ゲームに苦手意識があるというところも僕と同じなので気が合いそうだ。
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4月18日(火)
今日は科学部の見学に行った。雑木林の草花や昆虫の調査をするのは楽しいけど結構ハード。ソラは電子工作とかにも詳しいみたいなので、ファミコンが壊れたりしたら頼りになるかも。
4月19日(水)
今日は文芸部の見学に行った。ファンタジーやRPGの歴史に詳しい先輩がたくさんいる。昔のゲームを味わうなら、こういう知識が必要かも。ハルキも本を借りて勉強中みたいなので、今度いろいろ教えてもらおうと思う。
HDMI変換プラグが届いたので、家のリビングの大きなテレビでもファミコンができるようになった。友達を連れてきて一緒に遊ぶのも楽しそう。
日々木さんは部活に入らないの? 文芸部にも女子が多いみたいだよ。
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僕も、アストス戦までの進行記録とともに、昨日と今日に学校であったこと等の日記をつける。友達のことを書いたのは、日々木さんにも話し相手ができればいいと思ったからだ。その一方で、僕が日々木さんを独り占めしたいような気持ちも決してないわけではなかったので複雑な気持ちだった。女子の友達ができればいいのにな、と思う。
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夕食後、FF1をもうちょっと進める。リビングでは母がテレビを見たいと言ったので自室に戻っている。日記に記録をしながらプレイしよう。
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アストス、僕もデスで死人が出たのでリセットした。サイレスは無かったけどサンダラで倒す。神秘の鍵であちこちの宝箱を回収。ウィルムキラーはミスリルソードよりやや弱いけど、サイトによるとクリティカル率が高いらしい? ギルも節約できるから、戦士たけるの武器はこれにする。
メモ:宝箱の前のモンスターとは何回でも戦える。マミーは弱いのにギルたくさん持ってておいしい。
メモ:モンクはレベル10から素手で4回ヒット!
メモ:このゲームは弱点を突いてもあまり意味がなさそう。逆に、水の敵に炎、ゾンビに氷などは耐性で防がれるので、そこだけ注意が必要。
運河を渡ってメルモンドの町へ。道具屋と教会がないのがきつい。
メモ:腕輪は体防具扱い
メモ:ポーションまとめ買いはコーネリアが一番早い(商品リストが短いため)
アースの洞窟でバンパイアを倒す。レベル12。サンダラで楽勝!
メモ:石化を治すのは金の針
メモ:ピスコディーモン・アースエレメントからは逃げられない!
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今回はゲームに集中したので一言メモばかりになってしまった。ここまでやって今日はおしまい。明日はリッチを倒す!
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注:
『クリティカル率』
ファミコン版では、武器の通し番号がクリティカル率として扱われているが、それを踏まえた情報である。ちなみにワンダースワンカラー版では本来の値に修正されたが、PS版以降ではファミコン版と同じ値に逆修正されている(ピクセルリマスターは未確認)。
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『弱点を突いてもあまり意味がなさそう』
実際は魔法ダメージ1.5倍、命中率(攻撃魔法は1ヒットは確定なので、2ヒットするか否かの判定)アップの効果があるのだが、もともとダメージの乱数幅が大きいので実感しにくい。有効性という意味ではファイラも買ったほうが良いのだが、この主人公のようにランク3黒魔法はサンダラ一本でも問題なくプレイできることを確認している。
なお、武器の属性や特効は内部的には設定されているようだが機能していない。リメイク版では適用されるようになった。
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