第2話

一昨日の有名音楽番組の出演と元々の二人の知名度が合わさり、音楽アプリの先行ダウンロード販売で日本一位に輝き、Metubeに投稿されたMVは投稿し一日で一億再生された。

SNSのつぶやいてーでは当然というか必然というか二人を称賛する一方枕営業をしているとかコネを使っているなどソース不明の信憑性を欠いたデマがあっという間に拡散されていた。

しかし、母はかなり神経が図太く全くとして気にしていないどころか「これはむしろ愛されている証拠だね」と謎結論へ至っていたがそれは今に始まったことでは無いので誰も気にしていない。

「葛島くん、突然すまないね。主人公役の子が事故で入院することになって」

「大丈夫ですよ」

今日の撮影はコミックで大ヒットした「フロイデマッハー」という作品の映画でどうやら主人公の役をすることになっていた女優が昨日事故で来れなくなったため母へ代役がきたみたいだ。

「奏、楓、郁、お母さん頑張ってくるね」

「「「行ってらっしゃい」」」

母が撮影に入ったのと同時に楓が泣き出した。

「うぅーっ!ママぁぁっ!」

「ここは子供が来る場所じゃないんだけど?」

同じくらいの背丈をした黒髪ショートヘアの少女がそう呟いた。

「ほら」

泣き出した時のためにいつも用意しているうさぎのぬいぐるみを渡すと静かになった。

「無視してんじゃないわよっ!私を誰だと思ってるのよっ!」

「知らない。あと興味もない」

「チビッ子のくせにいい度胸ね。私は三笠夏菜子の長女、三笠紡よっ!!」

「ダメだよ、つーちゃん。前もおばさんに怒られたでしょ」

上品な雰囲気の少女が紡の腕を掴む。

「つーちゃん言うなっ!」

「マ、、千里お姉ちゃんが言ってた。おやのえいこうにすがるひとはかわいそうだって」

郁が少女の前に立つと真顔で言い放つ。

「千里って葛島千里?」

「そうだけど?」

「ふん、どうせコネで人気になっただけでしょ」

「はぁ?」

母のことを悪く言われついイラッとしてしまった。

「う、、じ、事実でしょっ!みんな言ってたもん」

「他人の言葉を真に受けるのはまだお子様の証拠だ」

「お子様じゃないもんっ!みんな言ってたんだからぁぁぁっ!!」

紡は突然泣き出すと走って出ていった。

「ま、待ってよっ!つーちゃん」

少女は丁寧にお辞儀をすると紡を追いかけていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る