第10話

どこまでもこの世界はこの二人の世界線であった。それはどのカップルでもそうであるが、特にテレパシーで共有しているため、他人を受け入れるという隙間がないのである。


津山駅に着いた。人通りが多く、駅にはさくらまつりののぼりが立っている。


「あぁ、今はさくらまつりか。」


「(何?)


「(鶴山公園でさくらまつりやってるんだって。)」


「(行きたい!)」


「(でも人が多いの嫌いなんだよな...)」と私


「(行っちゃだめ?)」と上目づかいで雅。


なんともそれが可愛らしくてつい承諾してしまった。


「(いいよ。行こう。)」と渋々言う私


「(それにしても人が多いなぁ。道中だけでこんなにも人が多いもんかね)」と私


「(私は面白いわ!たまに人の思念が入ってきて面白いの!)」


「(う~ん。超能力者の言うことはわからん...)」


とかなんとか言っているうちに鶴山公園に着いた。しかし鶴山の桜は絶景だ。これほど人を集めるにも理由がわかる。


「(わーー!綺麗!カメラ持ってくればよかった。)」と雅


「(案外、記憶に残す方が綺麗に映る時もあるよ?もう少し上に行こうそうしたら街まで見えるから!)」と私


「(本当だね!桜と街が見えてものすごい絶景!なんか有名な人のやつで葉桜の方が満開より風流だっていうけど、私はやっぱり桜は満開の方が好きだわ!)」


とニコニコしながら言う雅。このニコニコした笑顔はズルい。抱きしめたくなる。


鶴山公園を離れてどこか見て回ろうかと思って天満屋に入り、パン屋があった。そこでいろいろと見てみたが、パンのアソートを買って昼食を取った。そして天満屋内を見て、


「この様子じゃあまり見るものもないだろうね。」と二人で納得してまた津山駅に戻って家路へと着いた。


to be continued...

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