第3話

塾への道のりは自転車で浦田駅まで行き、そこから水島臨海鉄道に乗り、倉敷駅で降りて駅前の塾に行くという感じである。とりあえず塾に着く前に裏路地で煙草を一服。それから塾へと入る。


「ちわ~っす。」


と言って中に入り、ひとまず自習室へ。そこでミホとケイに会う。この二人の苗字は知らない。名前の漢字もしらなかった。


「あ、秦野、おはよう!」


とミホがいう。ちなみにミホとケイは難関大学にA判定をもらっているほど勉強ができる二人である。そしてミホが


「そうそう、この紅茶のシール集めてんだけど、もしこの紅茶買ったらシール譲ってくれない?プレゼントに応募したいんだ!」


「ああ、いいよ、飲むか飲まないかは分からないけど、買う機会があったらあげるよ。」


と当たり障りのない返事をする私だった。


「さて、授業へ行きますか?」


とケイが言う。3人で部屋へと向かった。


「で、ここはcosθをtと置きかえ両辺を対数で取り...」


と野山の授業を受けていたが、半分上の空だった。なんとなく勉強をしているが、それは苦しみから逃れるためであって、あまりどうでもよいものであったからである。


そうこうしているうちに塾も終え、再び裏路地で煙草を一服。ビルの隙間から夜空を見上げると月が見えた。


「今日は満月か。」


などとちょっとした特別感を感じながらもそこから何かを得られることはないという何とも味気ない少年の反抗的な態度を示すのであった。そしてまたそこから駅へ向かい、家路へと着くのであった。


to be continued...

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