第2話

ジリリリリリリリリリリリリ!


大きく目覚まし時計が鳴り、ぬぼーっと起きて時計へ手を伸ばす。朝6時である。今日もそんなルーティーンの一日の始まりである。朝食を済ませ、母からの弁当を持ち、自転車で10分もかからない学校へと向かう。


朝は始業前に学校に行って勉強をすることになっている。私の教室の横には空いている教室が一つあり、そこで私が自習をしている。以前まで全く勉強も課題もせず、あまりに課題を出さな過ぎて机ごと廊下に出された私であるが、最近私が憑りつかれたように勉強をしだしたのを皆が触発されて、「私の」自習室で少しずつ勉強をする人が増えてきた。なぜ憑りつかれたのように勉強をするのかというと、神経症に私が悩まされているため、少しでもそこから抜け出したいがための策であった。


「秦野!今日も人を寄せ付けないオーラがすげぇな!」


と呉野が私をちゃかしてくる。呉野は私の親友であり、よきライバルでもある。いや、断然、呉野の方が頭がいいし皆から好かれカリスマ性も持つ。陰気な私とは対称的な人物だ。


「まあな。誰ともしゃべりたくない気分だからな。呉野と違って俺は出来が悪いからこうでもしないと大学に入れないんだよ。」


と私が言うと


「たまには息抜きすることも大事だぜ?それにまだ3年の春だぜ?もうちょっと楽に生きてみたら?」


と呉野。私が楽に生きられたら、か。楽に生きられたならなんだっていい。どんな毎日でもいい。私が全身全霊をこめて楽を手にするであろう。しかしそれは叶わぬものだと知っていし諦観している。


「まぁ、もうすぐ始業だ。教室に戻ろう。」


私がそう言ってそれぞれの教室へと向かった。


そして授業が始まり、うだうだと終業する。そして家に帰り、塾へ行く。


to be continued...

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