第27話 先輩コラボ配信(4)
【6ボールパズル】
赤、青、緑、黄色、紫の5色のボールが3個1組になって落ちてくるので移動、回転させ積み上げ、同じ色のボールを6個つなげて消していくゲーム。
ボールはハニカム状に積み上がっていき、最上段までボールが積み上がるとゲームオーバー。
特定の形につなげて消すと「ワザ」となり、その時消した色と同じ色のボールが全て消え、2人対戦では相手に多くのボールを送り込める。
ワザにはストレート、ヘキサゴン、ピラミッドがある。
ストレートは横、又は斜めに6個、ヘキサゴンは六角形に6個、ピラミッドは三角形に6個同じ色を積めば発動する。
「まぁこんなとこかしらね」
「説明ありがとうございます」
カスミさんは最後にこれをやろうというのだ。
「アリア」
「ん?なんですか?」
こんなゲームもあるんだなと思っているとカスミさんが話しかけてくる。
「私はこのゲーム、ア○ビ大全の中で一番得意よ」
「……なるほど」
つまり最後の勝負を自分の得意なゲームで締めたい……つまり勝って終わりたいということなのだろう。
「ずるいですね」
「う、うるさい!」
コメント
▷ずる
▷ずる
▷これこそカスミくおりてぃー
私も最後は勝ちたい。なのでこれはちょっとずるいと思い、口に出してしまう。
「でもカスミさん」
「なによ」
「素直に負けるほど私は甘くありませんよ」
「!いいわ!その挑戦受けて立とう!」
それを聞いた私は6ボールパズルのルール設定を開く。
「別にハンデ有りでもいいのよ?」
「いえいえ。そんなことしなくても結構です」
「……後悔させてやる!」
確かにこのゲームにはハンデ機能があるが今回はそれ無しで正々堂々勝負といく。
「それじゃあ……」
カスミさんがまた深く息を吸う。
「デュエル開始ィィィ!!!」
コメント
▷デュエル開始ィィィ!!!
▷デュエル開始ィィィ!!!
▷デュエル開始ィィィ!!!
私達の最終戦が始まった。
――――――――――
「まずは紫のヘキサゴンを組めそうですね」
紫のヘキサゴンを作ると自分の紫のボールが全て消えて、相手六角形型のボール群が何個か増える。
序盤から終盤までずっとこのヘキサゴンやストレート、ピラミッドをどんどん作るのを意識していきたい。
そうしているうちに私はへきを組み終わり、紫のボールが消えていく。
「こっちはピラミッドよ!」
対してカスミさんは黄色のピラミッドを完成させており、こちらにもボールが増えていく。
「む。なかなかやりますね」
「まぁ……かなりやり込んでるからね」
「やり込んでるってどんくらい?」
「不定期だけどこれだけの配信をやってるぐらいには」
「え」
予想以上のやりこみ具合に私は変な声を出してしまう。
得意とは聞いたけどまさかここまで得意だとは思わなかったのだ。
「はいストレート」
「ちょ……」
そんな中でもカスミさんは青のストレートを完成させ、私のボールは半分以上溜まってしまう。
対してこちらは赤のヘキサゴンが組めそうな具合なところでボールを追加されたので完成できずにいた。
「くっ……ピラミッドです」
だがその追加されたボールで偶然にもピラミッドができそうな具合まで形成されたのでそこにボールを繋げてピラミッドを作る。
「甘いわね。もっかいストレート」
「んなっ……」
カスミさんは事前にためておいたのか下にあった斜めのストレートを完成させ、それで反撃をしてくる。
流石にやばいと思ったので一回ワザをやめ、普通の連結でボールを消していく。
「流石にこの試合は負けてやれないわよ?」
そう言いながらもカスミさんはワザを完成させていく。
私はそれが来たら偶にワザを出してボールを減らし、攻撃にはあまり転じ得ない状況になっていた。
「ッ……ここストレートです!」
流石に反撃したいと思い、私は斜めにできていたストレートを作り、相手にボールを送り込む。
「読んでいるわよ。ダブルストレート」
「んな!?」
だがそれを読んでいたのかカスミさんはストレートを2つ作り、私は反撃が失敗に終わってしまった。
「はい。ヘキサゴン」
「!やばい!」
カスミさんのヘキサゴンによって私のボールは九割ほど埋まってしまい。私は焦ってしまう。
「それで終わりよ。ピラミッド」
そう思っているとカスミさんはピラミッドを作り、私の箱にどんどんボールが積み上がっていく。
「私の勝ちね」
「くっ……」
それによってボールが箱から溢れ出てしまい、私は負けとなった。
――――――――――
「というわけでアソビ大全!いかがだったかしら?」
コメント
▷見てて楽しかった
▷もっかいやって欲しい
▷終わらないでくれ〜
「最後は負けましたが次は負けません」
「挑戦いつでも受け付けてるわよ。私はオセロリベンジしたいわね」
コメント
▷最後はカスミ強かった
▷オセロはすげー良かった
▷アリア無双気持ちよかった
「今さらだけどあれなんなの?すごくない?」
「まぁ私のコマが左上に集まっていたのでカスミさんが挟めなかったってだけなんですけどね」
「考えて置かなきゃだめね」
「ですね」
コメント
▷オセロは考えるものやで
▷考えてなかったんか
▷えぇ……
「うっさいわね!……それじゃあもう終わるわよ。アリアもいい?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「そう!それじゃあ!皆のもの!解散!」
「また縁があったらお会いしましょう」
そうして私達のこ配信は無事に終わったのだった。
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