第25話 先輩コラボ配信(2)
「っとその前に少しマシュマロを返しますか」
「そうね!」
〘マシュマロ失礼します!
初コラボということで初めてあったときの第1印象をお願いします!〙
「第1印象……」
「どっちから言う?」
「カスミさんからで構わないですよ」
「そう?んーと……陽キャ」
「私が?」
コメント
▷いつもそれやんけ
▷またですか
▷陽キャ(カスミ基準)また爆誕
私が陽キャと言われ、少し疑問を持つ。
私は他人との関わりは結構少ないほうだし、喋り方も他人行儀な感じがあるのは自覚している。
陽キャとは言えない性格だろう。
「えっと……なんでですか?」
「初対面の人と話せる人が陽キャじゃないわけ無いでしょう!?」
「えっ?」
「初対面の人と話せるなんて常人じゃできないわ……絶対に陽キャです……絶対に陽キャなんだッ!」
「えぇ……」
コメント
▷い つ も の
▷草
▷わかる
▷アリアドン引きで草
意味がわからない理論を話され、私はすこし……引いてしまう。
通話では小声で「初対面の人と……初対面の人と」と呪言のように呟いてるカスミさん。
が、こんなこともあると思っていたのですぐに話を切り替えようと話題を変える。
「私の第1印象はまぁ……静かな人ですかね」
コメント
▷濁した
▷濁したな
▷濁したわね
「うぐっ……」
配信で相手のことをコミュ障とは言えず、つい他の言葉で表してしまう。
だがうちのリスナーかカスミさんのリスナーかは知らないが勘のいいリスナーには気づかれてしまい、つい声が漏れてしまった。
「ハハッ……そうよ……私はクソ陰キャですぅ……」
「そんなこと言ってませんから!」
「いや、いいのよ。私、リアルでも物静かな人っていっぱい言われてるから」
「そ、そうですか」
コメント
▷ネガティブゥ
▷これはアリアも静かになってまう
▷気分上げてこー
「つ、次のマチュマロ行きますよ!」
〘ゲームコラボの配信で聞くのもなんですが好きなゲームを教えてください〙
「スプラト○ーン」
「スマ○ラ」
コメント
▷ふたりとも即答やんけ!好きすぎやろ!
▷どっちも任天堂&スで草
▷わかり味が深い
「私はスマ○ラが好きというよりかは得意なゲームと言ったらこれしかないってだけで……」
「スプラト○ーンはいいぞぉ……Xマッチでハイドラ持ったときにリッターが相手に来たときの絶望感やばいけど」
コメント
▷リッターVSハイドラは地獄
▷でもハイドラは短射程に厳しいからなぁ
▷結果、そんぐらい許そうぜ
「そういえばアリアはこの前スマ○ラの参加型やってたっけ?」
「えぇまぁはい」
確かに私は先日スマブラ参加型をやった。
専用部屋の機能は初めて使ったのだが多分野良の人が一般公開で部屋を開いてもあんなにすぐに埋まることはないのだろう。
肝心の試合の結果は……まぁ5:5ってことだろうか。
私はVIPは上位者のみが入れるところでその中の更に上の魔境なのだから正直、舐めてた部分はあったのだが日本の大きさを知らされた。
コメント
▷正直魔境だからアリア無双かと思ったらそうでもなかった
▷でも企業勢で参加型あんなに勝てる人も初めて見た
▷途中でリ○リー全1が入ってきたのは本当にビビった
「そうなんですよね……見事に三タテされましたよ」
「え?全1の人入って来たの?すごいわね」
あれは本当に次元の違いというのを見せつけられた。
私は話題が落ち着いたところを見計らって次のマチュマロに移ろうと違うのを探す。
「これ行きましょうか」
〘今回の意気込みをお願いします〙
「まぁ楽しめたらいいかなぁと思ってますよ」
コメント
▷それが一番
▷優しい言葉やで
▷その言葉が出るのは尊敬するわ
▷対してカスミは……?
「はん!私が無双して勝利よ!当たり前でしょ!」
コメント
▷知ってた
▷それでこそカスミやで
▷アリアー!分からせたれー!
私は部屋にかけられている時計を見る。
時間は30分ほどたっており、頃合いだろう。
「それでは始めていきますか」
「いくわよー!」
コメント
▷いえーい
▷いえーい!
▷よっしゃー!
――――――――――
「まず何やりますか?」
世界のア○ビ大全51
世界中のボードゲームやらなんかをかき集めてゲーム機でできるようにしたソフト。
このソフトにはオンライン機能がついており、わざわざ集まらずにボードゲームができるということで話題になった作品だ。
「貴方から決めていいわよ」
「いいんですか?」
「ええ。交代交代で決めましょう」
そう言われて私はサササッとゲームを横に流しながらどのゲームにしようか模索する。
みんな知ってるトランプやオセロ、五目並べやブラックジャックなど色々なゲームがあるのを目にする。
その中で選んだのは……
「ヨットでいきますか」
「まずは運試しってわけね!」
コメント
▷ヨットか
▷まぁ最初のゲームにぴったりやね
▷楽しみ〜
「えっと……確かサイコロ振って決まった目が揃えば点数が入るんでしたっけ」
「そうね!でもどの役を取るかとか残しとくのかも重要になってくるわ」
ルールを選択し、私はゲーム開始のボタンに合わせる。
「それじゃあ始めますよ」
「ん!ちょっと待って言いたいことがある」
「え?なんですか?」
そう言うとカスミさんはマイクにも音が入るぐらい大きく息を吸っていく。
何をする気なんだろうと思いふとコメント欄を見てみる。
コメント
▷あっ(察し)
▷あれやるのかwww
▷来るぞ〜……
▷デュエル開始の宣言をしろ!カスミ!
リスナーは何をやるのかが分かっているようでコメントが加速していく。
結局何が起こるのかが分からなかった私が首を傾げた。
瞬間、轟音がヘッドホンから聞こえてきた。
「デュエル開始ィィィ!!!」
「えぇ……」
コメント
▷デュエル開始ィィィ!!!
▷デュエル開始ィィィ!!!
▷デュエル開始ィィィ!!!
そうしてア○ビ大全のコラボ配信が始まった。
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