第15話 初配信(2)

「それではマチュマロを読んでいきます」


〘 デビューおめでとうございます!

まさかのニーリャさんの一周年配信でのデビュー宣言&正体は友人さんなのはすごく驚きました。

そんなアリアさんに質問なのですがアリアさんは何期生という扱いになるのでしょうか?〙


「この質問は結構来てましたね。一応私は3.5期生という括りになってます。4期生は違う方なので注意をお願いします」


 コメント

▷3.5かぁ

▷なるほど。つまり特別枠なんやね

▷友人であの声だったら納得


 私も最初「貴方はちょっと特別な括りでデビューさせます」と言われたときは驚いた。が、確かに立場とかを考えるとそれが賢明なのかもしれない。


「同期がいないのは少し寂しいですが、これは運営さんに期待されてるっということなので不満はありません。むしろ私を雇ってくださった運営さんには感謝しています」


 コメント

▷眩し

▷女神……?

▷優しすぎるwww

▷ポカポカする(綾○感)


「次、いきましょうか」


『好きなゲームのジャンルはなんですか?』


「ゲームのジャンルで好きなものですか……私は愉快なパーティゲームが好きです」


 コメント

▷愉快なパーティゲームwww

▷それってスマ○ラ

▷あれは格ゲーでしょ

▷ボドゲ得意なんじゃないの?

▷ニーリャがいっつもボコされてるって聞いた

▷パーティゲーム……?


「え?ニーリャからスマ○ラは愉快なパーティゲームと聞いたのですが……」


 コメント

▷それ騙されてますよwww

▷ニーリャさん!?

▷おぉい

▷草

▷草


「……ニーリャ、後で覚悟しといてください」


 コメント

▷«ニーリャ・ファイブロライト» ヒエッ

▷草

▷ニーリャ終わったな

▷実際スマ○ラどのくらい強いんですか?

▷オンラインもぐってる?


 私はスマホでVIPを調べ、私の世界戦闘力と比べる。


「えーっと……ホム○カが魔境2に入ってますね」


 コメント

▷ガチ強で草

▷これは参加型が楽しみ

▷«ニーリャ・ファイブロライト» この娘、一年で行ってるからね?

▷は?

▷え?

▷有能すぎやしませんかね……


「ははっ。ありがとうございます」


 私はスマ○ラは一年前、詩織から教えてもらってデビューした。

 当初はあまり興味がなかったのだが、詩織が私の家に来るたびにスマ○ラを持ってくるため、流石に毎回持ってきてもらうのも少しな……と思い、自分で買ってやっていたらいつの間にかハマってしまいここまでやり込んでしまった。


「もうそろそろ次行きましょう」


『ニーリャからの話でボドゲとか、トランプとかのルールを知らないと聞いていたのですが幼少期とかは何をされてたんですか?普通、知ってると思うのですが……』


「あー……私、幼少期は小学校とかじゃなくて家庭教師で、外との関わりがなかったんですよ」


 コメント

▷へー

▷中学ボッチまっしぐらじゃん

▷流石お嬢様……


「ええ……しばらくは中学はボッチでしたね。でもそこで私に声をかけてくれたのがニーリャなんですよ」


 コメント

▷ニーリャ見直したわ

▷ニーリャないす

▷ニーリャやるやん

▷ニーリャ褒めてつかわす

▷上から目線なの草


「次ー」


『性癖教えて』



 コメント

▷おおい!

▷定番ではある

▷煩悩マチュマロ


「……私は優しい人が好みですね」


 コメント

▷はえ

▷それは性癖じゃなくてタイプでは?

▷純粋無垢……

▷なら俺はいけるな

▷↑思い上がるな


「性癖ってこういうののことを言うんではないんですか?」


 コメント

▷もうそれでいい

▷綺麗なままでいてくれ


「は、はい」


 コメントに従い、私はその話をやめ、マチュマロを別のものに変える。


『こんにちはー!

アリアさんはニーリャさんの一周年記念配信のときにデビューしましたが、ずばり……スリーサイズを教えてくださいお願いします何でもしませんから!』


「なんでもしないんですか……」


 コメント

▷ん?今何でもするって……

▷(言って)ないです

▷前半のくだり関係なくて草

▷うーんこの

▷草


「スリーサイズ……上から72、54、75だった気がします」


 コメント

▷いいねー

▷見た通り

▷こんぐらいが好み


 コメントでアリアの体への称賛コメントが流れてくる。

 そのコメントに対して私は薄く笑って答える。

 

「ありがとうございます」


 コメント

▷かわいい

▷かわいい

▷かわいい

▷アッ……

▷召されるー!

▷極楽浄土はここだったか……


「次がラストです」


『貴方の声に一目惚れしました。一生推します。

 歌とかasmrをする予定はあるでしょうか。あったら嬉しいです。なくてもさせます、覚悟しといてください(宣戦布告)』


「えぇ……」


 コメント

▷初配信で宣戦布告されるVがいるってマ?

▷草

▷でもしてほしい

▷この声はまじで一目惚れするわ

▷私も同行しよう


「歌とかはしたいと思ってますけど、asmrはまだわかりませんね」


 そういうと私はマチュマロを閉じて、画面を元の配置に戻す。


「さて、次はタグなんですけど……リスナーさんの読み方は普通にリスナーで行こうかなぁと私は考えてます。それでそれ以外のファンアートとかのタグはいまリスナーさんたちの意見を聞いて決めたいと思ってます」


 私は配信画面外にメモアプリを表示させ、カーソルをそこに合わせる。

 すぐにでもコメントに来たものをメモれるようにするためだ。


「まずはファンアートタグで」


 コメント

▷アリアート

▷ありあびじゅつかん

▷お嬢様のお膝元

▷アリアの日常


「ふむ……アリアートは結構いいですね。お嬢様のお膝元もなんか……こう……引かれるものがあります」


 この2つをメモ欄に書き、再度見直してからどちらかにするかを決める。


「アリアートのほうが私って感じがしていいですね。これにしましょう」


 メモ欄を配信に載せ、そこに[#アリアート]と書き込む。


「次は配信タグですね」


 コメント

▷ありしあたいむ!

▷アリアの時間

▷ありあたいむ!

▷アリシアター


 コメント欄で多くの意見が投げられる中、私はコメント欄を見て1つ、不可解な点に気づく。


「そのひらがな推しはなんなんですか?」


 異常にひらがなでのタグを推してくる人が多いのだ。そういうノリなのか分からないが少なくとも私のキャラにはあっていない気がする。

 そんなことを考えているとひらがな推しの回答が返ってきた。


 コメント

▷ニーリャのタグが[#にーりゃたいむ!]なんやで


「なるほど……じゃあそれで行きますか」


 ニーリャがそうしてるならそうしたほうがいいのかと思い、私も似たようなタグにしようとする。


「それでは配信タグは[#ありあたいむ!]で」


 コメント

▷ニーリャにあわせた……?

▷これは嫁

▷友人ではなく嫁説出てきた?

▷こんないい嫁をニーリャがもらえるわけwww

▷ニーリャが結婚?フッ馬鹿馬鹿しい……そんなことありえ……おっと誰かが来たようだ


「何言ってんですか……」


 私に1つの誤解が生まれた気がするが気にしないでおこう。

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