3日目(ベッドイン)

 彼女の名はラフィ。

 今夜は扉も窓も厳重に鍵をかけた。



「これで今夜は安心でしょう。さて、明日も朝から公務です。そろそろ寝ましょうか」


「――こんばんは」


 バサッ。



「あなたは……」

「どうも、僕です」


 そう言って、男は布団の中から現れニコリとほほ笑んだ。



「……なにをしているのですか?」

「今宵は少し冷えますので、風邪をひかないようにベッドを温めておこうかと思いまして。これぞ忍法、『火遁:寝具保温しんぐほおんの術』」

「意味が分かりかねます……」

「では説明しましょう。『火遁:寝具保温の術』は人間が体内に持つ熱エネルギーにより――」

「結構です。お引き取りを」

「そうですか。しからば」


 シュバッ。





「…………あ、温かい」

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