2日目(ニンニン)

 彼女の名前はラフィ。

 王女であり、この地の領主も兼任している。



「ふぅ。今日もまた公務が忙しかったです。紅茶でも飲んで一息つきましょう」


「――どうぞ」


 スッ。



「あなたは……」

「どうも、僕です」



 そう言って、男は湯気の立つティーカップを差し出しながらニコリとほほ笑んだ。



「いったいなぜ……」

貴女あなたへの愛ゆえに」

「そうではなく、具体的な方法の話です。昨日より警備を強化したのに……」

「僕の祖父は忍者の末裔ですので」

「忍者……おじいさまが末裔ということは、あなたも?」

「はい、忍者です」

「…………」(なぜおじいさまをワンクッション挟んだのでしょう……?)


「忍者、お好きですか?」

「別に好きでも嫌いでもありません」

「そうですか。しからば」


 シュバッ。





「…………は、早い」

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