夜空見て

泣きたくて鳴きたい夜は星を見た

夏でも夜は涼しくて星がいつも寄り添ってくれた

大好きだったあの人もいつしか居なくなっていて

誰も私を見てくれなかったから星に語りかけた


思い出すほど辛い過去はもうみんな聞き飽きていた

伝えたいことはありすぎて最早なかった

だから伝えられなかった

繋いでた手の間、風が通るから力入れて繋いでいた

君の愛が海に沈むから海を見ていた

嵐が来て記憶を濁して絶望だけが綺麗で眩しくて辛かった


幸せが似合ってるって言ってたあの人は私を不幸で飾る

そんなのが日常でありふれた気持ちは何処かに流れていって

私は空っぽになった


時間は流れた

未だに後悔の夢見て失くしたもの探すけど見つかるのは黒いそれだけ

死ぬ勇気は無いのに希死念慮抱いている自分を蔑む目で見る

変わってしまって変えられなかった汚された心が戻るはず無いから変わり続ける


白い結晶が降ってきたから二酸化炭素吐き出して下を見る

何にも穢されていない白色が醜くて仕方がなかった

だから上を見たけど何も無かった


ハッピーエンドなんか無いくせして皆それを期待するから

こんな負の連鎖が起こるんだ

誰かに八つ当たりしてまた後悔してまた死にたくなって

まとわりついた汚れを増やした


白い結晶なんかもう見飽きたから蹴散らかした

なのに消えてくれなくて毛布に潜り込んだ

消えたあの人が優しく頬を撫でてきたから泣いた

辛いとか消えたいとかそんなのはもう無くなった

ただただ黒いそれが遺るだけだった


影を背負いながら生きるのは苦しい

背負ってるものを投げ出したかったから陽の光を沢山見た

だけど得るものは何も無くて眩しいものが目に入るだけで罪悪感を植え付けた


星が輝いて綺麗だった夜空もいつしか雲がかかってきて

とうとう夜さえ私に寄り添わなくなった

諦めたその一瞬が一生苦しめた

終わりばかり愛していた

浮かぶ希望を手に取らなかった

その結果不安に呪われてしまう


堕ちた涙なんか拭きたくない

変な意地張って認めざるおえない事も認めない

情けなく醜いものになった私を誰が救えるか

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