アサガオが咲くのが悔しくて

月が沈んだ アサガオが咲き始めた




朝より夜が好き

暗い方が私みたいで、似合ってるかなとか思っちゃってる。


明るい朝はなんか希望の匂いがして怯えちゃう。

キラキラした朝露が陽の光で光った時とか、アサガオが咲くあの瞬間とか

希望に満ち溢れすぎて眩しくて目を逸らしちゃう。

きっと多分それは私に余裕が無いからだなー。

とか考えて自分がダメに思えて自己嫌悪に堕ちるから余計に朝が嫌いになるの。


でもね、ずっと朝が嫌いって訳じゃないよ。

彼氏ができた時とか、夢を叶えることができた時とかは朝が好きになれたの。

でもそんな朝なんかすぐに終わっちゃってね、また夜になるの。

私の人生いつもこうで、結局夜の方が多くなる。

私の一日、二十四時間のうち、二十一時間ぐらいずーっと夜。

何をしても何かを感じても、朝を好きになろうとしても無理だったの。


夜を感じるたびにね太陽が散るのを目にする度にね、

あーまた夜が来ちゃった。夜が来ちゃうんだ。怖い。

ってドロドロでギトギトな気持ちになって、それでも

何回も何回も向き合うの。夜が好きだからだよ。


苦しくて辛くて泣き叫んでも太陽は顔を出してくれなくて。

黒色に何を足しても黒色。そんな感じでね、夜の黒色に染まった私はもう何色にも変わることはできないの。

もう朝の明るい茜色に戻ることはないんだろうね。

そんな風にいつの間にか諦めてしまってるの。


黄色と黒色の棒の先にある綺麗な空が欲しくなっちゃて渡ろうとしたり

空が綺麗だから恋しくなって飛んで捕まえようとしたり

紐の先に見える虹色を見たくて潜ろうとしたり

風邪、引いてないのに風邪薬いっぱい飲んじゃったり

半袖半ズボン着るのを諦めたり

綺麗なものが欲しくて、朝を好きになりたくて、できるもの全部したよ。

でも何も得られなかった。好きになれなかった。

しかも挙げ句の果てにそれを止めてくれる人がいてね。

ちょっとだけ嬉しかったの、主人公になれた気がしたからさ。

でも、迷惑をかけたことは変わらなかったから、悲しくなって泣いちゃった。


春も、夏も、秋も、冬も、朝も、昼も、夜も、ずっと苦しかったから小説描いたよ。


辛いこと全部知って欲しかったから

私の描くもので誰かを救いたかったから

私が空っぽな人間になりたく無かったから

私は何もできない人間なんだって思いたく無かったから

この詰め込んだ感情が溢れちゃったから

何処かの誰かに認めて欲しかったから

暗くて黒い人生を途方に暮れたく無かったから

私の人生に意味が欲しかったから

こんな小説、描いてるの。


小説を描くときはいつも夜なんだ。

夜が深くなる度に夜と朝が私をいじめてくるから、ペンが進むの。

ほらね、やっぱり夜が似合ってる。もしかしたら夜も朝も似合わないかもしれないね。

そんなもんなんだよね。結局は私が空っぽな人間なんだ。


ああ、またアサガオが咲き始める。月が沈み始めた。

苦しい、嫌だ、逃げたい、辛い、助けて、

そんな気持ち殺して今日の朝を迎えるの。

そしてまた夜が繰り返される。

アサガオなんか早く枯れればいいのにね。


これを読んでるみんなには、どうか、夜が似合わないでいて欲しいの。

アサガオが咲く瞬間を感じて、好きでいて欲しいの。

この世界で辛いのは私だけでいいの

この世界で夜が似合うのは私だけでいいの。

みんなとは反対の存在で居たいね。

みんなには朝がお似合い。


また朝が来るよ。頑張ってね。応援してるね


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