第2話

ショッピングモールにて


お手伝いします。と言った手前、断れず着いてきてしまった



「それで目星は、付けてあるんですか?」


〔おん!可愛いものなら好きやろ?〕


「なんでそれしか方程式にないんですか?」


〔え?なにが?〕


「具体的に何を買うかとか値段とか」


〔あ〜…なんとなく?〕


「そのセリフ、だいたい決まってない人が言いますよ?」


〔だってー、調べたら色々出てくんねんも〜ん〕


1度ため息を吐いた


「それでその人と桐谷さんの関係性は、?」


〔あ〜、俺の同僚で女性で、仕事が出来てクールな感じやな〕


「なるほど…女性だったんですね」


〔あれ?言ってへんかった?〕


「聞いてません。それなら同僚さんが好きな物の方がいいのでは?」


〔いや、周りがそーゆーのをあげるって話聞いてんやから、女性が貰って嬉しいもんってなんやろうって〕


「なるほど、それで私に……」


〔ごめんな、なんか巻き込んでもーて〕


「まぁ、声掛けたのは、私ですからいいです。手伝うって言ってしまったので」


〔ほんまにありがとう〜〕


「それで今歩いてますけど、なにか良さそうな〔あ!!あれ見て!!〕桐谷さん?!」


そう言って私の手を引っ張る


〔これよくね?ペットの写真、入れれんねんで!!え?!欲しいねんな〜〕


「は、はぁ、その方は、ペットを買っていらっしゃるのですか?」


〔え?しらん〕


「なら誰用ですか?」


〔自分用!うちの子めっちゃかわいいねんで!〕


「へ、へぇー」


〔フレンチブルがおんねんで!〕


そう嬉しそうに話すので、仕方なく話を広げよう


「ワンちゃん、お好きなんですね」


〔え?〕


「ん?なにか変なこと言いましたか?」


〔いや、村瀬さんがワンちゃんってゆーてんの意外やってビックリしたわw〕


「…それって褒めてますか?」


〔ギャップがあるって事よ!ええ意味やで?!〕


私には、嫌味にも少し聞こえた。


「とにかく早く買いましょう」


〔あ、ほんまや、自分の欲しいもんばっか目がいってしまうわー〕


「大体の方がそうですよ、ほら、お店行きますよ」


〔え?なんかええのでもあったん?〕


「うーん、桐谷さんがその人をどう思ってるか分かりませんが、大筋は、決まってます」



移動して本命のお店へ


〔ここは?〕


「バスグッズショップです。隣にも雑貨店があるんです。」


〔え?お風呂グッズって事?!〕


「はい、しかもただのでは、ないです。」


とバスボムが入った箱を見る


「バスボムならだいたい大丈夫かと」


〔え?そうなん?!〕


「人にもよりますが、バスタイムが好きって方も多いイメージがあるので、後重くなり過ぎず軽くなり過ぎないのでいいかと」


〔なるほどな〜…へーどんな匂いがいいんかなー〕


「この香りとかどうですか?」


サンプルに置かれていた物を渡すようにすすめたが桐谷さんは、そのまま顔をサンプルに近づけた


「え、」


〔ん〜この匂いか〜…あとなんかおすすめなんある?〕


「あ、はい」


少しびっくりした

この人、距離が近いな



「セットの方が色々な香りもあるのでいいかと思われます。」


〔なるほど…〕


と悩む仕草があったので、


「もしかしてご不満でしたか?」


〔あ、いやいや!そうじゃなくて〕


「ならなぜ悩まれてるのですか?」


〔え?悩んどった?!〕


「はい、もしかして、その同僚さんの事好きなんですか?」


〔ちゃうちゃう!あいつは、そーゆーんちゃうねん〕


「そうでしたか、勝手にその方の事好きなのかと」


〔ないない!あいつは、俺に基本冷たいから〕


「へー」


そう、笑わせそうとしてるのだろうけど、

相手がどう思ってるかは、知りませんがね



〔俺には、なかなか分からへんからちょっと不安やっただけやで〕


「と言いますと?」


〔俺があんまり長風呂得意ちゃうねんやから、こんなんで嬉しいんかな〜って〕


「なるほど、そうでしたか」


そう困った顔をしていた


〔あ、他にもあんの?〕


「あ、はい、かわいい感じのものとか匂いがいいものもありますね」


〔へー、村瀬さんは、こーゆーの使うん?〕


「はい、好きでよく使ってます。」


〔え?!そうなん?〕


「え?!ちょっと?!」


すると彼が先程より私に近づいて匂いを嗅いできた


「なっ、なにするんですか?!」


〔ごめん!どんなん使ってんねやろって気になって…でも村瀬さんいい匂いするなー〕


「そんな事いいんですよ!!ほら!違うなら隣のお店行きますよ」


〔え?!ちょっと待ってやぁ〜〕


褒められるのは、嬉しいが距離感を考えてほしい


隣の雑貨店へ


〔ここの雑貨は?〕


「アニマル雑貨と言いますか…動物を模した作品が多いので、そういうのいかがかなと思いまして」


〔ほほぅ…例えば?〕


「その方をイメージした動物の物とかどうですか?」


〔えぇ〜どうなん?〕


「結構小さめの物もありますよ!」


〔…w〕


すると突然笑いだした桐谷さん


「え?なにか変なこと言いましたか?」


〔村瀬さんが来たかっただけちゃう?w〕


「なんでそう思われたんですか?」


〔ここに来てからイキイキしてんで? w〕


「え?私が?」


〔動物好きなん?〕


よく人の事見ているなぁ


「好きというか…小物を集めるのが好きでして…」


〔やっぱり好きなんやんw〕


「プレゼントでしたら、他のお店にもオススメありますよ?」


〔ならそっちも行ってみよかw〕


と何店舗か歩き周り、カフェで休憩する事に


〔いや〜ほんまに今日は、ありがとうな〕


「いいえ、手伝うと言ったので、後は、桐谷さんで決めて下さい」


〔えーなんで〜、一緒に決めよ〜やぁー 〕


「私が一緒だとその方が悲しみますよ」


〔なぁ〜んで〜〕


「桐谷さんから貰うのが嬉しいんですよ」


〔そんなもんか?〕


「そういうのが乙女心です」


ちょっと訳が分からないという顔をした後、嬉しそうな表情に変わった


〔まぁ、ええっか〕


「なら自分も満足です」


〔今日は、村瀬さんの知らへんかった事まで知れたわ〜〕


「……え?」


〔俺は、それが嬉しいわ〜〕


仔犬みたいに笑うので、桐谷さんもこんな表情するんだと自分もびっくりした


「手伝い出来たなら幸いです。」


〔もーええ加減硬いで〜〕


「いえ、仕事相手なので」


〔ここまで仲良くなったんやからええやん〕


「今後とも、仕事でよろしくお願いします。」


〔えええええ〕




そら、そうでしょ?別会社なんだから


 

 

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