第6話 学校・・・どこにいった。

はぁ、はぁ、はぁ。

その小さくなった体は、急ぐのに不便である。


はぁ、はぁ、はぁ。

歩いていける距離にある高校は便利だ。寝坊ができる。(?)

まぁ、今回は寝坊し過ぎのようだが。


そんなことを考えている合間にもう着いた、と思った。


最後の曲がり角を曲がると見えてくるのは、われらが校舎である。

・・・見えるはずなのだが、あるべき場所に校舎は見当たらない。


「身長が低すぎて見えないのかな・・・。」


さらに近づいてくるがみえてくるのは、

学校の校門に群がっている何人かと、高いネット、樹木などだけであった。


校門のほうから、

何があったんだ、どういうことなの、という困惑の声が上がっているのが聞こえる。


その高校生というには少し小さい体で、人の合間を縫うように通り、

人混みの前にでた。そして驚きの光景が目に飛び込んできたのだった。


校舎が、かけら一つ残さず消えていたのだ。

代わりにあったのは、

   あれって、洞窟の入り口か何かか?

穴が地面に空いていた。地面より下に続いているように見えた。

野次馬から聞こえた声の通り、洞窟のようなものが、そこにあったのだ。


・・・言葉が出ない。


またもや夢疑惑が再燃し始めるところだった。

身近にあった建物が、急に神隠しに会うなんて。


そして、寝坊をしていない、まじめな生徒たちは、どこに行ったのだろう。

もし、今日、寝坊、していなかったら・・・。


「私の清秀はどこに行ったのよ!???」

悲痛な声が野次馬あたりから聞こえてきた。

野次馬がどんどんと増えているのだった。

中には、学校の方向を向かず、

この国の人には到底見えない僕を見てくるやつもいた。

洞穴に近づいて入ろうとしている人もいた。


とりあえず今は、よくわからず、家に帰ることにした。


帰路の途中、異常に大きい植物がところどころ

数件の家を飲み込んでいることに気が付いた。

どうやら、急ぎすぎて行く途中では気づかなかった。

今朝見た緑色のものはこれだなと思った。


玄関を開けて、、、どうやら鍵を開けっぱなしみたいだ。

家に帰ってきて少し落ち着いた。


今朝(昼)のいろいろはすべて、

その世界のシステムが変わったとやらに巻き込まれたからなのだろう。

そして、それは、俺の親友、"優斗"も・・・。


今すぐ助けにいかなきゃと思った。


あの金の職業カードの力はこのためにあったのだとそう思えた。


「あの洞窟は無関係ではないはずだ。」

ステータスがRPGのようなものというのなら、

もしかしなくても、あれは洞窟というより、ダンジョンというのかもしれない。

スライムがいるのかもしれない。


と思っていたら、 ボウンとステータス画面が表示されていた。

「あぁ、そういえば、ステータスと考えると画面が開くんだったな、」


 ――――――――――

名前:河野 普翔

人種:「地球人」「女(男)」

職種:クロノス(姫)

状態:良好


【ステータス】

Lv  1

EXP 0/50

HP 100/300

MP  50/50


STR 15

INT 73

DEF 50

RES 50

AGI 20


LP 5


【職業スキル】

時間因子操作

〈加速、減速、停止〉



【アビリティ】

普通隠蔽



【ストレージ Lv.1】2/10

初心の剣

初心の盾



 ――――――――――


「そうさ、僕には時間操作という力がある。」

隠蔽が出きるっぽいアビリティも持っている。

ダンジョン攻略なんて、余裕だよ。


待っていろよ、親友ゆうと

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