第2話 その日世界は融合した。

ある日の朝の出来事である。

…少なくとも彼の頭の中では朝の出来事である。




ドコーン!



そんな大きな音と衝撃が目覚ましの代わりとなった。



「えっと、なにかあったのかぁ?」



まだ少し寝ぼけている状態なのだが、カーテンを開けて外を見た。



朝日(?)がまぶしい。



するとどうだろう。

窓の外に見えたのは、いつもの僕の町の住宅街が見える。

特に何もないな、そう思うのは少し早計であった。

いつもの風景が見えるのは見えるのだが・・・、

うん。よくわからないが、とにかく緑色とだけはわかる見慣れぬ物体も一緒に見えた。



そして、もっと気になるものが。

あのもっと奥、空に映っているかのように遠いところに

「でっかい木だな~。」

と、それは間違いなく“木”がはっきりと見えたのだ。



「なぁんだ、まだ夢の中だったのか。」



知っているかい?

夢の中で夢に気づくことを明晰夢というのだよ。

夢の中で自分の思った通りに行動できるのだ。



ほらこの通り、自分のほほをつねることができ

 アイタタタ!



・・・



おかしいな、夢の中では痛みはないはずなのだ。



とりあえず着替えて、1階に降りようと思ったその時!



急に ボウン。と 薄いプレートのようなものものが目の前に現れたものだから、

「ウワ!?」となって、腰を抜かしてしまった。



(え・・・と、痛い。 なんだこれは。)



文字やら数字やらがいろいろ書かれていたので

とりあえずそのまま読み上げてみる。



 ――――――――――

名前:河野 普翔

人種:「地球人」「男」

職種:設定なし

状態:良好



【ステータス】

Lv  1

EXP 0/50

HP 99↑/100

MP  0/0


STR 5

INT 63

DEF 5

RES 1

AGI 10


LP 0


【職業スキル】

なし



【アビリティ】

普通隠蔽



【ストレージ Lv.1】1/10

チュートリアル攻略書




 ――――――――――

「なんじゃこりゃ。」

わからな過ぎて、どう驚いていいのかもわからない。

ひとつわかったのは、なんだか夢っぽいなということくらいだ。


※彼は何もわかっていません。だってこれは夢ではないのですから。

 こういう行動を人は現実逃避と呼びます。



(まるでゲームのステータス画面じゃないか。)



RPG系のゲームをほんのりと何回かやったことがあるので

なんとなくはわかるが、

ざっと見た感じ一番意味不明なのは

ストレージに入っている

チュートリアル攻略書とかいうやつだろう。



そもそもこのステータス画面が何これという感じなのだが、

もしかしたらこれに何かいい情報が書かれているかもしれない。

なにかを"攻略"することが書かれている書物なら。


ちょっぴり気になるので、見てみることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る