第6話 依頼

さて、こういう時はどこかにクエスト表示があるはずだけど。


お、メニュー表示があった。


えっと、クエストはと。


-初心者クエスト-

『村長と会話』


ああ、これは初心者用のチェインかな。


チェインクエスト。


派生形のクエストでこの先連続して行くクエストである。


さて、いってみよう。


初心者村は小さい。


民家が5軒くらいしかない。


一軒だけ少し大きめの家がある。


あれが、村長宅だろうか。


ん?家の前に誰かいるな。


頭上に『!』アイコンが見える。


クエスト表示かな。


年配の男性だった。


「こんにちは、貴方がこの村の村長さんですか?」


「これはこれは、旅人さまでしょうか?

こんな辺鄙な場所へお越しいただきありがとうございます。

私は、この村の村長アルゲインと言います」


「僕は、ソータと言います。なにかお困りのことはありませんか?」


僕はそう尋ねた。


村長は首を傾げ、ポンと両手で杵を打つ。


「些細なことで申し訳ないのですが、隣家のアンの悩みを聞いていただきたいのですがよろしいでしょうか」


村長が、そう訪ねると僕の前に選択肢が出た。


僕はすかさず「YES」をタップしようとした。が、反応は無い。


ああ、音声認識か。


「もちろんですよ、アンさんの悩みを聞いてみますね」


「よろしくお願いします」


そう言うとウィンドウが消えた。


それと共に、ログが進む。


経験値+50と表示があった。


え、なかなかくれるんだな。

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