第3話 ネットニュースに出まくり
何がどうなってこうなったのか、私の醜態がネットニュースの記事になり、羞恥の放屁事件が全国民の知るところとなってしまったのである。
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チャンネル登録者数8万人を超える人気VTuber・
7月17日、
しかし、その後の彼女の発言により、ぺろみさん本人も性経験が無いことが判明。これに視聴者の怒りが爆発し、大炎上となったのである。
また、彼女の問題はこれに留まらず、前日の配信に於いて、カメラに下着姿の尻を向け爆音放屁するという下品な行為をして炎上したのだ。これにも女性としてあるまじき暴挙と苦情が殺到していた。
この二日連続の炎上騒ぎに視聴者は、「女として終わってる」や「炎上商法では?」などというコメントが殺到しているようだ。
しかし、一部の変わったファンからは支持されているのか、登録者数は伸び続けているようである。
――――――――
「ぐぎゃぁああああっ! なんじゃこりゃあ、何で私のオナラが全国ニュースにぃいい! 勝手に私の恥をニュースにすな!」
ヤピューニュースに私の名前を見つけて二度見してから絶叫した。
しかもニュースのコメント欄には、私の放屁を批難するコメントが並んでいる。どれも事実を無視した独善的なものばかりだ。
『ネットを使って放屁を全世界に配信するとは嘆かわしい。国の恥です』
『これは新手の迷惑系ウィーチューバーですか?』
『最近の若者は恥という概念が無いのでしょうか? 若い女性が人前で放屁だなんてあり得ません』
『ただただ下品』
『これはあれですね。次の選挙に放屁の自由を掲げて出馬するまでがセットですね。懲罰委員会にかけるべきです』
「だれが選挙に出るか! てか、放屁の自由ってなんやねん!」
液晶画面に文句を言っても仕方がないが言わずにはいられない。今やツブヤイタートレンドランキング一位になっているのだから。
恐る恐る自分のWeTubeを開いてみると、つい先日まで登録者数ギリギリ三桁だった私のアカウントが、ブボッと一発で25万登録者を超えているではないか。
「ふへぇ、吹けば飛ぶよな木っ端アカウントだった私が、遂に六桁の大人気に……。ぐへへぇ、これは満たされるわぁ。いやいやいや、屁で承認欲求満たしてどうするんだ私!」
とにかく羞恥心とお金を天秤にかけ、ギリギリお金をとった私は、このチャンスを活かし大人気VTuberへの階段を駆け上がろうとするのだった。
そして、放送事故後二日目の配信が始まる。
「よう、待たせたな。ブー」
私の声で一斉にコメントが流れる。
:来たっ!
:ブー!
:合言葉はブー!
:ブヒー!
:(´;ω;`)ブボッ
:地声じゃねーかw
:真面目にやれ
:清楚だったぺろみちゃんを返せ!
「おう、昨日は童貞イジリして悪かったな。実のところ、私は童貞大好きやぞ」
:は?
:おい! 今更なに言ってんだ
:ヤピューニュースに載って日和ったか?
:ぜってー許さねえ!
「まあ待て、童貞が好きなのは本当だ。
:マジか!
:ワンチャンありか
:↑おまえマジか?
:我儘言える立場か!
:陰の者じゃなく淫の者の間違いだろ
「実は隣の部屋に住むDKの少年が童貞っぽくて……ぐへぐへ」
そう、童貞が好きなのは本当なのだ。女慣れしたチャラ男は怖いが、
:ヤベぇ
:ポリスメーン!
:ガチでヤバい女だったか
:マジで逮捕されそうw
:ゲームはどうなった。ケダモノレジェンズの配信しろよ
:少しは腕上げたのかよ
「うっせぇー! 私は
:おい、勝手に始めやがったぞ
:また放送事故か?
:男性視聴者の多いここで乙女ゲーとか正気か
「このゲームはシナリオが逸品なんやぞ。しかも豪華声優陣。おまえらも女の口説き方を学べ。出会って5秒で壁ドンからのキスだろ」
:それ普通に犯罪
:現実を解ってないのはおまえだ
:出会って5秒www
自分の得意分野で勝負しようと乙女ゲーを始める私。しかし、事態は更に予想外の方向に行くのだった。
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