【3章完結!!】🍖お肉で始める最強ドラゴン無双🍖 ~ 異世界でハーレム生活を満喫する筈がドラゴンに転生したので、代わりにお肉ライフを満喫します@ヒロインが子作りをせがむ筋金入りのストーカーでした ~
4話:最強クラスのチートスキルと、物陰で「はぁはぁ」言ってるヤバい女
4話:最強クラスのチートスキルと、物陰で「はぁはぁ」言ってるヤバい女
俺を地獄へ送還する為、神兵隊が槍を持って突撃して来た。
「「「うぉぉぉぉおおおおーーーーッ!!」」」
(あー、もう面倒くさいなぁ)
ただの槍で貫かれる俺の鱗や皮膚ではないが、無駄にチクチクされるのは俺だって腹が立つ。
だから俺は、奴等の槍を“奪ってやる”のだ。
「『
俺の呟きと共に、神兵達の槍が彼らの手を離れ、浮く!!
「うわっ、オレの槍が!?」
「何が起きた!?」
「いやんッ、ボクの槍ちゃんが!!」
その浮いた槍が俺の手元にやって来て、5本まとめてパシッと掴めば、一撃も交えず戦いは終わり。
神兵隊長は悔しそうな眼でこちらを睨み、俺は「ふあぁ~」と欠伸を返す。
「辞めとけ、やるだけ無駄だ」
「くっ、今のが噂に聞く『
「何だ、知ってた上で突撃してきたのか? 馬鹿なのか?」
「馬鹿ではない!! 武器が無くとも、我らには鍛え上げられたこの肉体があるッ、全員突撃~~~~ッ!!」
「「「うぉぉぉぉおおおおーーーーッ!!」」」
やっぱり馬鹿だ。
ここまで愚直だと普通に相手をしてやりたくもなるが、食事の後に動くのはちょっと
ここは手早く戦いを終わらせよう。
「『
俺の呟きと共に、神兵達の頭上にピンク色の雲が生まれる。
そこからピンク色の雨を降らせ――彼らの衣服を“全て溶かす”!!
「うわっ、オレの服が!?」
「ぎゃー!! 何故丸裸に!?」
「いやんッ、ボクの服ちゃんが!!」
「くっ、私は引かんぞ!! そんなに見たいなら見せてやる!!」
流石は神兵隊長、格が違う。
一人だけ股間を隠しもせず、意気揚々と突っ込んで来た。
「いや、見たくはねぇよ」
神兵隊長を尻尾ではじき返し、ボーリングみたいに残り4人を吹き飛ばす。
全裸で絡み合ったまま飛ばされた神兵達は、そのまま絡み合って転がりながら「覚えてろよー!!」と捨て台詞を残して退場した。
――――――――
「ふぅ~、ようやく静かになった」
神兵隊を追い払い、賑やかさの戻って来た酒場のウッドデッキにて。
俺はいつもの様にロッキングチェアに揺られつつ、酒場から聞こえて着る“普段の喧騒の静けさ”を堪能する。
ワイワイガヤガヤ賑わう店内の喧騒が、日常が戻って来た感じがしてむしろ俺には心地良い。
店中から俺に手を振るに客に尻尾で挨拶を返しつつ、俺は食後のホットブラッドティー(魔獣の血のあったかいお茶)を堪能するも、しかし今の状況について
「神兵達が来るのは今月で7回目……こう毎度の様に来られたら、のんびり暮らすことも出来ねーな。それに、相変わらずモテモテにはなってねーし……」
今現在、俺が抱える問題は二つ。
常に命を狙われているこの状況と、女の子達からモテモテになっていないこと。
いやまぁ、確かに食事の最中に「キャーキャー」黄色い声援を受けることはあるが……俺は知っている。
アレは動物園の動物に向けられる「キャー」と同じで、可愛い、カッコいい、珍しいといった感情によって引き起こされたものだ。
決して「素敵! 抱かれたい!」という代物ではない。
あぁ、女の子の裸が見たいとか言って、体育館前や校舎の屋上で祈ってた頃が懐かしい。
あの頃はまだ夢があった。
今はその夢が無い。
見るだけ無駄な夢だろう。
一体何処に、ドラゴンとイチャイチャしたい女がいるというのか……。
俺が異世界転生を果たす前、三途の川のリバ子様が笑っていた意味がようやくわかった。
というか、赤ちゃんドラゴンに転生した時からわかってはいたが、それでもこの姿は普通にカッコいいと思うし、女の子達にモテモテとなる未来もワンチャンあるかと期待していたが……やはり、種族の壁を超えるのは難しいようだ。
「とは言え、何か良い方法がある訳でもねぇし……ん?」
ふと、気が付いた。
酒場の建物の陰から、黒髪の女がこちらの様子を窺っている。
真っ白い制服を着ているので天国から来た「神兵」なのは間違いないが、眼の下にこれでもかというくらい酷いクマを作っていて、「はぁはぁ」と無駄に呼吸が荒い。
「……はぁはぁ、タツヲちゃん、はぁはぁ」
あ、ヤバい。
俺は直感した。
この女、絶対ヤバい女だと。
(何だアイツ……マジでヤベぇよ)
人(ドラゴン)を見ながら物陰で「はぁはぁ」言ってる奴がヤバくない訳がない。
出来れば見なかった事にしたかったが、とは言え名前も知られていては流石に無視も出来ないだろう。
「おいお前、どうして俺の名前を知ってるんだ?」
仕方なく話しかけると、女は「ニタァ~」と蛇の様な笑みを浮かべる。
「だって、ずっと見てたから……」
「ず、ずっと?」
え、なに? 怖いんですけど……。
「ずっと見てたって……いつからだ? 1時間くらい前か?」
「ううん。タツヲちゃんが……生まれた時から」
「えっ……マジで?」
「マジだよ。それよりもタツヲちゃん……」
「な、何だ?」
「子作りしよ?」
こ、怖ぇぇぇぇええええーーーーッ!!
怖ぇええよコイツぅぅううーーーーッ!!
――ヤバい。
マジでヤバい。
眼の下のクマが酷い女が現れて、いきなり「子作りしよ?」と言って来たのだ。
無論、「じゃあやろうぜ!!」となる訳が無い。
「おい、いきなり何言ってんだ? 俺はお前なんか知らねーぞ?」
「大丈夫、私は知ってるから」
言って、女がピトッと俺の足に身を寄せてきた。
ゾクゾクッと、俺の全身が勝手に身震いする。
「おッ、俺に触るな!! ぶっ飛ばすぞ!!」
ギロリと威嚇するも、女は再び「ニタァ~」とした笑みを浮かべる。
「嘘は駄目だよ……タツヲちゃんは、絶対に女性に乱暴しないもん」
「な、何故そう言える? お前が俺の何を知ってるってんだ?」
「知ってるよ? タツヲちゃんのことなら何でも知ってる。例えば……タツヲちゃんは、“女性に乱暴するとスキルを失っちゃう”んでしょ? だから絶対、私に暴力は振るえないの」
「ッ!? お前、どうしてその事を!?」
俺はただただ驚愕していた。
この女が言っていることは、俺が9年前に〝スキルの神”から聞いた「夢の話」と合致していたのだ。
――――――――――――――――
*あとがき
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