袋麺。

 何がどうしてそんな話になったのか。袋麺の話になった。

「どれでもだいたい同じじゃない。しょうゆ、みそ、しお」

「わかってないなあ。みんな違うんだってば」

「そうかなあ」

「違いのわからないコだなあ、もう」

「そんなことない。夜中の禁断の味は……昔からあるこのチキン味のやつ!」

「あー、そうきたかー。それはわかるー」

「こっちのなんでも合うあっさり味も……」

「あ、それ私パスー」

「なんでよ」

「それはさー、土曜日のお昼、お母さんが怒りながら作ってたの思い出しちゃうから、かなあ」

「ふうん。見かけによらず、繊細なのね」

「ラーメンは激辛が大好きだけどねー!」

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