第52話 剣士一閃
最初の仕事をどうにかこうにか終えたのちも、ヒュノはなんのかんので、同じパーティの面々と仕事を続けていた。ひどい目に遭ったものの、少なくともある程度の報酬はもらえたし、依頼遂行中は(途中で喰い尽くす羽目には陥ったものの)おおむね保存食が用意されていたし、これまで自分の経験したことのない戦いもすることができたしで、ヒュノとしてはそれなりに悪くない仕事だ、と思えたからだ。
それに全員、ほぼこれが冒険者としての初仕事だったというのも大きい。それぞれに得手不得手はあるものの、年もさして違わないし、それぞれの得意なことが別々で、それぞれにそれなりに使いどころもあるしで、どちらが上か下か、ということを考えないですんだのだ。
誰も自分の方が上だと威張らなかったし、誰かを自分より明らかに下だと見下げなくてもよかった。ネーツェの仕切りたがりなところや、カティフのことあるごとに先輩風を吹かせたがるところは気にならなくもなかったが、それも決定的なものではなかったし、ネーツェの頭のよさやカティフの持つ世間知からして、まぁしかたないかなと思えなくもなかったし。
なので、ヒュノとしてはとりあえず、そこまで不満もないままに、この五人で組んで仕事を続けていたのだが――
『……これ、目的に、近づいてんのか?』
その時はふと、そんなことを考えて、足を止めてしまったのだ。
一
その冒険者としての依頼も、雑用の依頼を請けて迷子探しをする羽目になった末通り魔(強い)と斬った張ったすることになったり(そして通り魔はこれが初の犯行だったため手柄にはならなかった)、隊商の護衛の依頼を請けて街の外へと出た先で馬車の中に潜り込んでいた駆け落ち男女を追ってきた人間と喧々諤々の言い合いをする羽目になった末実はどちらも犯罪者で(強い)叩きのめして官憲に突き出すことになったり(そして手柄は隊商の人間に取られた)、と労働に見合った報酬がもらえないものばかりで。
なんというかすさまじく足踏みをしている感じが強く、ヒュノが現在のところ目的としている『士官の口を得る』という事態からは、むしろ依頼を重ねるごとに遠のいてしまっている気しかせず。
修行を積めていないわけではないし、毎日がそこまで辛いというわけではないものの。これでいいのかな、とその時はふと考え込んでしまったわけだ。
当然、もとより考え事に向いているわけではないヒュノの頭が、そうそう明晰に働いてくれるわけもなく。思考は行きつ戻りつしたあげくにぐるぐる回りたくもないところを回り始める有様で、思わず顔を思いきりしかめて頭を抱え込んでしまったところに、ロワが通りがかったのだ(冒険者ギルドの宿屋の部屋の入り口で考え込んでいたので)。
「……ヒュノ。なにしてるんだ、そんなとこで」
「あー……ロワか。や、大したことじゃねーんだけどよ」
声をかけられて、とりあえず部屋の中へ移動する。自分のベッドに並んで腰かけ、途切れた話を再開させた。
「まぁ言っちまうと、本気で大したことじゃねーんだけどよ。今の生活って、俺の目的に沿ってんのかなーって、そーいうこと考えちまっただけでさ」
「目的、って……仕官する、ってやつ?」
「おう、それそれ。今の生活は、まぁ大変だけど一応身になることもないじゃねーし、俺としちゃそこまで不満はねーんだけど。とりあえず、今の俺の目的って一応、仕官することなわけじゃん? それにちょっとずつでも近づけてんのかなーって思っちまったんだよ」
「ふぅん……」
ロワは、考え深げに少しうつむいてみせた。なんかいい感じのこと言ってくれたりすっかな、とちょっと期待を込めて見守っていると、ロワは目を瞬かせて、小さく首を振る。
「俺も、世間をまともに知ってるわけでもない若造だし、そんなたいそうなことを言えたりはしないけど……」
「あ、そーなん?」
「ただ、仕官する近道かどうかって意味なら、今の生活はたぶん、違うんじゃないかなって思うよ」
「……へぇ?」
じっと見つめると、ロワは少し慌てたように、やや早口で言葉を紡ぎ出した。
「仕官するのになにが一番必要かっていうと、たぶん人脈なんだろうし。人脈を築くためには、冒険者として名を揚げてから、っていうのはだいぶ迂遠だろうし。ヒュノは剣の腕前はもう充分、ってくらいのものを持ってると思うし、早く仕官したいって思うなら、人事担当の人の目につくところっていうか、人員を集める時に使う場所を調べて、そこに近づいた方が早いだろうって思う」
「ふぅん……」
「ただ……だからって、そういうやり方をすれば確実に仕官できるかっていうと、そうでもないだろう、と思う、けど」
ヒュノは無言でロワを見つめた。ロワは緊張しているかのようにぱちぱち目を瞬かせながらも、早口で続ける。
「そういう、いわば正攻法のやり方は、広く知れ渡ってる分、競争率も激しいだろうし。だから単純に、親とか家とかが広い人脈を持ってる人間の方が、採用されやすかったりするわけで。そういうのを繰り返した結果、実力よりも人脈の方を優先する国とかもできちゃうわけだし」
「…………」
「だから、その。冒険者として名を揚げて仕官する、っていう今のやり方は。迂遠ではあるだろうけど、自分の意に沿った勤め方をしたい、ってことなら、ある意味、王道のやり方ではあるんだろう、と思う、かな。名を揚げた冒険者を、千金を払って手に入れる、って形になるわけだし。向こうの方がこっちの機嫌を取る、って形になるんじゃないか、と思う。……まぁ、冒険者として名を揚げられるかどうか、って話になると、はなはだ怪しい、って言うしかないんだけど……」
いつもの淡々とした口調に戻ってぽそぽそと言ってくるロワを、ヒュノはじっ、と凝視した。
「………なに?」
「お前はどう思う?」
「どう思う……って?」
「どっちがいいと思う? 俺が今の生活を続けるのと、お前が今言ったみたいな、『正攻法』の生活に切り替えるのと」
「えぇ……? どっちの方が可能性が高いかってことまでは、俺もよくわからない、としか言いようが……」
「そーいうんじゃなくて。お前は、どっちがいい、って思うんだ?」
「…………」
一瞬ロワは忙しなく、周囲のあちらこちらに視線を投げかけてから、そろそろとこちらに向き直り、淡々と告げた。
「俺の、個人的な見解でよければだけど。ヒュノには、『冒険者として名を揚げる』ってことができる可能性に賭けて、今の生活を続ける方が合ってるんじゃ、とは、思うかな。腕一本で成り上がる方が、ヒュノには合ってるっていうか……人脈を築くための、根回しとかごますりとか、得意だとは思わないし……あと、あくまで個人的な感想、になるんだけど」
一度言葉を切ってから、そろそろと視線を合わせ、低く、呟くように言う。
「ヒュノと一緒に、冒険できた方が、俺は、ありがたいし、嬉しい、し。もちろん、ヒュノが無事仕官できたなら、喜んで送り出せると、思うけど……」
今は、一緒に冒険者を続けてほしいと思う。そう告げたロワを、ヒュノは真正面からしばし見つめ返し――にやっと笑った。
「そっかそっか。じゃ、俺ももーちょい冒険者頑張っちまおっかな!」
そう軽い口調で言って立ち上がり、軽く伸びをしてみせる。
「そ、そう……」
「おう! 冒険者として名を揚げてってのの方が、確かに楽そうだし。俺に合ってそうだし。それに、お前の助けになれるってんなら、冒険者続けんのもそう悪くねぇや」
「へ……? ぇ、いやなんで? なんでそこで俺の助けになる云々って話が出てくるんだ?」
「え、いやだってお前、前に俺に飯譲ってくれたじゃん。最初の仕事の時、保存食がなくなって全員腹が減って死にそうって時にさ」
「ぁ、あれは……あの時も、言ったけど。単にその方が……」
「ああ、俺が元気な方が全員の生き延びる確率上がりそうって思ったんだろ? ま、そりゃわかってるし、飯もらった分の借りは働きで返したって思ってるけど、それはそれだろ。戦いで大して役にも立たねぇのに、自分の分の飯抱え込む奴よりゃ、全員が生き延びるために自分から飯差し出す奴の方が、助ける気にもなんだろ?」
「っ……」
思うところを素直に述べたヒュノの言葉に、ロワは数瞬絶句してから、きっと顔を上げて、決意と覚悟に満ちた眼差しでヒュノと向き合って口を開く。
「ヒュノ。それは……嘘だったんだよ」
「へ?」
「あの時、俺は、全員が生き延びるために、お前に保存食を差し出したわけじゃない。単に、死にたくなかっただけなんだ」
「は? どーいうこった、それ?」
「……あの時のお前は、本当に、飢えた狼みたいに見えた。下手に手を出せば、それどころか目をつけられたら即座に噛み殺されそうな奴に見えたんだ。『だから』保存食を差し出した」
「はい?」
話の意味がうまくつかめず、眉を寄せて首を傾げるヒュノに、ロワは普段の口調に似ない、決然とした口ぶりで言い放つ。
「あの時、目が合っただろう? 『これはまずい』って思ったんだ、俺は、あの時。『目をつけられた』、『少しでも機嫌を損ねたら噛み殺される』って。だから保存食を差し出したんだ。お前の機嫌を取って、一分一秒でも長く生きながらえるために。お前が元気な方が云々っていうのは、単にその方が聞こえがよかったのと、お前に突然保存食を差し出す言い訳として使ったにすぎない。真っ当な判断とか、お前に対する慈愛とか、そんなものはどこにもなかったんだ」
ヒュノはしばし、まじまじとロワを見つめてから、ぷっと噴き出した。くっく、ははっ、あはははっ、と最後には腹を抱える勢いで笑い出す。
だがそれでもロワは厳しい表情を崩さず、真面目に真摯に、真っ向からヒュノに言葉をぶつけてくる。
「今なら、そういう風に笑ってすませられるかもしれない。だけど、あの時にこの言葉を聞いたらどうだった? お前は腹を立てて、俺を斬ったかもしれなかったはずだ。少なくとも、嫌な思いはしたに違いない。そんな相手に気を使って、自分の人生の岐路になるかもしれない選択を違えるなんて、絶対にしちゃいけないことだろう」
「ははっ、くくっ、あー腹痛ぇ……べっつに、そんなことで笑ってたんじゃねぇよ」
「え?」
「そーいうことを、後になってからいきなり言い出す、お前の……なんつの、器の小ささっつーか、小市民っぷりっつーか、桁のちっさいいい子っぷりっつーかがさぁ……や、まーいいけどそんなん」
なにを言っているかよくわからないし自分はまるで納得していない、という顔で眉を寄せるロワに、ヒュノはまだ笑いの余韻を引きずりながら、端的に告げる。
「っつか、俺だってそんなん、最初っからわかってたし」
「え……えぇ!?」
「まーお前の考えてることが全部読み取れてたっつーと、嘘だけど。そんなよーな気持ちもあんだろーな、ってのはなんとなくわかったよそりゃ。お前やたらびくびくしてたしさ。言ってることに筋が通ってたから、いちいち細かく考えなかっただけで」
「だっ、だったら、なんでそんな……」
「言っただろ、それはそれだよ。お前がどんな気持ちだったろうと、俺は助かったし、結果的には仲間全員助かったし。だったら『ありがてぇ』とは思うし、『嫌な奴じゃねぇな』くらいのことは思うだろ。実際、後からぐだぐだいまさらなこと言ってくんのも込みで、俺はお前のことけっこう好きだしな」
あっさりと告げると、ロワはぎゅっと眉を寄せ、ぎっとヒュノのことを睨みつけながら、いかにも全力で険しい声を出そうとしている、という語調で言う。
「なんでそんな風に思うんだ」
「は? なんでって……」
「買いかぶるにもほどがあるだろう」
「や、買いかぶりっつーか。俺別に、お前が正しいとか偉いとか言ってねぇだろ? 器ちっせぇとか気ぃちっせぇとか小市民とか思ってるしよ。んなことと好き嫌いって、そこまで関係なくね?」
「……照れるとか、恥ずかしいとか、思わないのか」
絞り出すような声でそう言ってくるロワに、ヒュノはきょとんと首をかしげる。
「これ恥ずかしがるとこか? お前そんなに俺に嫌がられてぇの?」
「……嫌がられたいとか、嫌がるだろう、とか言ってるんじゃ、なくて」
ロワは視線を逸らし、小さく息をつき、おずおずと再度視線を合わせ、いつもの淡々とした口調に戻って言う。
「ヒュノ。俺は、お前みたいな、そういう……思ってることを素直に言う、みたいなのは、女の人以外にはやったことないから、苦手だけど」
「女には得意なんか?」
「得意っていうか、俺の故郷では、女性の立場が強かったから。基本的に、女系が家を継ぐ立場だったし。女の人に心を隠すとか、ごまかすとかはすごく失礼だって教えられてて……いやとにかく。苦手だけど……これからは、できるように頑張ってみるよ」
「ふぅん?」
「……お前から、そんな風に言われて。どう言えばいいのかわからないまんまっていうのは、嫌だしな」
ヒュノは軽く首を傾げて、「そっか」と一言告げて終わらせた。なんと言えばいいかわからない時は、黙っていた方がいい。ヒュノが父と共に旅をしていた中、無愛想で失言が多く、人を怒らせて争いになることがたびたびだった父を見ていて感得した、『父から得た教え』のひとつだった。
* * *
『よく覚えてんな、んなこと。俺ほとんど忘れてたわ』
『まぁ、そうだろうな。俺も今ふっと思い出しただけだし。……むしろ、お前がちょっと手がかり出しただけで、あの時の会話のことを思い出せたって方が意外だった』
『まぁ、あの頃はお前と腹割って話すこと自体、そんなになかったしな。そこそこ印象強かったんだろ』
『……俺は、あの頃は、けっこうお前にびくついてたからな。真正面から話すってだけで、相当勇気要ったし』
『へ? なんで?』
『最初の依頼の時の、飢えた狼みたいな目の印象も強かったし。剣の腕前が、俺の目から見ても桁違いに上だっていうのはわかったから、気圧されるっていうか……『いきなり殺されそうになってもどうにもできない』っていう確信のある相手ってことで、単純に緊張したし。それに……俺の目から見たら、お前は、なんていうか……『いつ斬りかかってきてもおかしくない奴』みたいに見えたんだよ』
『へ、そーなん?』
『うん。話すよりも、剣を振るう方が当たり前、みたいに思ってる奴っていうか。人よりも獣に近い感じっていうか。俺がなにか気に入らないことを言ったり、したり、そうでなくてもなにかの気まぐれで、いきなり斬りかかってきて斬り殺してもおかしくない、それでも平然としてるような奴。そういう風に俺には見えた』
『ふぅん……今は違うのか?』
『違う、っていうか……今でも、そういうところはあるだろう奴だとは思ってるよ。怖いとはさすがに思わないけど』
『怖くはねぇんだ?』
『え、そっち気にするのか? いやだって、怖がりながらびくびく接しないといけないような相手を、仲間だとか呼べないだろ』
ヒュノの問いに、きょとんとした声音で、理屈になっていないような理屈を言うロワに、心の中で口が笑った。その通りだ。ヒュノも、理屈になっていない理屈だとわかってはいるが、いつでも斬り殺せるような奴を仲間だとは呼べない。
そんなことをくだくだしく口にする気はないが。『父から得た教え』の通り、よくわからないことしか言えない時は、黙っていた方がいいのだ。
『……ヒュノ。お前、さ』
『ん?』
『前から、ずっと聞きたいって思ってたんだけど―――ぁ』
『ぁ?』
問い返すより刹那の遅れを伴って、身体の感覚が戻った。そして同時に実感がやってくる。
自分の身魂のわずか一枚下に、自分よりはるかに強大な心魂が寄り添っている感覚。鍛え抜かれ、錬磨されぬかれた魂魄と技術が、自分のものとなっているという違えようもない体感。大いなる流れと、それを制御する感性が、一時自分に貸し与えられたというはっきりした感触。
かつて体験したものと同じ、英霊召喚術式の発動を意味する事実が、呼吸する間に身魂に刻み込まれる。自分の能力を頭の中で再確認するよりもはるかに早く、英霊と一体となった自分になにができるかを、心と体が自覚する。
「――ネテ。位置は?」
「へっ?」
突然声をかけられ驚いた、という顔でネーツェがこちらを振り向く。ヒュノは声の調子を変えず、静かに、しかしはっきりと問うた。
「敵の位置は? 目的の位置に誘導できるまで、だいたいどのくらい時間がかかるか、でもいい」
「あっ……えっ、と、初期位置がここで、現在位置がここだから、平均瞬速が……いやペースに乱れがあるから平均値じゃ……ええいもういい、位置送る!」
叫んで二言三言呪文を唱えると、ヒュノの脳裏に五つ像が浮かぶ。現在位置と目的地が示されただけの簡易的な図だったが、それぞれの速さや揺らぎは読み取れた。それでヒュノにとっては必要十分だ。
腰を落とし、剣を構える。身魂に力を巡らせ、剣に収束させる。本来抜き打ちには向かない長剣だったが、ヒュノに憑いた英霊は、その鞘を砲身とし、長剣を砲弾とするだけの術理を身に着けていた。
自分の全身の神経が、長剣と鞘に溶けあっていくのがわかる。手も腕も足も腰も、すべてが剣であり鞘だ。そのすべてが一撃のために、一瞬の剣閃のために収束していく。
体中を引き絞り、周囲の情報を遮断し、力と身魂を合一させ、一撃を放つぎりぎり寸前で止める。深く、長い呼吸で身体のまともな活動さえ停止させる。矢を放つ寸前の弓弦のごとく、全身を緊張させ集中させる。周囲のほぼありとあらゆるものが、見えも聞こえもしなくなるほどに。
感じるのはただ、世界。万物を見も聞くもできぬ状態にして、万物を感じ取る領域に入る。穴が開かれるのは一瞬。カティフに憑けた使い魔の位置を基に、ネーツェが開けた穴の向こうまでを、刹那のうちに感得して、斬る。それが自分の仕事だった。
全身すべてを、身魂すべてを、一撃を放つための機構と化した上で、いつでも剣閃を放てる状態を保ちながら動きを止める。それが今の自分の役割。期待され願われた役目。ならば果たす。そんな単純で強靭な機構へと自らを全霊で作り変える。
その状態を保つことしばし。時間の感覚も持たない今のヒュノには、どれだけ時間が経ったかなどわからないことだったが、それでもその声ははっきり聞こえた。
『ヒュノぉ!!!』
カティフの絶叫。それが耳に届くや、ヒュノは即座に剣を放っていた。穴はもう一瞬前に開かれている、道は通った。向こうまでの道筋は、入り口と穴の底を繋ぐ剣筋はとうに見えている。できることがあり、課された仕事がある、ならばやることはひとつ。
一閃。
抜き放った剣閃が、次元の穴の向こうにいる邪神の眷属たちを、五体まとめて斬り裂いたことを、ヒュノは伝わってくる感覚で確信した。
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