天才少年少女たちの堕ちる瞬間

@0517_1112624831

第1話

私は天才だった。

小学校でも中学校でも。

自己中だと言われるかもしれない。

だか、クラスで、全国で、1位だった。

2位や最下位などとったことがなかった。

テストでも、実技でも。

それには理由があった。

「はたかれるから」



朝から家は忙しかった。

今日は高校の入学式だ。

お母さんは気合いを入れていた。


お母さん1人でここまで育ててくれた。

だか、目に見えない虐待をしていたら?

または、育てていなかったら?

はたして、「優しい人」「すごい人」

「尊敬できる人」などと言えるのだろうか…?


ーー家ーー

母「真衣、いくよ。早くしてよ」


真衣「まだ終わってないし、さすがに2時間前は空いてないと思うんだけど」


母「うるっさいなあ。あんたはどこまで手をかかせるの?それも今日に限って。言うこと聞きなさいよ。早くしてよちょうだい」

(真衣の背中を叩く)


はたかれた。

だか、顔や足、手じゃなかった。

多分、入学式だからだろう。

初めて会う人が沢山いる。

それに写真もたくさん撮るだろう。

そんなところで、見えるところに叩いたあとが残っていたら?

そりゃ、印象も悪くなる。それに大学に行きずらくなるかもしれない。


ーー30分後ーー

母「準備もう終わったでしょうね?」


真衣「おわったけど」


母「早く荷物もって。いくわよ」


真衣「だから、早くない?着いても1時間はあまるよ?」


母「いつからそんな生意気なの?

いいから行くわよ。」


真衣「…はい…」


ーー車ーー


母「あんた、着いたらその態度取らないでね?評判が悪くなる」


真衣「…はい」


母「ハッキリしなさいよ。あんたがハッキリしないから、優と別れることになったんじゃない?ねぇ?責任取りなよ

ほっんとに死ねばいいのに」


真衣「…」


ーー高校ーー

母「写真撮るわよ。笑って?」


母は豹変していた。外向きへと

気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。


真衣「うん。(にこ)」


母「いい笑顔じゃない!ピースしたら?」


真衣「わかった。(ピース)」


ここで言うとうりにしなきゃ。

あとで、殴られる。

こわい。こわい。いやだ。従わなきゃ。


???「おはようございます。おはやいですね?」


母「おはようございます。すみませんがお名前を…」


母は戸惑っていた。私も戸惑っていた。


???「あぁ、私ですか?すみませんねぇ。峰山と申します。この学校の教頭です。」


母「教頭先生でしたか!分からなくて…すみません…」


教頭先生「いえいえ。大丈夫ですので

ちなみに、新入生だとは思うんですが、お名前を…」


母「あぁ!私は佐藤友里恵と申します

娘は佐藤真衣です」


教頭先生「あ!首席の子ね!」


母「名前を覚えてくれるなんて!ありがとうございます!!」


教頭先生「覚えるのが先生の役目ですから」


なんて言うような会話が続いた。

気持ち悪かった。

親も、教頭も。




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