11話 またあの夢をもう一回
これでやっと方法は決まった。
あとは、わたしがブッコローに話して覚悟を決めるだけ。
その後物事は順調に進んだ。家族の協力をあったおかげだ。
盛大にお別れパーティを開いて、写真を撮って。
ドタバタな毎日だったけど、
嫌いではなかった。
その非日常が心地よかった。
頬に水がつたう。
涙だ。
泣いてお別れはしたくなかったんだけどな。
泣いたまま、お姉ちゃんの付き添いで、隣町の神社にたどり着いた。
今日やると決めたのだからやるのだ。
お姉ちゃんもブッコローもそしてわたしも何も話さない。
話すと帰りづらくなるのがわかっているからだ。
「じゃあ、お願いしてくるね。」
2人ともこくりと頷く。
神社の社の前に立つ。お賽銭も忘れない。
わたしを真ん中にブッコローとお姉ちゃんが並ぶ。
目を閉じて、
手を合わせる。
ねぇ、神様。わたしのお願いに答えてくれてありがとう。わがままだったと思うけど。
この一ヶ月すごく楽しかった。だからブッコローを元の世界に返してあげてください。
気が付いたら隣にいたブッコローはいなかった。
ただ夕日が綺麗だった。涙で霞んでしまったけれど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます