9話 わたしと謎の夢
うまく寝付けないというのに無理に寝るのはよくない
とよく友人が言っていた。学者でもないのに根拠のないことを言うなぁと思っていたけれど。
これだけ悪夢を見ると少しだけ賛同する気持ちになってしまった。
ここ3日間、綾はしっかりした睡眠が取れていないのだ。
いつも夢の中で綾は暗闇にいた。どこからか聞こえてくる声に耳を塞ぐ。でも塞いでも聞こえてくるのだ。
この子はあの子じゃないよ
この子とあの子を間違えないであげて
この子っていうのはきっとブッコローのこと指しているのだろう。
じゃああの子って誰
疑問の答えに誰も答えることはなかった。
目覚めてからも考える。わたしはきっと何かを見落としているのだ。そしてそれがきっとブッコローがこの世界に来た原因なのだ。
わたしがきっとブッコローをこの世界に呼んだのだ。
思い出せ 思い出せ
ああそういえば、あの日あの段ボールを見つけた日、おれんじ色にわたしは反応をしたんだっけ。
ブッコローのオレンジ色をあの子のおれんじ色と勘違いしたから。
そっか、思い出した。
やっぱりわたしだ。
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