8話 日常とブッコロー

 ブッコローが家に来てから一ヶ月が経とうとしていた。ブッコローはわたしたちの家での生活に少しずつ慣れてきたようで我が家かのような振る舞いになってきている。


 まあ、そういうわたしたちもブッコローがいる前提で生活しているのだから、なんら変わりのないのだけれど。


日常が非日常に。

まさにこのことである。


でもそろそろブッコローも元の世界に帰らない。一ヶ月もいないのだから周りは心配しているだろう。


『帰り方を探さないと。』


そう思う気持ちと


『帰ってほしくない。もっとお話したい。』


そう思う気持ちがせめぎ合う。



あーあ、このままだとなかなか寝付くことは出来なさそうだ。


ブッコローとの非日常がだんだんと日常になっていっていることをひしひしと感じてしまう夜だった。

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