5話 並行世界とブッコロー

 帰ってきたのはお姉ちゃんだった。話を聞いて

「えっ、日本語を喋る動物⁉︎並行世界⁉︎アニメみたい」

 と声からしてとても楽しそうだ。


 そして、わざとらしくゴホンっと咳をすると雄弁に語り出した。







 ______


 長ったらしくてうざったらしいので割愛してまとめると、


 ・ブッコローの世界と私たちの世界は、分岐し、並行する別世界らしい


 ・有隣堂があるかないかがキーポイント


 ・何かしらの原因でブッコローはこちらのせいに飛んできた


 以上がお姉ちゃんの仮説だった。


 確かにブッコローの話を聞いていると史実や常識に大した違いはなかった。確かにお姉ちゃんの話は辻褄が合う。


 でも、


「でもどうしたらブッコローは元の世界へかえれるの」 


 それがわからなければ意味はない。それが1番重要なのだから。



「まあまあ、少しわかっただけでも進歩だと思うんだけどね、それにもう少しお姉ちゃんを褒めてくれても…」

「あーー、わかったわかった、そんな顔しないでよ。そうねぇ、まずは原因を見つけないとかな。アニメだとそれを解決するとシュパッと光って帰れるのだけれど。」


 わたしの言いたいことに気がついたお姉ちゃんはそう言葉を続けた。

 そしてまたブツブツと呟きながら自分の世界に入ってしまった。

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