第44話

『これが…風呂…』

「ちゃんと毎日、魔力注いでたんだって。でも創造神が手を加えてそうだ…」

『そうか…。規格外もいいとこだな。ランドとキリアは番か?』

「そうだよ?ウィリデも番、欲しくなった?」

『俺はまだ1人がいいかなぁ。後、2年くらいは』

「そうか。番を探しに行く時は、キリアにでも、俺にでも言ってね。反対しないから。ウィリデ、洗ってあげる」


 反対しないのか…。その時は必ず声を掛けよう。


『洗うのはいいが、俺も使えるのか?』

「何が?…シャンプー?これ、ヴァイスが使ってたから大丈夫だよ」

『…よろしく頼む』


 そんなに緊張しなくても大丈夫なのに。


「よし、洗えたからお湯に浸かろうか?」

『浸かるだと?』

「そうだよ?キリア仕様で、温泉って言ってたかな?効能があるらしいよ。鑑定、出来るなら見てみれば?」

『キリア仕様…。その内、鑑定するか。泳げるな』

「やっぱり泳ぎたくなるんだね。ふふ。ヴァイスも泳いでた」

『泳いだらダメか?』

「いいんじゃない?俺たちだけだし」


 ウィリデはしばらく泳いで、満足したのかお湯から上がった。魔法で乾かして、外に出るとキリアが魔法の練習をしていた。


「お風呂、上がったよ。魔法、練習してたの?」

「あ、はーい。うん、レベル上げ」

「レベル上げ?」

「?そうだよ?普通はしないの?」

『普通はしないな。習得して満足してるだろ?』

「そう、だね。レベル上げっていう考えがなかった」

「鑑定、自分にはかけないんだ?ステータスとか…」

『ステータス?』

「え?ステータスって頭で唱えると、パネル出てくるよね?自分のスキルとか見える…んだけど」


 これって転生特典ってやつなのかな?他の人は出来ないのかな?


「この世界の人は、自分がどのくらい魔力あるかとか、スキルはこれだとか知らないの?」

「……そうかも」

『知らないんじゃないか?魔法なんて使おうと思えば、頭に浮かんできた魔法を使う感じだろう』

「へぇ……。なんか、勿体無い…?あ、ランドさんは、初めて会った時に鑑定したけど、名前と種族と人格?が出たよ?あたしの鑑定のレベルも低かったし…。種族のところ、グレーになってたけどね」

『あー、ハーフだからか?』

「多分そうじゃない?人格なんて出るの?」

「え?出たよ?あれから人にかけてないから、分からないけど」


 ま、良いじゃん?出来るし、出てくるし。あたしにはどうこう出来ないし?…あ、教会に行って、クアトゥム様に聞いてみよー。


『創造神に聞くのか…。会えるのか?』

「会えるんじゃない?多分。一緒に教会に行ってみようよ」

「あ、そうだね!知ってると思うけど、紹介したいし!…そろそろ寝るけど、ウィリデはどうする?」

『どうする、とは?』

「あ、俺が結界石持ってきてるから、見張り要らないんだよね」

『なら火の番をしよう』

「いいの?寝ないの?」

『寝なくとも問題は無いぞ?』

「そう?ならお願いするよ。キリア、行こう?」


 え……?一緒に?


「もちろんだよね?今日はしないよ?町に着くし、色々やりたいことあるしね」

「あ、ハイ」


 ウィリデにおやすみを言ってテントに入った。

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