第43話

 今日の野営する場所に着いた。そこからテントを準備する。木の枝、収納しておかないと、毎回、集めに行くの大変だよね。


『それは俺が行ってこよう』

「ありがとう」

『その代わり、ちゃんと唐揚げと言うものを食わせてくれ』

「あ、了解〜」


 うちの従魔は食いしん坊だ。


「ふふ、キリアもね?」

「あ…そうだね?でも美味しいは正義だよ?」

「そう、なのか?」

「え、ランドさん、美味しいもの食べないの?勿体無い…。美味しい物とか、好きな物を食べたら、また頑張ろうって気持ちにならない?あたしは、たまのご褒美に自分にあげてたよ?」

「そ、そうか?俺は食えれば良かったから…」


 勿体無いねぇ…。まぁ今日はあたしが作るけれども。料理上手ってわけじゃなかったから、簡単…と言って良いかは分からないけど、比較的、手間も無い料理だと思う…。下味付けて、粉つけて揚げるだけだから…。

 油はねが嫌だったけどね!前世じゃぁ、揚げ物なんて火傷ばっかしてたわ…。


 ホントはご飯が食べたいけど、無いからパンだね。ロックバードのお肉を食べ易い大きさに切っていくんだけど、どのくらいいるかな?

 結構欲しいよね。多分。醤油と生姜をすりおろしてお肉を漬けておく。


 その間にオークの油を火にかけ、溶かしていく。これを何回か濾すと、綺麗な油になる。と、思う…。

 綺麗になったら温めておいて、お肉に小麦粉…


「ランドさ〜ん!小麦粉ください」

「あ、忘れてた。…はい」

「ありがとう!」


 小麦粉をまぶす?まぶして揚げていく。


 ジュワーといい音がする。んー!いい音!早く食べたいけど、ちゃんと火を通さないと何があるか分からないから、じっくり揚げていく。


『いい匂いがする…よだれが出てくる』

「ウィリデ、おかえり。ちょうど出来たよ〜。ランドさん、出来たからどうぞ」


 ウィリデのパンに唐揚げを乗せる。本当は野菜も欲しかったけど、今日は仕方ない。お肉オンリーで!


「いただきます。…んー美味しい!」

「これは…」

『ん、美味い』

「本当?良かった〜。あたし、そんなに料理上手じゃないから。食べられるけど、ものすごく美味しい!とかならないから」

「そんなこと無いと思うけど…」

『そうだな。充分美味いぞ?』

「それなら良かった」


 あんなに大量に揚げたのに、無くなってしまった…。ヴァイスの分は、ちゃんと分けておいたけど、多分足りないだろうな…。その内、また揚げてストックしとこ。


「はー、お腹いっぱい」

『「ご馳走様」』

「はーい」


 油が入った鍋はそのまま収納して、他はクリーンをかけて片付ける。ランドさんがお茶を淹れてくれていた。


「はい」

「ありがとう。…相変わらず美味しい」

「ありがとう」

「いえいえ。お風呂、入ります?」

『⁉︎風呂だと!』

「俺は入らせてもらおうかな。ウィリデも一緒にどう?」

「あ、初めて?気持ちいいよ?」

『…』

「ランドさんと一緒に入ってきな?汚れてるし。ね?」

『あ、ああ…』


 2人がお風呂入ってる間、魔法の練習でもしてようかな?


『ランド、キリアの圧が凄かったぞ…』

「そう?ウィリデが逃げそうだったんじゃない?」

『そうかな…』

「ま、お風呂入れば変わるよ」


『こ、これは風呂なのか?』

「そうだよ。やっぱりびっくりするよね?」

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