第42話

「お肉〜!」


 そう叫びながらロックバードの群れに突っ込む。刀を持って…。

 

 刀を振り回すぞーって思ってたんだけど、やけに馴染んで、狙いやすいって言うのかな。物凄い使いやすかった。片刃だけど、どう使えばいいとか分かっちゃう。使ったこと無いのに。


 魔法みたいに、スパンスパンと切れ味が良くて、ロックバードの首を落としたり、翼を落としたり…。


「うわっ、あぶなっ…」


 後ろから狙われてたらしい。魔法で。それならあたしも魔法で!

 《影縛り》


『グァッ⁉︎』


 お、戸惑ってるね。…あ、落ちてくる。影縛りしたら、落ちるんだ…。


ドォーン!


 あー、結構な高さから落ちたから、死んだかな?あ!まだ生きてる!!


「えぃっ!」


 落ちてきたロックバードに近づいて、首を落とす。10匹以上、狩れたかな?収納に入れて解体して、夜まで待とう。


「キリア、こっちもお願い〜」

「はーい」


 ランドさんもロックバード狩りをしていた。ランドさんも10匹くらい。ウィリデは…、15匹くらい。そりゃ、こんだけ狩れば空に逃げるよね…。


「ウィリデは…」

『俺は収納あるから大丈夫だ』

「そう?解体は?」

『…は?』

「ん?あたしは収納に入れたら、解体出来るんだけど…。え、普通は出来ないの?」

『出来ないな…』

「えーそうなんだ…。便利なのに…」

「キリアらしいね」

「そうかなぁ…。収納して、解体出来たらいいなって思ったら出来たんだよね」

『そ、そうなのか…。俺も出来るかな…』

「伝説のケットシーだから、きっと出来るよ〜!」

『ちょっと試してみる…』

「あ、出発してからにして?」

『あ、あぁ』


 シュタルク、お待たせ!きちんと大人しく待ってて偉いねーって撫でてあげると、嬉しそうに鳴いてくれた。


「2人の戦ってるところ、見たかったなぁ…」

『え…見たいの?』

「見たいよぉ!他の人のなんて滅多に見られないし、ヴァイスも見せてくれなかったよ?」

「キリアはソロだからね。これからは俺が一緒だし、いつでも見れるよ?」


 おっふ…。そんな満面な笑みで…、あ、なんでも無いです。すみません。


「それで?唐揚げって何?」

「え?」

『それは美味いのか?』

「え?無いの?」

「無いよ?そう言う名前の料理はね」

「マジか…。あ、えっと、鳥肉や豚肉を下味を付けて粉をつけて、油で揚げるものです。鳥なら、鳥の唐揚げって言うかな」

「へぇ〜。野営で作ってくれるんだよね?」

「あ、うん。あたしも食べたいし、ヴァイスの分も欲しいかなぁ」


 帰ってきたらあげたい。彼女も居たら一緒に。


『楽しみだな!』

「ふふ、美味しいからね。楽しみにしてて」

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