第41話

「ねぇ、今更だけど、男の子?」

『⁉︎そうだ!』

「私って言ってたから、女の子かと思った」

『主は女が良かったのか…?』

「ん?ただ、勘違いしただけだよ?…主じゃなくて、キリアって呼んで」

『そ、そうか。分かった』

「じゃあ、シュタルクも待ってるし、出発しようか」

「ヒヒン!」


 なりゆきで、新しい従魔を得たけど…、ケットシーって伝説なんだよね?大丈夫かな…。絡まれるの、面倒なんだよねー…。


『これは…』

「ウィリデも思考読める?キリア、ほとんど思考読めるから。今も面倒とか思ってるし」

『キリアはいつもこうか?』

「大体はね…。キリア?」

「?はい?」

「…面倒くさいのは分かったから、行くよ?」

「え?あー、はい」


 考えすぎるのも良くないね?早く町にも行きたいし、さっさとしよう。パルマに着いたら、早速買い物したいなぁ〜。


「明日の朝には着くと思うよ」

「あ、じゃあ夜は野営だね?」 


 唐揚げ食べたい…。鳥、居ないかな。


『唐揚げとはなんだ?』

「俺も知らないな…」


 あ、油が大量に欲しい…、前にオークやったヤツ、油取っといたっけ?……あるわ。よし、今夜は唐揚げにしよう。あ、鳥を見つけなきゃダメじゃん…。


『鳥か…何でもいいのか?』

「鳥ね…良いんじゃない?キリア、この先にロックバードが出るよ?」

「え!本当?!よし、行こう。いっぱい欲しい!」


 森で調味料も見つかるといいけど…。あ!持ってんじゃん! 小麦粉あったっけ〜?


「小麦粉なら持ってるよ?」

「え?」

『思考がダダ漏れだな』

「…冗談だよね?」

「残念ながら、最初から最後まで漏れてたよ。ついでに言うと、小さいけど声が出てたよ?」


 わぁ…。やだ。食いしん坊の思考だったじゃん〜…。


「ちゃんと食べたい物があるんだから、良いんじゃない?何でも〜とか、同じので〜とか言われると微妙かなぁ」

「そういうもの?」

『そうなんじゃないのか?』

「ふーん…まぁいいや。ロックバード、狩りに行こう!」


 それから15分程、馬車を走らせると雰囲気がちょっと変わった…?MAPを見ると、赤い点が多い。魔物なんだろうけど、いすぎじゃない?え、ちょっと気持ちわる。


「いっぱいいるけど、全部ロックバード?」

「そんなに居る?巣があるけど…」

『確かに多いな。サボリ過ぎじゃないのか?』

「じゃぁ少し残して討伐って事でいい!?」

「あ、あぁ、良いと思うよ?」

「よし!じゃぁ後でね!」


 キリアはあっという間にロックバードの方へ行ってしまった…。


『唐揚げ?美味いのかな?』

「きっとそうだろうね。俺たちも頑張ろうか?」

『そうだな!』


 魔法も良いけど、刀、買ったけど使ってなかったんだよね…。意思表示、凄かったんだよね。常に出しておかないと使わないね…。

 久しぶりに出したら、ビッカビカに光ってた…。ごめんね。町に行ったら腰に掛けられるように、ベルト作ってもらおうかな。


 そんな事を考えながらロックバードを目指す。見ぃつけた!!


「お肉〜!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る