第35話

「あ、もう目を付けてんだ?」

『言い方!』

「え?だってそう言うことでしょ?」


「おかえり。何がそう言うこと?」

「あ、ただいまー!ヴァイスがね、彼女連れて来るかもって」

「なるほど?」

『それで、拠点が決まったら少し離れるって話しをしてた』

「あー、今はまだ移動してるしね。ダンジョンシティに帰ったらでも間に合う?」

「あ、それで、ちょこちょこ行ってるんだから、拠点決まるまで、ちょこちょこ行くのかなって」

「あー、キリアがいいなら行かせてあげたら?今からなら帰ってくるのも早くなるんじゃない?」


 なるほど…そう言う考えもあるのか。


「ダンジョンシティに帰ってくる?離れる期間が分からないからね…」

『俺は、創造神に頼まれてるんだぞ?そっこーで見つけてきてやる』

「そっか。じゃあ待ってるね?気を付けてね?」

『あぁ。ランドと一緒に待っててくれ』

「キリアのことは心配しないで?俺が居るし」

『…不安しかないな?じゃ行ってくる』

「あはは、そうかもね?いってらっしゃい!」

「いってらっしゃい」


 あっという間に見えなくなった。…はやっ。


「あはは、速いね?どんな子を連れてくるかな?」

「ホントに。えー、あたしとも仲良くしてくれる子がいいな」

「従魔契約するんでしょ?嫌だって言ったらヴァイスのパートナーには認められないな?」


 あー、そういうことか。嫉妬深いのも困るしねー。


「ま、来てからのお楽しみだね?」

「あ、そう、だね?」

「うん。キリアは、ヴァイスが無事に戻って来るように、楽しみに待ってたらいいんじゃない?」

「あ、うん」


 ちょっと待って…?これから2人きりってこと…?


「ふふ。そうだね?テントも入れてくれるんでしょ?」

「うん。あたしの、魔法テントだし許可しないと入れないのでって、一緒に買い物行ったじゃないですか」

「あ、そうだったね」

「ちなみに、ランドさんも、創造神に認められてますからね?」

「…?」

「色んなところを見て回るって言ったら、一緒に行けって」

「そう。嬉しいね」

「ふふ。ご飯、出来たよ?」

「食べようか」


 ご飯を食べて、食後のお茶を飲む。後はお風呂入って寝るだけかなぁ。


「ランドさん、お風呂、先にどうぞ?」

「…風呂?」

「?うん。お風呂。あ、テントへどうぞ?」

「…⁉︎これは魔法テントなのか?」

「え?鑑定でそう出たよ?」

「そうか…。ならそうなんだろうね。これなら、風呂もあるのが納得出来る」


 あたしは、こっちに来てからずっとこの魔法テントだから比較は出来ないけど…。快適なんで、他は要らないかな?


「温泉みたいで、気持ちいいよ?」

「そう…。なら一緒に入ろうか?」

「え?お風呂、堪能しないの?」

「俺はキリアを堪能したいかな」


 おぅ…ストレートに。あ、そうだ。

「錬金術で薬、作ってみたんだけど、売れるかな?」

「っ!これ、売るの?こっちはポーションだから売れるけど。こっちは…」

「あっ!間違えた!こっち!」

「…、わざとだよね?これ、避妊薬だよ?さっきのも媚薬だったし。効能やばかったよね?」

「……」


 ヤバい、ランドさんの変なスイッチ押したかも!


「キリア?それは、俺と使いたいって事でいい?」



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