人嫌い（コミュ症？）が異世界に行ったら…

第33話

「まぁ、確かに急いでは無いかな」

　おぉぅ…、思考、読まれるの、大変だ…

『それは仕方ないだろ。…まぁ俺たちが読まなきゃ良いだけだからな』

　え…それは初耳だよ？あたしが気を付けなくても良いって事？

「そうだけどね？俺は読みたいなぁ…何考えてるか常に知りたいし」

『変態だな？』

「うふふ…」

　わぁ…変態思考なのか…。

「キリア？そう言うのはキリアだけだから、大丈夫だよ？」

『何が大丈夫なんだ…』

「ふ、不安だ…」

「ふふ。じゃあ出発するよ」

　それからは、くだらない話しをしたり、ギルマスが不在の町の話しをしたり。

　好きな物の話しをした時は大変だった…。

『俺が好きなのは肉だな』

「肉って、そのままじゃん！」

「俺はキリアが作ってくれたご飯かなぁ…」

『飯か？飯なのか？』

「ち、違うよ。なんか、愛情が感じられて…ね？」

『なにが、ね？だ。それなら俺が作っても同じだろ？作らないけどな！』

「作らないんじゃん…」

『だが、キリアの作った飯は美味いな？何故だ？』

「何でかなぁ？考えた事ない…」

「そんなことはいいじゃないか。キリアは何でも出来るってことで」

　あー、それは違うかなぁ。面倒ごとから逃げてるってだけかなぁ。

「面倒事？」

『あー、そうだな？この間の女みたいなのは面倒だな？』

「それは俺も話し聞いたよ。意図せず相手の心もズタズタにしたって」

「えっ！あ、あれはちょっと手違いって言うか…」

『あれは仕方ないんじゃないか？たまに声に出てるしな』

「そうなの？俺はそこに居なかったから、分かんないけど」

『そうか？無意識に言われたらびっくりするぞ？キモいとか、誰にでも足を広げるんだとか』

「うわ、そんなこと言っちゃってたんだ…」

「あー、あの女はそうかな。自分はランク上げずに、上ランクにくっついて寄生してるのは有名だったからね？裸で迫られた時は引いたよ…」

『そうそう、キリア、自分より胸小さいじゃんとか言ってたな？』

「そ、そうなんだ…あたし、おっきいのは自覚あるからね？あの人、あたしより、3サイズとか違った気がするよ？パットでおっきく見せてたりしてね」

　前世でもあったなぁ…、パットでボリュームアップ！みたいなやつ。

「あー…、確かに小さかったかな…」

『しっかり見てるじゃないか。やっぱり男は大きいほうが良いのか？』

「…まぁ、願望はある、んじゃないか？」

「願望…？」

「あ、まぁ、ね？も、もうこの話はいいだろ？」

『…キリアは何が好きなんだ？』

　露骨に話し逸らしてきたな…

「甘い物かなぁ。デザートとか」

「甘い物？ケーキとか？」

「それもあ、るけど、こっちのは甘すぎて…」

『なるほど？前のところは、ちょうど良かったのか？』

「ちょうど良かったよ？甘さ控えめとかもあったしね」

「そうなのか…なんでもあったのか？」

「まぁ、生活するには困らなかったかな。何か調べたい時には、検索すればすぐ調べられたし…それこそ、料理の作り方とかハンドメイドとか何でも」

『そうなのか…』

「ただ、魔法は無かったよ？」

「…魔法がなくて、どうやって生活してたの？」

「それこそ火をつける道具、髪の毛を乾かす道具、移動するのも簡単だったかな？医療に関しては良く知らないけど、他の国よりは進んでた…のかな？」

『こっちの世界は不便か？』

「？　不便なんて思ったことないけど…自分のやりたいように出来て、幸せかなぁ」

『そうか、なら良かった』

「そうだね。本当に不便だったら何かやらかしそうだ」

「そ、そんなこと…」

　無いとは言い切れない…通信の魔道具欲しいんだ。早速、危ないかな？