第25話

 ぎゅうぎゅうに抱き付いてんだけど、どうしたらいい…?あたしも抱き付けばいいか…?

 で、ランドさんにぎゅっと抱き付いた見た。 固まったんだよ?ランドさん… 嫌、だったかな? 

 手を緩めたらもっと引き寄せられた…?不思議に顔を見れば、めっちゃ艶っぽい顔で見られて…気付いたら口付けされてた…


「ふぁっ…」

「煽ってるよねー?」

「そ、そんなことないですけど」

「その格好で抱き付かれたら…ね?」

「先に抱きついてきたの、ランドさんじゃん…」

「まぁね?目にしたら色々飛ぶしね?(理性がね)」

「? あ、じゃ着替えますね!シャツに戻します」

「それも危ないね?」

「え!?なにが!?」

「あ、僕がね?理性が持つかどうかかな。試してみる?」


 え…、理性を試すの?それってどうなの…


「試してみたいですか?」

「うっ…無理だったらごめんね?」

「んーランドさんならいいかなって」

「⁉︎」


 ランドさんが手で口を押さえ、膝を付いてしまった…


「ラ、ランドさん⁉︎ 大丈夫ですか?」

「…だ、大丈夫だよ…、ちょっと僕には刺激が強かったみたい…」

「刺激…?」

「キリア、自分が今、どんな格好してるか忘れてる訳じゃないよな?」

「…あ、やだっ!着替えて来ますね!」


 バタバタと脱衣所へ行き、バタンとドアを閉める。


「残念…、もう少し…」


 夜着から彼シャツに着替える。何か顔が熱い…。あたしにも刺激が強かったみたいだ。

 出て行くのが恥ずかしい…


「お待たせしました…?」

「うん、待ってた」

 

 そんな微笑みながら言わなくても…、ランドさんがベッドに座ってるから、あたしはソファに座る。


「あれ?こっちに来ないの?」

「⁉︎ そ、それは…ベッドなので…」


 そう言いながら恥ずかしくて顔を隠す。ランドさんも、失念していたのか黙っちゃった。


「そ、そうだね…ごめんね?」

「?何がです?」

「キリアが好きすぎて、一気に詰めたくて。成人まで待つって言ったのにね」

「あ、あの…、お手柔らかにお、お願いします」


 ぎゅっと抱き締められ、耳元で囁く…


「ふふ。ありがとう。僕、死ぬまで大事にするよ… 愛してる」


 おぅふ…イケボで囁かないでくれ…、もう立てないかも知れない。


「あ、あの、あたし、え、っと」

「今はまだ、僕からの好意を受け取っててね」


 ちょっと、いやかなりテンパってます…。


「僕、シャワー入ってくるね」

「あ、はい」


 はぁ、どっと疲れた…。お茶飲も。あ、ギルドの話ししないとだった。

 甘ーい雰囲気にスッポーンと抜けてたわ…、戻ってきてくれてありがたい。

 ふぅ…、落ち着いた。


「起きてたの?」

「え?寝てて良かったんですか?」

「ふふ、寝てたら大変だったかもね…」


 おぉ…何が、とは聞けない…。


「あ、お茶どうぞ。あとギルドでの話しがあって…」

「ありがとう。あー、冒険者いなかったね」

「酒場のおじさんから、依頼受けてくれって言われたんですけど、なんでこんなに冒険者が居ないのか不思議で…」


 ギルド、なんかやったのかな?

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