第19話
今日のキャンプ地に着いた。まだだいぶ日があるけど、色々準備している間に暗くなるみたい。
あたしもテント、準備しよっと。 初めての野営、そういえば、見張りってどうするんだろ?
「ランドさん、見張りってどうするんです?」
「あー、結界石を持ってきたんだけど」
「結界石?魔物とか入って来れないんですか?」
「そう。そうしたらゆっくり寝れるかなぁと思ってね」
なるほど。結界石を見た。鑑定で。いや、たけぇし!4つセットで金貨5枚って…
魔法、覚えて良かったよぉ〜。
「見張り、しないんですか…」
「あれ?したかった?」
「したかったって言うか、護衛依頼なので見張りはあるものだと思ってました」
ラノベ定番?のキャンプじゃん?まぁ、ちょっとやってみたかったけど。
『俺がやる』
「え?」
ランドさんと2人で声をだした
「ヴァイスがやるの?それだと、ヴァイスが寝れないじゃない」
『1日寝なくとも問題ない』
「えー…、ランドさん、ヴァイスが見張りをやってくれるみたいなんですけど…」
「でも一応、結界石は置くよ?」
『構わない』
えー?もう決まったの?あたし、のけものじゃーん。ま、いっか。 ヴァイスも決めたら譲ってくれなさそうだしねー。
「あ、焚き火用の木の枝、集めてきます」
そう言って、さっさと離れた。早く行かないと暗くなっちゃうからね!
〜〜〜〜〜〜〜
キリアが森に入って行くのを見送る。
「そんなに警戒しなくてもいいんじゃない?」
『俺は貴様を知らないからな』
「あぁ。僕ね、キリアに惚れてるんだ。だからキリアと一緒に冒険者やろうと思って動いてるんだ」
『貴様が冒険者をやる?やっているの間違いか?』
「ははっ。流石に分かるかー。一応まだ剥奪されてないし。ちゃんと活動してるから」
『害意は無いようだが…、キリアを泣かせてみろ。俺が貴様を…』
毛を逆立てて威圧する。が、それをものともせず
「もちろん、そんなこと無いように気を付けるよ。僕の唯一だからね」
『……そうか。ただの人族ではないか』
「ふふっ。まぁ僕よりヴァイスの方が一緒に居る時間は長いだろうけど、見ててよ」
フンと顔を背ける。
〜〜〜〜〜〜〜
そんな会話がされてるとはつゆ知らず、キリアは森の中を歩いて、木の枝を集めていた。ついでに採取しながら…
「いっぱい集まったなー。お腹すいた…」
ガサガサ…
何か居る… マップを見るとキャンプ地からそんなに離れていない。こんな浅いところに魔物って出るんだ? あ、オークじゃん!
《ウィンドカッター》
相変わらずスパっと切れる魔法… 命中率が上がったから、狙いはハズレなかった! 血抜き、面倒だなぁ…
血液って水だから、水魔法で血抜き出来ないかな?
《エデュカーレ》
ビシャっと出た。あ、出来たわ。このままだとダメだから、浄化すればいっか!レベリング、レベリング!
流石に少ないから一回で浄化出来た。オークを収納して、戻ろう。
「ただいまー」
「おかえり」
おぅふ… 何故満面の笑み。え、ヴァイスはなんで拗ねてるの? なにかあったの? 分からん。
ドサドサと、木の枝をだしながら
「たくさん拾ってきましたー。ついでにオーク居たので狩ってきました」
『なんだと!俺も行けば良かった』
「オーク、どこら辺で出たの?」
「そんな拗ねないでよ… あ、ここより10分くらい行ったところですね」
そう言ったら、ランドさんは考え込んでしまった。
収納で解体出来たらいいのになぁ…って思ってたら、ピコンと電子音がなった。何かと思ったんだけど… 解体出来ちゃってる…
もう何でもありだね!さっすが! お腹空いたし、フライパンを出してオークのステーキを焼き始めた。
ジュー…
やべ、もう音がいいよね! あー!調味料、探すの忘れてたー… ランドさん、持ってないかな?
「ランドさん、コショウ売ってます?」
「あ、あぁ、あるよ」
「下さい!どのくらいあります?」
「今は1キロかな」
「じゃぁそれ、全部売って下さい」
「え?ホントに?」
「はい」
やったね!今日は塩胡椒でステーキを頂きます!
「ランドさんもどうぞー。ヴァイス、焼けたよー。切る?」
『切らなくても大丈夫だ』
「あ、ありがとう」
「じゃ、いただきます」
んー!美味しい。ギルドで食べたステーキとはまた違うけど、すごく美味しい!
「美味しいね。焼き加減もバッチリだよ」
『キリア、美味いぞ!おかわりを要求する!』
「ありがとうございます。わかったから、ちょっと待ってて」
ちょっと賑やかな夕飯だったけど、心地良かった。
「キリア、後で話しがあるんだけど」
な、何かなー…
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