第17話

 おはようございます。今日は一日お休みです。至福のひと時です〜。

 二度寝して、ヴァイスの抱き枕… 生きてるうちにやって見たかったんだ〜!アレルギーじゃなくて良かったよ。


「ん〜ダラダラするのも良いね!」

『そうか?俺は常にこうだぞ?』

「あーそうだったねぇ… あ、じゃぁ、町の外に行って運動してくる?」

『良いぞ』

「あたしも命中率とかレベリングしたいし」


 そうと決まれば早く動かなきゃね。


「森に行く?」

『あー、そうしようか。ちょっと奥に行けば、人なんていないだろうし』

「あーなるほど?たまには元の大きさにもなりたいか」

『…そういうことにしといてくれ』

「?…じゃ行こっか!」


 ある程度、町から離れたらヴァイスに乗って森の奥へ。ヴァイスと会った泉に着いた。


「じゃあ、ここからは別行動?」

『そうだな。2時間ほどしたら戻ってくる』

「はーい。いってらっしゃい」


 ヴァイスが森の奥へ行くのを見送って、自分のやることをやろう。

 的が欲しいな…、あ、土魔法あるじゃん! それで作ろう。


 うにゅうにゅ動いてる… とりあえず的にしたい。魔力操作のレベリングにもなるかな?

 イメージとしては、的当てとかの的がいい。イメージを固めて魔力を込める。

 ちょっと歪だけど出来たかな。エアショットで命中率上げよう… 、LV4かぁ…。今までよく綺麗に仕留められてたよね…。


 2時間でどのくらい上がるかな!よし、頑張るぞ!おー!



〜〜〜〜〜〜〜〜


 2時間経ちました。命中率LV8まで上がったよぉ!魔力操作もLV8!

 おんなじかよってね!これから頑張りますぅ…。 ヴァイス、まだ来ないな…。

 お腹すいたからご飯作ろー。ショッキングピンクのキノコを使って、スープにしまーす! あとは、ボアのお肉を適当に切って… 塩だけかぁ…、醤油はニンニク欲しくなるしぃ。

 町で探してみよ。お、焼けたね!じゃぁ、いただきまーす!


「ん〜!美味しい!塩だけなのに!」

『自分だけ美味そうなの食ってるな』

「あ、おかえり!ちゃんとあるに決まってんじゃん!どうぞー」

『そ、そうか!…ん、うまいぞ!』

「それは良かった!スープも作ったからね」

『このキノコは…』

「そう!神様が弄ったダンジョンで取れたやつね!…美味しいよ?」


 くだらないこと話しながらご飯食べるって良いね。やさぐれた心が癒される〜。

 あ、ヴァイスは癒し要員だから余計かな!? 後片付けをして、粗悪品のポーションを薬草が枯れそうな所にかける。そして、ゆっくり森を出る。


「ストレス発散できた?」

『ん?あぁ、出来たぞ?』

「そ?良かった。採取したから帰り、ギルド寄っていい?」

『あぁ』

「よし、じゃあ帰ろっか」


 ギルドへ寄ると、いつもより人がいた。 うわぁ…、人が多い…。

 視線を感じながら、アリアさんの窓口に並ぶ。10分くらい待つと順番がきた。


「おかえりなさい。キリアちゃん」

 ニッコニコのアリアさん… 何かあるのかな…。


「ただいま。アリアさん」 ザワザワ…

 え?なんなの?

「あー気にしないでいいのよ?私がおかえりって言ってるのが珍しいのよ」


 え、絶対そこじゃなかったけど…。


「それで、今日はどうしたのかしら?」

「あ、森へ行ったので採取してきました」

「そうなのね。じゃぁこちらへお願いね」


 そう言われて薬草を出す。全部で15束あったかな? 今日は現金で貰おうかなぁ。


「キリアちゃん、査定終わったわよ。いつも通りカードに入れる?」

「今日は現金でお願いします」

「はい。お疲れ様でした。明日は朝6時にいらしてください。あ、昨日、絡んできた子いたじゃない?あの子、ペナルティで無料奉仕させられてるから、会うことはないわよ」

「そうですか…、ありがとうございます。じゃまた」


 ギルドを出て、屋台で串肉を買って宿へ帰る。ヴァイスとゆっくりしながらお喋りして、布団へ入る。


『明日は、護衛依頼か?』

「そうだよー、あたしがこっちで初めて会った人ね」

『そうか』

「? どうかしたの?」

『いや…』

「やだヴァイス、心配してくれるの?ふふっ、嬉しいな。一応、鑑定して、人格出たんだよね!最良って!」

『…は?(人格なんて出るのか⁉︎それって鑑定なのか?)』


 なんかボソボソ言ってるけど、明日早いから寝なきゃね。おやすみ〜



〜〜〜〜〜〜〜〜


 キリアがギルドを出た後…


「あの子だよな?」「そうそう」

「まじかーめっちゃ可愛いじゃん!そしてスタイルも良い!」

「ランドより先に会ってたら…」


「それは無理でしょうね」


 ギルド内が寒くなる。それも極寒に…


「ひっ…なんで無理なんだよ?」

「あの子は警戒心が強いんですよ。初めてのあなた方に惹かれるとは思いませんね」

「……」

「それに汗臭いですよ?」


ギルド内の男の冒険者が、ガックリと膝をつく。


「でもさ、無自覚にめんどくせぇって言われたら、流石に俺らでも傷つくよなー」

「確かに!」

「なんですか?」

「ほら、ランドに付き纏っていたDランクの女がいたろ?昨日、あの子に絡んだんだよ。そしたらよ…」

「あー、あれな!アレは凄かったな!ぼーっとしながら、その女のこと、リアルストーカーとか、キモいとか無理とか言って。プライドも心もズタズタにしてたな?」

「おー聞いてたぞ、それ。凄かったな。しかも全部、無自覚に言ってたな?最終的には関わりたくない人って言われて。そいつ涙目になってたわ」

「そんなことがあったのか…」


「ランドさん、どうしました?」

「いえ…、依頼達成の報告ですね」

「あ、かしこまりました。…はい、終わりです。お疲れ様でした」

「では、明日」


 ランドがギルドから出ると空気が戻った、気がした…



〜〜〜〜〜〜〜


 キリアがポーションの粗悪品を、薬草が枯れそうな所にかけた数時間後…


「あれ?ここ、群生地あるよ?」

「こんな所にあったか?」

「無かったと思ってたんだけど…」

「何にせよ助かった… 採取依頼が達成出来る」


 新人冒険者の助けになっていました。実は粗悪品じゃなくて、植物の栄養剤になってましたー。 こんなことになってるとは、知らないキリア…


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