第16話

 Cランクに上がりました…やること増えたよ?護衛依頼とか。依頼とか無理じゃね?

 どうしよう… とりあえず討伐やってるか。


「護衛依頼、早速指名入ってるぞ?」

「…は?」


 いや、早すぎだろうよ。誰だよ、指名したの!


「ランドな」

「あー…分かりました。いつですか?」

「切り替え早いな。早速で悪いが2日後だ」

「おぉ…早いなぁ。準備するものとかあります?」

「無いぞ」

「え?」

「ん?」


 護衛だからご飯とかあるじゃん?それも無いの?


「あー、ランドが準備するってよ」

「あ、ワカリマシタ。じゃ帰ります」


 報酬はカードに入れてくれたみたいで、助かります。 買い物行きたいなぁ。


「ちょっとあんた!」


 何か呼ばれてる?え、あたし?キョロキョロして周りを見るけど、なんか可哀想な顔で見られてる…?


「あんたよ!」 と、指を差される。あー。あたし、指差す人嫌いなんだよねー。これは話し聞く価値ないなぁ。

 

「何かようですか」

 自分でもびっくりするような冷たい声が出た。


「っ…!あんたランドさんに付き纏ってるそうじゃない!」

「何の話?ヴァイス、聞いてた?」

『あぁ。付き纏う、と言うのは何処でも出掛けた先で会ったり、護衛依頼をせがんだり、恋人になれと色仕掛けで迫ったりすることか?』


 わぁ…何それ。思わず眉間に皺を作る。リアルストーカーじゃん。え、キモ。いや無理だわー。関わりたくない人だー。

 既成事実作ろうとか、無理…!鳥肌たってきたし!マジキモ!


『キリア…』 「え?」

『声に出てるぞ?』

「え?あ!やだ!またやっちゃったし!」


ワタワタしてたら、ギルマスが降りてきた。


「なにやってる」

「そっちのDランクの女が、その子、キリアちゃんに絡んでたんだよ」

「はぁ…。ランドの護衛依頼か?Dじゃ無理だな。諦めろ」

「ギルマス、キリアちゃん、思ったことが口に出るらしいな?」


ギルマスは分からず、ヴァイスをみる。


『あー、そっちの女がランドに付き纏っていたから、付き纏うとは、出掛けた先で偶然を装って会ったり、護衛依頼をせがんだり、恋人になれって色仕掛けで迫ることかと言ったんだ』

「そしたら、リアルストーカーじゃん。え、キモ。無理だわー。関わりたくない人だわーって」


周りの人がクスクス笑ってる。絡んできた女の人は、下を向いて顔を赤くしてる。

「そうか…。お前、ペナルティだな」

「なんでよ!この女が悪いんじゃない!」

「キリアはちゃんと冒険者の仕事をやってる。依頼を受けてなくても、薬草を取ってきたり魔物を討伐してきている。お前、いつからDランクだ?」 

「…」


 帰っていいかな…2日後の準備したいんだけど。面倒くさいなぁ…。指名だから、あたしがどうこう出来ないのに。

 うわぁ。マジでめんどくせぇ。っつか色仕掛けするって、どんだけ自信あんだよ。

 あたしより胸小さいじゃん…あ、寄生したいだけかぁ。誰にでも、足を開くってやつか…?それだったら病気持ってそう…。

 めんどくせぇ…。男の人は、こんな人でも良いんだ…。


「ギ、ギルマス…くっ…」

「あ、あぁ。本当に口に出てるな。あれは多分、頭の中で思ってること何だろうけどな」

『キリアは面倒なことがあると、たまにこう言うことがあるな…。おいキリア!』

「ん?え、何?」

『全部、声、出てたぞ』

「おっふ…、冗談だって言って…」

「くっ…キ、キリアは帰っていいぞ」

「あ、はーい」


 あ!まだ明るいからジーンさんとこ行ってみよう。


「ヴァイス、洋服買いに行ってもいい?」

『構わんぞ』

「ふふっ。ありがと」


 5分程歩いたとこに、ジーンさんのお店がある。ヴァイスは入れないので、外で待っててもらう。


「こんにちは」

「あら、いらっしゃい。今日は何がいるの?」

「今日は下着と、寝巻きが欲しいんです」

「そう。寝巻きはアタシが選んであげるわ」

「ありがとうございます。お願いします。あ、2日後から野営するので、その分もお願いします!」

「わかったわ〜」


 寝巻きはジーンさんにお任せして、あたしは下着を選ぼう。枚数増やしたかったんだよね。あ、これ可愛い… ブラ付きタンク?でもヒラヒラしてる。

 これも買いだ! パンティは紐が多いけど、可愛いからいっか!


「お会計お願いします」

「いいのあったかしら?」

「はい!可愛いのありました」

「良かったわね」

「はい!あ、ギルドカードでお願いします」


 今日も良い買い物出来たなぁ。あとは食材を見に行こう。

「ヴァイス、ありがと。次は食材を見に行こう」

『あぁ。野営の時のか?』

「そうだよー。どうせなら、美味しい方がいいじゃない?」

『そうだな!俺も選ぶぞ!』

「はいはい」


 相変わらず可愛いのう。なんでも買ってあげたくなっちゃうね! あ、ヴァイス用のお皿欲しいなぁ。浅いのと深いのと2枚。

 そろそろあたしも髪を結うのにリボンが欲しい。


〜〜〜〜〜〜


 いやー買ったわ。マジックバックに入れたけど後で、収納に入れ直そう。

 リボンの色、黄緑色よりも少し濃い緑。ヴァイスに選んでもらったんだー。誰かに選んでもらうって、めっちゃ新鮮だったわ…

 明日は休みにして、宿でのんびりしよう。あ、そうだ、錬金術を試してみようかな?




 宿にとうちゃーく。ご飯までまだ時間あるから、錬金術をやってみよー!


『何かやるのか?』

「錬金術でポーション作ってみようと思って」

『そうか。じゃあ俺は寝てる』

「わかった〜。あ、クリーンしてね」


 えっと、ポーションはヒーリング草と、浄水だっけ。よし、レッツ・トライ!


 結果、粗悪品ができましたー… まぁレベル低いからね。これから頑張ってレベリングしよっと。


 あれから2時間ほどやって、レベル5まで上がったよ!やったね! 粗悪品は森でぶん投げてくるしかないかな…


 ご飯食べに行こっと。今日の夕飯はなにかなぁ。



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