第15話

 4階層に降り、驚いた。3階層はジメジメした階層だったのに。ここは砂地…砂漠だった。

 

「砂漠地帯だねぇ。これがダンジョン?…え、ここ初級ダンジョンだよね?」

『そのはずだ。…ダンジョンに入ってから他の冒険者見たか?』

「そういえば見てないかも…魔物も少なく無い?」


 砂漠に向けて鑑定をする。が、何も出なかった。え?どうなってんの?これ、出れないとか無いよね?


『とりあえず、先に進むしかないな』

「そうだよねぇ。何階まであるかな…」


 問題が発生したので、ヴァイスに乗ってマップを完成させる。魔物も出ないし、採取も無いから5階層に降りようとしたんだけど…


「これ、ボス部屋ってやつ?」

『そう、だな』


 ま、考えても答えは出ない。ならどうするか。やるしか無いよね!


 ギィーと音を立てて開くドア。中に入ると、なんの変哲もない部屋…

 バタン!と大きな音を立てて閉まる。 いや、びっくりしたし。嫌がらせか?あ?で?ボスは?


『ボス…いないな』

「そうね。いないね。嫌がらせかな?」

『誰が?』

「え?神?」

『それはないだろう…』


 そんな呆れた顔しないでよねー。ダンジョン弄れる人なんざ、神しかいないじゃない!


『あー…』


【あーすまんな。その通りだ。ダンジョンに入るって言うから弄った】 


 サムズアップしてくる神…


「ヴァイス、あたしの目、病気かな?」

『キリア、病気じゃないぞ。俺も同じものが見えている』


【酷くね?中々、教会に来てくれないしー。 あー初めまして、クアトゥムだ。この世界はどうだ?】

「どうだ…って言われてもまだ1ヶ月もたってないし。でも今のところ、楽しいかな」

【そうか。それなら良かった。あの商人はどうだ?】

「あの商人って…そこまで見てるの?恥ずかしい…」 


 顔を両手で隠す。


【あの者は本気ぞ?】

「あーそうなんだ…」

【まぁ焦らずとも良いのではないか】

「そうします。この世界を楽しみたいし…。あ、クアトゥム様、可愛くしてくれてありがとうございます」

【まぁ、あの者と一緒に周ると良い。幸せになれるぞ?容姿か?構わぬぞ。ちょっと頭を覗いたからな。フェンリルよ、キリアを、我の愛し子を頼むぞ】

『はい。創造神様』


 話が終わった途端、景色が変わってあたし達は外にいた。


「えー、問いただしたかったのに…。頭覗くってなんだ?……初めてのダンジョンは終わりかな…?」

『そう、だな…』

「じゃ、ギルド行こっか。ってかさ、愛し子とか言ってたんだけど…」

『そうだぞ?』

「え?だって称号にも載ってなかったよ?」

『何言ってるんだ?創造神の加護があるだろ?それが愛し子の証だ』

「……」


 ぶっ飛び要素? 今までで一番のサプライズだよ。


〜〜〜〜〜〜〜〜


「キリアちゃん、おかえり」

「あ、帰りました」

「何かあったの?」

「あー、あったっちゃありました。で、ギルマス暇してます?」

「2階へどうぞ?」


コンコン


「誰だ!?」


 うわぁ…なんで怒ってんの?アリアさんの顔を見た… おっと。見て見ぬふりをした。


「アリアです。キリアちゃんがおいでです」

「あ、あぁ。入れ」

「お邪魔しまーす」


 ガチャっと開けながら顔を出した。が、睨まれてる… あたしはそのまま部屋をでた。


「おいっ、出て行くな!用があるんだろ!」

「えーだってー睨まれたら帰るよねー、ねーヴァイス?」

『あぁ』 「ほらー」

「ぐっ…悪かったよ。で?」

「あー、ダンジョン行ってきたんだけど、普通のダンジョンじゃなかったの、で、神様が弄ったやつだった」

「………」

「ギルマス?でね、4階までしかなかったんだけど、3階で綺麗なキノコ見つけたの、あたしの鑑定じゃ見えなかったから、見てもらいたくて」


マジックバックから綺麗なキノコを出した。


「⁉︎……コレはキリアが待っとけ。必要な時に使える物だそうだ」

「へぇーそうなんだ。ギルマスありがとう」

「お、おう。今日は何か売るものあるのか?」

「あ、あるよー」


 ドサドサと採取した物と討伐した物を出した。


「結構あるな…」

「そうかな?少ない方だと思うんだけど…?」

「他の冒険者はこれの半分もないぞ?」

「…そうなんだ?」

「お前、今日からCランクな」


うげぇ…早くね?早くランク上がると面倒なのに絡まれそうなんだけど!


「いいか?これは決定な!そんな嫌そうな顔しても拒否出来ないからな!」

『仕方ないんじゃないか?毎回こんなに出してるんだろ?』

「そうだけど…」 


 絡まれなきゃ良いな…

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