第4話
マジックバックかぁ〜。絶対欲しいなぁ…。
「マジックバックって、普通に売ってます?」
「あぁ。売ってるよ。なんなら僕も売ってる。大、中、小あるよ。中から上は時間停止も付与されてるよ」
あら、通販っぽい。
「あるよって…お高いんですよね?」
ちょっとノってみる。
「容量にもよるよ? この小だと、容量がこの馬車1台分で金貨5枚、中が馬車4台分で金貨13枚、大は10台分で金貨25枚って所かな」
おぉ…意外とするな。
「結構しますね… どうしようかな…」
「あとは、ダンジョンで見つけるか、だね」
ダンジョンとな?…ファンタジー!
「ダンジョンでも見つかるんです?」
「そうだね。買うかい?」
んー、後々のことを考えると欲しい。
でもどの容量を買うか悩む〜…
〜〜〜〜〜〜〜〜
ランド視点
僕はしがない商人。になる予定だ。親から継ぐ予定の商店を潰さないように、何の変哲もない、いつも同じ毎日を過ごしてた。
僕は女の人に興味があるわけじゃ無い。むしろ嫌いな部類だ。
明るいシルバーの髪に紫の瞳。鼻もすらっとしてるらしい。友人から言わせるとかっこいいらしいね。
そんな僕を見れば女達はボディタッチが激しいし、鼻が曲がるほどに付けられた香水…あれの何処が良いんだろ。
女に付き纏われるほど近寄らせないように冷たい印象に僕はなっていった。
でも、目の前の少女に出会い、何かが変わろうとしてる。それはいつ、何がとは分からないけど、何故かワクワクしてる自分が居る。
この少女は危機感が足りないと思う… 目の前で収納持ちなのをバラして… 他にも何かありそうだ。
ほっとけない感がある。ここだけの関係、ただの知り合いにしておくには、何故か勿体無いと思う。
もしかしたら…
〜〜〜〜〜〜〜
「どれを買うか決まった?」
「あ、すみません… 決まりました! えっと、中のマジックバック下さい!」
大も買えないことはないんだけど、ダンジョンに行って自分で見つけてみたい!
「はい。金貨13枚ね」
「ありがとうございます! えっと、ちょっと入れ替えてもいいですか?」
ウルフとかその他諸々、バックに移しておかないと、収納持ちってバレるし…
「構わないよ」「ありがとうございます!」
ちょっと食い気味で言っちゃった… ランドさん、苦笑い。 ま、いっか!
どんどんやってしまおう! まずウルフ。ウルフは…20匹も入ってる。え、と、5匹くらいかな!あとは…薬草、ヒーリング草10本を束にしたやつを、3つと、あれ?これなんだ? 鑑定…
バジラ草
ヒーリング草、浄水と合わせると毒消しになる。
ハーブとして食べられる。
へぇ…バジルみたい。名前が。これも3束かな。あとは、スライムの核的なやつね。
あ、あとはお金も少し分けとこう。流石に金貨は要らないと思うから、銀貨5枚。…よし!終わり!
ランドさんを見たら、ぽけーっとしてこちらを見てた。ん?なにかあったかな?
「…ランドさん?」
「あ、いっぱい持ってたんだね。」
「はい。街道に出るまでにいっぱい狩ったので!」
「…そうなんだ。ウルフ、見せて貰えないかな?」
「良いですよ〜」
って言うことで収納からウルフを1匹。ランドさんが、まじまじ見てる…
「綺麗に倒せてるね… これはキリアが?」
「そうですけど…」
「これ、買い取らせてくれる? 銀貨8枚で!」
おっと、急にどうしたんだろ…?
「あ、良いですよ。そもそも、相場が分からないので…」
「ありがとう。 あー、そっか。出て来たばっかりだもんね。このくらい綺麗に仕留められていたら、素材もほぼ、無駄にならないから、買い取り価格が上がるよ。普通は剣とかで仕留めるから、傷だらけになる。傷だらけだと銀貨2枚か3枚がいいとこじゃないかな」
「ほぇ〜…そうなんだ…。じゃぁこれからも、綺麗に狩れたら買い取り価格が上がるってことですかね!?」
やったね!これならちょっとはお金に余裕が出来るかなぁ。うふふ。
「キリアは町に行ったら冒険者登録するのかい?」
「あ、そのつもりではいます」
「そう。期待の新人になりそうだね」
「期待の新人…ですか?」
「そう。ウルフも綺麗に仕留められるし、薬草も綺麗に採取してるしね。パーティに誘われるかもね」
パーティねぇ…
「ソロじゃダメなんですか?」
「ダメってことはないだろうけど…、ランクが上がると難しい依頼が多いから、ソロだと厳しいんじゃないかな?」
「厳しいのか… とりあえず、最初はソロの予定ですね。…パーティ組んだりするのは追々」
「随分と嫌がるんだね…?」
「…まぁ、そうですね。ただでさえ人が苦手なのに、初めての人にパーティ組みましょなんて言えないですよ」
そんなことしたら、何言ってんだこいつってなるんじゃないのかな?そんな社交的なこと出来ないよねー。無理無理。
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