第56話しっぽりとした感じの再会を楽しもうとしたけど無理でした
大学でテストを受けていた俺は自分の部屋に帰って来た。
夏樹からは『今、湊の部屋に着いたよ』とメッセージが数時間前に届いている。
俺はそわそわとした気持ちで玄関のドアを開けた。
夏樹の靴が玄関にあった。
つまりは紛れもなく夏樹は帰って来たということだ。
それが嬉しくて堪らない俺は小走りで廊下を歩き部屋に繋がるドアを開けた。
するとそこには――
髪の毛が伸びた夏樹がベッドの上で俺のパンツを嗅いでいた。
「お帰り。ところで、何してんの?」
「ん、ただいま。湊のパンツの匂いを嗅いでただけだど?」
当たり前のような感じで答えてきた夏樹。
堂々とした振る舞いで恥じらいは全く感じない。
「……そ、そうなんだな」
再会したばかりだというのに、猛スピードで俺にヤバさを見せつけてくる夏樹に引いてしまった。
「これ湊の匂いがしなくなってきたから返す」
と言って、夏樹は俺にパンツを返してきた。
俺の手に置かれたパンツは夏樹が出した何かの液体で濡れている。
半年も会えないことで無事にヤバい奴から超ヤバい奴にレベルアップしてしまった夏樹に恐怖が止まらない。
俺の知っている半年前の夏樹はそこまでの匂いフェチじゃなかったはずだ。
どうやら、俺と会えない半年で夏樹は色々と拗らせてしまったらしい。
「で、夏樹さん? なんで、俺のベルトを外そうとしてるんでしょうか?」
「湊のアレを舐めたいから?」
ベルトの留め金を外そうとしている夏樹が俺に言った。
「いやいや、こうせっかくの再会なんだから、すぐにエッチなことじゃなくて、もうちょっと最初はしっぽりとした感じの方が……」
「……まあ、それもそうだね。エッチは再会を少し楽しんでからにしよっか」
再会して初めての熱い交わりは夏樹も大事にしたいようだ。
俺はそんな夏樹に改めて挨拶をする。
「お帰り。夏樹と会えなくて凄く寂しかった」
優しく微笑むように言った。
すると、夏樹も俺に微笑むように言ってくれる。
「うん、ただいま。私も湊と会えなくて辛かったよ?」
こうして、俺と夏樹は半年ぶりに再会するのであった。
※
再会してすぐに俺のアレを舐めようとしてきた夏樹。
そんな彼女は長くなった髪の毛を俺に見せつけてきた。
「お望みどおりに伸ばしてあげたけど? 何もないわけ?」
半年間で夏樹の髪の毛は伸びてボブヘアーから、ぎりぎりセミロング? と言えるくらいに髪が伸びた。
髪が伸びたことで、少し大人びた感じだ。
ビデオ通話で見ていたけれども、それでも生で見るのは全然違った。
「短いのも好きだけど、長いのも可愛いな」
「髪、触っていいよ」
「お、おう……」
と言って、俺は目の前に座っている夏樹の髪の毛に手を伸ばした。
艶やかな髪の毛を手で解すように触った。
明らかに前よりもボリュームが増えた髪の毛。
俺が頼んだからこうなったのだと思うとニヤニヤが止まらない。
「そんなに長い髪が嬉しい?」
「わざわざ俺のために伸ばしてくれたのが凄く嬉しくてな……」
「はいはい。で、まだ伸ばしたほうがいい?」
「いいや、夏樹も長い髪は好きじゃないだろうし切ってくれていいぞ。ちょっと、もったいない気もするけどな……」
長い髪は運動のときに邪魔だ。
髪の毛をゴムで纏めたとしても、それでも邪魔なことには違いない。
さすがに俺のために不便な思いをさせるのは可哀そうだ。
「じゃあ、来週に美容室の予約しておこうかな」
そう言って、夏樹はスマホで行きつけの美容室の予約を入れる。
本当に髪の毛を伸ばすのは好きじゃないんだなぁとか思いながら、俺はそわそわとした感じで夏樹に聞いてしまった。
「で、その……、し、下の方も伸びてるんだよな?」
「最初はしっぽりとした感じで再会を楽しむんじゃなかったっけ」
「いやまあ、そうだけど……。ちょっとだけ先に見せて貰えたりは……」
「……まあ、いいけどね」
夏樹はそう言ってズボンを脱いでパンツを脱ごうとするのだが……。
動きを止めてしまった。
「どうした?」
「いや、まあ……恥ずかしいから……。本当に汚いって言わないでよ?」
夏樹は顔を赤らめてしおらしい反応を見せる。
再会したばかりだし、エッチなことはまだ早いと自分で言ったくせにな……。
普通に夏樹を襲いたくなってきてしまった。
とはいえ、ココは我慢だ。
今は夕方であり、今日はたぶん朝までがっつりお絞りコースだ。
時間稼ぎをしておかなければ、俺は干からびて死んでしまう。
「じゃあ、スルときに見るんだし、それまでは楽しみに取っておく」
まだ我慢の時だ。
そう思った俺は見せて? と頼んでおきながらも今はやめておくと言った。
しかし、それは夏樹には凄く不服だったようだ。
「後でじゃなくて、普通に今見てよ。正直、湊がちょっと汚いって言うなら、すぐに剃れるし」
「何をそんなに心配してるんだか……。まあ、そういうことなら……」
「んっっ……」
ちょっとした吐息を漏らしながら夏樹はパンツを脱いだ。
久しぶりに見た夏樹のアソコは、想像以上にふさふさであった。
あまりにも凄い光景に俺はごくりと音を立てるように生唾を飲んでしまう。
そして、恐る恐る俺は聞いてしまう。
「ま、全くお手入れしてないのか?」
「……湊が剃らないでって言ったんでしょ?」
夏樹は恥ずかしそうに足をくねらせながら言った。
で、俺は夏樹と俺の認識が食い違っていたことに気が付く。
「いや、あれだ。生やしてって頼んだだけだし、ある程度は見栄えを整えはするかと思ってたんだけど……」
「つっっ~~~~!!!!」
夏樹は声にもならない声をあげ、顔をより一層と赤くした。
どうやら、夏樹は生やして欲しいを剃らないでと完全に勘違いしていたようだ。
「あー、しきりに、俺に見て汚いって言ったら蹴るって言ってたのって、完全に何もお手入れしてないのを見せる気だったからなのか?」
「……そういうこと。で、湊の感想は……、うん、聞かなくても分かるね」
夏樹は膨らんだ俺のズボンを見て苦笑いする。
そんな彼女は少し恥ずかしそうに俺に言った。
「というか、こんなにふさふさだと、湊のを入れるときに毛も巻き込んじゃいそうだから、ちょっと邪魔になりそうなところは剃ってもいい?」
筋トレをしポジティブでアグレッシブになった。
だからか、俺は夏樹にとんでもない事を言ってしまう。
「俺がやってもいい?」
じーっと細い目で夏樹が俺を見つめてくる。
やっぱりダメか? と思ったときだ。
夏樹はどこか嬉しそうな顔をして、俺の胸元をツンツンと指で突いて来た。
「……変態。ま、そういうとこ嫌いじゃないけどね」
たぶん、今日は朝までコースだし、出来る限り始める時間は遅くしないと体が持たない。
そんなことはわかっているというのに、俺は感情を抑えきれなくなる。
そして、それは俺だけじゃなくて夏樹も同じだった。
夏樹は俺のズボンのパンパンに膨らんだ場所を撫でるように触って来た。
「ねぇ、コレ舐めてもいいよね♡」
まだ夕方でありスルには早すぎる。
俺は必死に理性を働かせて、
「な、夏樹の言った通りさ、ちょっと邪魔になりそうな毛を剃ってからにしないか? ほら、途中でわざわざ邪魔だし剃るなんてことになったら興がそがれるだろ?」
「あー、確かに」
「だから、その……。久しぶりにスルのはもうちょ、
「じゃあ、早く剃って? 今日は湊が剃ってくれるんでしょ♡」
恋人がするようなことはもうちょっと夜になってからシようと言おうとした。
しかし、それは食い気味な夏樹によって遮られた。
あ、うん。これはダメだ。
夏樹のスイッチは完全に入ってしまったらしい。
早く俺とシタいから、巻き込みそうな邪魔な毛を早く剃って? と言ってくる夏樹を見て、俺は苦笑いしてしまうのであった。
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