第44話焦らされてご立腹な4年目の彼女

 夏樹の頭を押さえつけるようにして突っ込んだ。

 大丈夫だろうという根拠のない自信で最後の最後まで突っ走ってしまった。

 結果、俺の目の前では夏樹は苦しそうにむせている。


「けほっ、けほっ……」

 やりすぎたのは明らかだし、申し訳なさで押しつぶされそうだ。

 俺は調子に乗って強引にしすぎたことを夏樹に謝った。


「すみません。調子に乗り過ぎました」

 俺はチラチラと酸欠気味でどこかボーっとした感じの夏樹の様子を伺う。

 さすがに怒られるだろうと思っていたのだが……。


「ふー、別にいいよ」


「え、本当に?」


「正直、凄く辛かった。でも、湊が湊じゃないみたいで凄く良かった。ほら、弄られてないのにこんなになっちゃってる……」

 夏樹は俺の指を自身の大事なところへと導く。

 言うことに嘘偽りはないようで、夏樹のアソコはお風呂場でかなり綺麗にしたはずなのにぬるっとしていた。

 

「いやまあ、夏樹も楽しめたならいいんだけどさ」


「まあ、そもそも奥まで欲しいって言ったのは私だしね。けほっ、けほっ……」

 夏樹は喉に違和感が残っているのかずっと咳払いをしている。

 冷蔵庫からスポドリを取り出して渡してあげたのだが……。

 夏樹は俺にわがままを言ってくる。


「このままだと濃いから薄めて」


「あいよ」

 スポドリを少しだけ容器に移すのは面倒だったので飲む。

 で、減ったところに水を足して薄めた。

 そして、俺は出来上がったものを夏樹に渡した。


「ん、ありがと」


「で、次は……どういうプレイがしたいんだ?」


「湊の後ろを攻めたい」


「いや、だからなんで執拗に俺の後ろを狙うんだよ……。何がそんなにお前を惹きつけているんだ?」

 俺はキュッとお尻を引き締めた。

 夏樹が執拗に俺の後ろを開発しようとしてくるのが怖くて仕方がない。

 1回許したとはいえ、完全に許したわけじゃないからな?

 と抗議の目線を送っていたら、夏樹が俺に真面目な顔で言った。


「湊が私に弄られてみっともなく喘ぐ姿がみたい。こう、こいつは私にこんなことまでさせてくれるんだっていう支配欲が満たされるのも凄くいい」


「言ってることがわからなくもないのが、ちょっとムカつくな……」

 夏樹の言い分に少し説得力があったので俺は何とも言えない気持ちになった。


「てか、湊こそ私とシタいことはないの?」


「あー、コスプレした夏樹としたい」


「……はいはい。ほんと、湊も性癖隠す気なくなったね」

 飽きれた感じで夏樹は俺を見てくる。

 そんな彼女に俺は苦笑いで言う。


「バレバレだし良いかな~って。で、OKなのか?」


「いや、はいはいって答えたでしょ? で、メイド服? それとも、この前にドン〇で買ったあれ?」


「ド〇キで何か買ったっけ?」


「あー、湊がトイレ行ってるときに内緒で買ったんだっけ……」

 夏樹はそう言いながら、ゴソゴソと棚から袋を取り出した。

 その袋の中には警察のコスプレ衣装が入っている。

 つい、俺はニヤニヤとした顔で夏樹に聞いてしまう。


「俺を喜ばせようと内緒で買ったの?」


「……まあね」


「夏樹って素っ気ないからツンケンしてるように見えるけど、好きな人にはめっちゃ尽くしてくれるタイプだよな」

 などと褒めたら、夏樹は俺の胸を少し強めに叩いて来た。


「うっさい」

 少し恥ずかしそうに夏樹は、男性が喜ぶようなデザインに変更された警察のコスプレ衣装に着替え始める。

 で、着替えが終わると、俺が夏樹の身動きを封じようと思って通販で買ったおもちゃの手錠を手に持った。

 そして、夏樹は警察のコスプレに相応しい演技をしてくれた。


「治安維持のためにも全裸の男を捕まえないとね」

 鋭い目つきの夏樹は手錠を俺のに掛けると、もう片方を自身のに掛けた。

 俺と夏樹は手錠で繋がり離れられなくなる。

 そして、夏樹は俺の耳元へ口を近づけた。


「これでずっと一緒にいられるね?」

 どこか危なげに囁く夏樹に、俺はゾクゾクっと背筋を震わせるのであった。

 

   ※


 夏樹が警察のコスプレに着替えてから1時間が経った。

 夏樹と俺は手錠で繋がれたまま流れるようにそのままシタ。

 というか、まだシテいる。

 俺達は右手と左手ではなく、右手と右手で手錠を繋いでしまった。

 その結果、凄く動きづらくて、果てられるほどの強い刺激を得られていない。

 まあ、すでに俺は2回出しているってのも理由なんだろうけどさ……。

 このまま頑張っても、最後までは無理そうだなぁと思い俺は動きをとめた。


「さすがに無理っぽい」


「だいぶ経ったのに、まだ湊も1回も満足できてないもんね」


「めっちゃ頑張ったんだけどな……。さてと、どうする?」


「どうするって?」


「いや、これを外すかどうかだよ」

 俺は手錠で繋がれたままの右手を上に上げた。

 すると、夏樹は食い気味に即答してくる。


「外すに決まってるでしょ?」


「これでずっと一緒にいられるね? とか言って俺に手錠をかけたくせに」


「手錠のせいで100段階中45くらいの刺激しか感じられなかったからね……。気持ちいけど気持ち良くなりきれなくてイライラが凄い」

 夏樹はイラついた感じで俺と夏樹を繋いでいる手錠を外した。

 で、本当にイライラしているのだろう。

 手錠と手錠の鍵をぽいっとベッドの上から雑に投げ捨てた。


「頑張らないで、もっと早くに諦めた方が良かったかもな……」


「いや、それはそれで負けた気がして嫌だったからいいよ」


「お、おう」


「で、そろそろ再開してもいい?」


「もうちょっと休憩させてくれ」


「はぁ……、わかった。あと、再開後は私が湊の上で動くから」


「えっと、その、ちょっと手加減お願いします……」

 夏樹は運動神経抜群で体力もすさまじい。

 そんな彼女から繰り出される腰の動きはとても激しくて情熱的で、マジで一瞬で絞られる。

 さらには、俺がびくびくしてるのに夏樹はお構いなく動くのをやめてくれない。

 まだ始まって4時間も経っていない。まだまだ先は長い。

 なので、ちょっと手加減を頼んだのだが……


「無理。てか、そろそろ休憩はおわりでいいよね?」

 休憩が始まって5分も経たずに休憩は終わりとのこと。

 どうやら、長い時間を弱い刺激で焦らされていた夏樹はとてもご立腹らしい。

 夏樹は元気を失っていた俺のアソコを弄って強引に元気にさせると、薬局で大量に買ったアレを被せてきた。

 夏樹は俺の準備が整うと、舌なめずりをして妖艶な笑みを浮かべる。



「んふふっ、やっと満足できそう」



 まだし始めて4時間も経過していなのに、俺に全力でぶつかってこようとする彼女を見て俺は死を覚悟した。

 




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