フキハラ

@hiroyuki1119

第1話不喜助

桜庭不喜助のプロフィールです。

男。独身。38歳。記憶力が良い。ポリシー絶対に俺は、笑わない。挨拶不要論。無能排除論。

口癖;確実に。絶対に。できないならいいです。みんな馬鹿ばかり。

口に決して出さないが結婚願望あり、異性との交際なし。

結婚相手の条件=①25歳未満。理由;子供を産むことに最適な年齢のギリギリだから。本当は、女性の初産は、15~20歳未満が良いのだが、現代社会の環境を考慮して譲歩してあげた。

②可愛いor美人。理由;自分の子孫に不細工のDNAを遺伝させたくないから。

③国立大学以上の学歴保持者。理由;子孫に馬鹿のDNAを遺伝させたくないから。

家族構成。

父=68歳。地方公務員を退職。現在無職。

母=別居中。

妹=28歳。結婚して、一児の母。疎遠。

桜庭不喜助が18歳の頃に、不喜助の暴力に耐えきれず母と妹は、家を出ていった。

それからは、父と二人で暮らしている。


不喜助は、いつも不機嫌であるが、彼が勤務するハッピーエンド病院では、みんな不機嫌そうに働いているので一見、この不機嫌な態度が普通に見えている。

私は、その病院に働くこととなる。彼は、66階病棟のリーダーであった。

「今日から勤務することになりました、松竹梅子です。よろしくお願いいたします。」と挨拶をすると

「挨拶いらないので、これからしないでください。」と前置きをしてやってもらいたい仕事の話に変わった。

「できないことは、やらないで結構です。事故になってもらったら面倒なので」

とその細い眼は、鋭くキラリと輝いた。薄汚く薄暗い病棟のあちらこちらから悲鳴が聞こえてくる。

"助けてください~” ”この手をほどいてください~” 誰か、お願いします”

”虐待されています、見てください”

老人たちは、永遠に叫び続ける。夜が彼ら彼女らをそうさせるのだろうか。

不喜助は、叫び続ける老人の目の前に立ち

「この無能度どもめが」と言い、唾を吐きつけた。

私は、偶然に離れた場所からその光景を目の当たりにしてしまった。だが、そのことを見たことは、黙っていようと決めた。何も知らない私が何かを言ったところでどうせ何もできないのだから。。。

暫くすると、不喜助が話しかけてきた

「さっき、見てましたよね。」

「えっ、何をですか」

と苦笑いをすると

「俺が、唾を吐いたところを」

「・・・・」

私は、ドキッとして何も言葉にから出てこなかった。

「あれは、虐待では、ないですから。俺が唾を吐いたように見えたと思いますが、

あれは、この病院の秘伝の治療法なんですよ。いろんな医療のやり方がありますから」

「秘伝・・・そうなんですか、」

と苦笑いをしたが、あの”無能”発言は、どう説明するのだろうかと思うのだった。

私は、病院での仕事が初めてだったので何もが分からずに、ただ一生懸命に働いた。

だが、毎日毎日、不喜助に怒鳴られ続けた。彼は、いつも後ろからやって来る。

ある日、私と不喜助と朝の出勤時間が一緒だった時に間違って

「おはようございます。」

と言ってしまった。不喜助は、焦点をどこにも合わせず

「挨拶するなっていったよな~俺は、挨拶不要論者って知っているよな~」

と怒鳴りながら、私に掴みかかろうとしたが、自制心が働いたようでそれ以上何もなかった。私は、それから、不喜助の顔が見えると動機がして悩ませられるようになった。私の行動がおかしかったのか、一緒の勤務になったパートの國立さんが心配してくれた。

「そんなことがあったの、酷いよね。前からあなたへの態度が酷いと思っていたのよ、あたしが副主任に話してあげる。あの男の事」

國正義子さんは、10年以上のベテランさんなのに不喜助にいろいろ言われていて彼女も不満があったのだろう。そう言ってくれた。

そして、副主任に話に行ってくれたが

「そうなんですか。でも、彼女がするから悪いんじゃないですか。ここは、挨拶不要を推進してますよね。」

「不喜助さんの方が正しいというのですか」

「まぁ、掴みかかろうとしても、掴みかかってないし。私も挨拶は、時間の無駄だと思います。ここは、病院です。24時間動いいてます。いちいち出勤してくる人に”おはようございます”も変ですよね」

「挨拶は、大事ですよ。お互い同じ場所で働いている同僚なんですから、気持ちよく

挨拶きもちよくないしてしごとを始めた方がいいのではないですか」

「挨拶されて気持ち良くない人の気持ちは、どうするんですか・・・そもそも、不喜助さんが言ってますよ、あなたたちは、みんな無能だって、彼が斬れるのも

仕方ないのかもしれないですね」

「副主任、本気でそんなことを言っているのですか。彼の仕事のやり方を知ってますか」

「すごく、効率的な仕事をする人ですよね。今の時代は、時短ですよ」

と副主任は、腕を組み高らかに笑った。そこへ、主任がやってきて

「一応、彼もやりすぎな所があるから、注意しとくんで。國立さん、それでいいですか」

「わかりました。よろしくお願いいたします。」

とお辞儀をして立ち去った。その、姿を後ろから不喜助が見ていた。


「主任、あの人、何か言いに来たんですか。松竹と言うオバさんのことですか。」

「そうだが・・・でも、気にするな。君は、悪くない。僕が守て上げるから、大丈夫だ。」

と言って不喜助の肩をポンポンと叩くと、彼は、涙声で

「あのオバさんたちは、誰も俺の事をわかってくれない。」

すると主任が

「僕がいるじゃないか」

と言った。

















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