第28話
「ピュィピィピュュュィピュィピュィピュュィ(私のことを知りたければ名前の改善を要求する)」
「ピーちゃんと私の仲でもダメなの?
私とピーちゃんは親友じゃないの?」
ダメだコレは、エマの暴走が始まっている。
この状態のエマに何を話しても理解してくれない…。
「それより何で金の字は姿が黒助と違うんだ?
色は仕方ないにしろ、容姿まで違うと違和感があるんだが。」
「ルュゥルュゥルュュゥルュゥルュゥルュュゥ(父上の姿はネメシス様の眷属だからだと思いますよ)
ルュゥルュゥルュゥルゥ(私の容姿が一般ですよ)」
「ルウの姿が一般的なようですよ。
ピーちゃんが特別なだけのようです。」
「何で私のことを無視して会話してるかな?
私の待遇の改善を要求する。」
「ピュィピュィィ(オレもなぁ)
ピュィピュュィピュィピュィ(名前変えてくれたら善処する)」
「それって直さないヤツだよね?
ピーちゃんは何処でそんなことを覚えて来たのよ。」
どのみち私が転生者だとバレたくは無いから、全てを見せるつもりは無い。
「アオイちゃんも、ちゃんとピーちゃんって名前で呼んで。
黒いのから黒助に変わってるし、ルウちゃんも金の字って素材でしか魔物を見てないでしょ。」
「名前なんて分かれば良いじゃねぇか。
名前で繋がってるのはテイマーと魔物だけだろ?
そこがしっかりしてれば問題ないよ。」
「確かにそうなんですよね?
名前で繋がっているのは私とルウちゃんだけですから。
ピーちゃん呼びしてもパパ呼びしても繋がりは感じませんね?」
「ピュィピィピュィピュィ(パパ呼びは辞めてくれ)」
「ルュゥルュゥルュゥ(父上は父上ですよ)」
「そうですよね?
ルウちゃん良いこと言いましたね。
ピーちゃんはヤッパリパパですよね。」
「ピュィピュィピィ(話が逸れすぎだ)
ピュィピィピュィピュィピィ(指輪はアオイが使うで良いんだな)」
「それで大丈夫ですよ。
今後私は、ルウちゃんと一緒に動きますね。
ルウちゃんはパパ程自由には動けないようですから。
ちゃんとルウちゃんに命令しないと行けないようです。」
「ルュゥルュゥルュュゥ(母上と一緒なのです)」
「ピーちゃんも私と一緒がいいよね?
そうだって言ってよー。」
「ピュィピィ(ハイハイ)」
「ハイは1回だよ、ピーちゃん。
そんな子に育てた覚えはないからね。」
育てられたことは無い。
最初から育児放棄だったけどな、私の場合は。
どちらかと言うと私がエマを拾ったようなもんなんだがなぁ。
「ピーちゃんその顔は自分が拾ったって顔してるよ。
酷いよピーちゃん、私は捨てら……れてたね?
そこをピーちゃんに助けて貰ったのは確か……。
だけども、私が名付けたからピーちゃんはダンジョンから出られるようになったんだからね。
少しは感謝してもバチは当たらないと思うよ。」
「ピュィピュィピィ(感謝してるよ)」
「分かっているなら良いの。
分かっているならね。」
こう言う話はエマはしつこいので早々に流してしまおう。
「ピュィピィピュュィピュィピィ(指輪はアオイが使ってくれ)
ピュィピュィピィピュィピュュュィ(コレでアオイも立派な暗殺者だ)」
「黒助それは言い過ぎだろ。
確かに私がやってることは暗殺者だけどな。
気にしてるんだから言ってくれるな。
でも影魔法を使えると移動が楽になるからな、斥候は私に任せて貰うぜ。」
アオイは右手の人差し指にネメシスの指輪を装備した。
コレでアオイの機動力も補える。
ユイの火力不足はルウが補ってくれるし、ルウが騎乗出来る大きさに成れば遊撃も期待出来る。
コレでダンジョン攻略の目処が立った。
ダンジョンの攻略するパーティーは、4人が推奨されている。
5人以上でパーティーを組むと魔物の数が増えたり、ランクの高い魔物が出やすくなると言われているからだ。
実力があるパーティーならワザと魔物を誘き寄せるのだが、失敗すると氾濫の兆候が出るので協会では推奨してない。
ただ、それをして氾濫が起きると普通に捕まるので、誰もやらない。
それにも例外があるのだが、テイマーの魔物一体はパーティーに含まれないのだ。
ならテイマー4人とそれぞれの魔物を連れて行けば事実8人パーティーになるのだが、世間一般のテイマーは戦闘が出来ないので4人パーティーと変わらないのだ。
ウチは3人に1匹のパーティーだったのが、3人に2匹のパーティーになった訳だ。
事実5人パーティーと変わらない戦力なのでダンジョンを比較的楽に攻略出来る筈だ。
「ピュィピュィピィピュィピュィ(明日からはルウを中心に魔物を倒す)
ピュィピュィピィピュィピュィ(素材のことは気にせず倒せ)
ピュィピィピュィピュィピィ(ルウの育成を優先する)」
「ルュゥルュゥルュゥ(分かりました父上)」
「ルウちゃん明日から頑張りましょうね。
ママも一緒に頑張りますから。」
「ルュゥルュゥ(はい母上)」
「ピーちゃんの言っていることは分かるのに、ルウちゃんの言っていることが良く分かんないだよね?
ユイは分かっているようだけど。」
「黒助が可笑しいだよ。
たまに黒助は、協会の人とも話してるだろ?
そんなことは普通は無い。」
「私はルウのママですから言ってることは分かりますよ?
パパも分かってますよね?」
「ピュュュィピュィピィピュュュィピュィ(グリフォンがグリフォンの言葉を理解出来るのは当たり前だ)」
取り敢えずルウの言葉が分からなくても問題はないだろう。
今日はルウの歓迎会だとユイがご馳走を作ってくれた。
ルウもユイの料理には驚いていて、魔力が漲ると言っていた。
魔物はダンジョンの外だと魔力を補充しなければいけないからな。
ルウも
翌日も朝からダンジョンに向かう。
ルウはまだ騎乗が出来ないので、エマが飛んで他の2人を背に乗せている。
「ルュゥルュゥルュルュゥ(早く大きくなって母上を乗せたいです。)」
「ありがとう、ルウちゃん。
でもね外でお散歩するなら免許が必要なの。
ルウちゃんが大きくなったら一緒に取りに行きましょうね。」
「ルュゥルュゥルュゥ(はい絶対ですよ)」
ルウは朝から元気である。
そんな和やかな会話していると上野に着いた。
早速ダンジョンに潜り、7階層を目指す。
ルウのレベル上げにはワイバーンが最適だろう。
羽田のダンジョンで私は、オーガを倒していたがあちらはCランクダンジョンだったので敵の沸きが遅かった。
上野のワイバーンは数だけは多いので、魔物が切れることはないだろう。
魔物の格も似たようなもんだしな。
今日は入口から少し離れてワイバーンの巣に近づく。
ルウが増えたことにより殲滅の速度は上がる筈だからだ。
アオイが斥候役でワイバーンを探しに行く。
影に潜り影移動でワイバーンの巣に向かったようだ。
エマは既に空中に待機している。
ユイとルウは正面で待機している。
1番目立つ場所だ。
私はエマの近くを飛んでいる。
取りこぼしや誰かが危険になったらフォローする為だ。
アオイが戻って来て、ワイバーン4匹連れて来たようだ。
昨日なら少し慌てていたが、今日は落ち着いている。
アオイがユイの脇を通り過ぎた後に。
「ルウちゃん、
「ルュゥルュゥ(はい母上)」
ルウのブレスで先頭の2匹を巻き込んでいる。
もう1匹をユイのマナ銃で射撃している。
最後の1匹は、エマの風魔法で仕留めたようだ。
4匹ぐらいなら余裕があるようだ。
アオイにはもう少し多めに釣って来て貰っても良いかもしれない。
この分ならルウの成長も期待出来る。
ルウに騎乗出来るように成れば一気にワイバーンの巣を殲滅しに行きたいと思う。
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