ワイバーン盗賊団

アリーに昨日のかなり脚色して、俺の武勇譚を聞かせた。褒めてくれるからだ。

しかし、今日は褒めてくれなかった。

「仁さん。毒が効かなかったらどうするおつもりだったのですか?」


アリーに心配された。


「その時は、公爵の短剣を見せて誤魔化すさ。あと、逃げるための魔道具も揃ってるしな。」


「だとしても、人数が人数です。一度、帰るべきだったのでは?」


アリーが怒っている。怖い。


「アリーの言う通りだった。ごめんよアリー。」


すぐに折れた。だってアリー怖かったし。


「分かればいいんです。」


やっぱり、素直に謝るのが一番いいな。

ここで、言い訳しても、長引くだけだし。軋轢が生まれるし。

俺が正しかったとしても。


それから、盗賊の奴らの武器を売ったり、予備にしたり、

魔道具の性能を確かめたり。


「アリー。俺が死んだら、収納の中に入っているものはどうなるんだ?」


「ダンジョンに行くと言われています。」


「そうなんだ。じゃあ、ある程度お前らにも持たせておくか。」


「そうですね。仁さんに任せきりにしてますし。」


「ところで、カーリーこの伯爵寮には野菜ダンジョンがあるらしいぞ。」


昨日娼館で聞いた、情報をひけらかす。


「野菜ダンジョン!!是非行ってみたいです。仁!!」


カーリーが飛びつく。


「ここから1時間もあれば着くだろう。」


それから、野菜ダンジョンでの道中オークの群れにあった。ボコボコにしといた。

野菜ダンジョンは、敵が巨大化した野菜で、倒すと光の粒子となって消え、

宝箱が現れてその中から対応した野菜が入ってる。

野菜ダンジョン内で、冒険者に三度襲われたが、いい経験値と金になった。

ダンジョンボスまで一週間かけた。初級ダンジョンだったので簡単ではあった。


「それにしても、ダンジョンで獲れた野菜はとんでもなくうまいな。」


「そうですね。このダンジョンで獲れた野菜は、普通の3倍の値段で取引されるんですよ。」


「3倍でも安いくらいだけどな。」


カーリーは馬鹿みたいに食ってネムニ、は美味しそうに食って、

野菜が苦手なエルザもパクパク食ってた。


「それにしても、よく襲われたな。俺たちってそんなに弱そうに見えるのか?」


「そうですね。パーティーの3人が子供だから、弱そうに見えるんじゃないですか?」


「そうだろうな。装備も高価そうなものつけてるしな。こいつらは能天気だし。」


「ふふふ。そこが可愛いんじゃないですか仁さん。」


アリーは子供が好きなので、3人の面倒をよく見ている。


「海で海産物を仕入れた後はどうしようか?」


「それは、その時決めればいいでしょう。」


「そうだな。行き当たりばったりで行こう。」


仁は、なんとなくアーリーの言うことを聞いて旅してたが、悪くないと思っていた。飯うまいし、お金稼げるし、高級娼館いけるし。


「そういえば、この近くの道で、ワイバーンが出て、結構被害が出てるらしいけど

討伐しに行こうか?」


「やりましょう。ワイバーンなら倒せそうですし。」


ワイバーンはドラゴンの中では最弱だが、それでも結構強いらしい。

俺は補助に回るだけだから、どうでもいいが。


ーーーーーワイバーンと遭遇ーーーーー


「なあ、アリーあれ人乗ってないか?」


「そうですね。誰か乗ってます。」


ワイバーンが5匹それぞれに人が乗っていた。

ワイバーン盗賊団なのか?

遅れて、さらに一人やってきた。赤いドラゴンに乗って。


「お前ら、俺たちに見つかったのが、運の尽きだな。

女と装備を置いて逃げるなら、お前の命だけは見逃してやってもいいぞ。」


わっははは とリーダーらしき男が笑っていた。

仁は思った、これは少しやばいと。逃げようと思ったが、アリーがどうやら

やる気になっていたから、逃げなく戦うことを決心した。


「お前ら、ちゃんとわかってるな。」


4人に聞いたら、アイコンタクトで帰ってきた。


「いつも通りにやるぞ。」


5人は戦闘を開始した。

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