ロコす

言う必要もないが

「ステータスオープン」


名前 佐藤 仁


職業 荷物持ち


レベル20


スキル 収納3 体力回復3 身体強化2 剣術1弓術1

魔力操作1 魔力感知1 風魔法1 気配察知1



「強くなったかな?」


この前、アリーと模擬戦したら、負けた。

アリーは後衛職なのに負けた。


「さっさと転職したいな。転職するにはレベルを上げる必要がある。

レベルを上げるには、人を殺すのが効率がいい。でも、アリーはそれを許さないしな。」


アリーは仁に色々なことを教えてくれるし、アリーと一緒にいた方が、実践形式で学べて効率がいい。あと、基本、家事を全部やってくれるから、一緒にいててノンストレスだ。


「しかも、アリーは回復魔法と光魔法が使えるから、仲間としては最高なんだよな。」


回復薬は高いので、アリーに結構助けてもらっている。


「この場合の最適解は、盗賊や悪者を殺しまくることだよな。人殺せるし。

よしそうしよ。そのためにかなりの準備が必要だな。」


仁は準備に取り掛かる。


ーーーー3日後ーーーーー


「アリー盗賊討伐に参加しよう。」


「えっ?急にどうしたんですか?仁さん。」


「今日、盗賊団の討伐があるんだ。」


「はい、そうですね。でもなんで急に?」


「アリー。討伐隊は荷運び人を募集していたが。集まらないらしいんだ。」


「そうでしょうね。荷運び人は珍しい職業ですし。大体、貴族や豪商が囲い込んでいますし、あまり大きくない盗賊団討伐には参加しないでしょうね。」


「そうなんだ。しかし、その盗賊団がいることで、悲しむ人がいるんだ。

俺はそれをどうにかしたいんだ。」


仁は、嘘の言葉を並べる。


「そうだったんですね。分かりました。是非参加しましょう。」


アリーは基本誰かのために動けばついてきてくれる。


「よし、決まったし。冒険者ギルドに行こう。」


ーーー冒険者ギルドにてーーー


「君が今回、志願してくれた荷運び人か?」

今回の討伐団20人のリーダー

優男の剣士トーリが話しかけてきた。


「ああ、そうだ。盗賊討伐は初めてだから、いろいろ教えてくれ。」


「そうか。後ろに彼女は君の仲間か?」


「ああ。そうだ。」


「どうも。初めまして。修道女のアリーです。回復魔法と光魔法が得意です。」


「回復魔法が使えるのか。心強いな。二人とも今回はよろしく頼むよ。」


「ああ。」


「はい。」


今回の討伐のための荷物を収納してそれから、

適当に、他の冒険者に挨拶して、俺とアリーは何度かパーティーに誘われたが

自由気ままに動きたいので、やんわり断っておいた。(もしかしたら、入りたくなるかもしれないし。)


「よし、それじゃあ、出発しよう!!」


トーリが出発の挨拶をして、盗賊団のねぐらへと歩みを進め始める。


ーーーーーー3日後、夜、盗賊のねぐら前ーーーーーーー


「よし、仁荷物を収納から出してくれ。」


トーリに言われて、俺は矢などの消耗品を取り出し。

弓士に渡す。

今回俺たちは、基本後ろで待機だ。


「よし、みんなそれぞれ動いてくれ、討伐開始だ。」


トーリの一言で前衛職、後衛職共に動き出す。


「アリー。トーリ達は盗賊に勝てると思う?」


「事前の情報が正しければ勝てますね。」


「そうか。そうだよな。」


(今回は戦闘に参加できそうにないし、見学しておこう。)


「でも、一応の準備はしておこうか。」


「そうですね。」


そんなことを言いつつ、盗賊討伐は難なく終わった。

負傷者3名ぐらいでみんな軽症だった。

さらった女はいたが、死んでいたらしい。

ただ、盗賊の宝はまあまああったので、みんな笑顔だ。


「よし、みんな帰ろうか。」


そんな感じで、人生初めての盗賊討伐は

銀貨3枚(日本円で30万ぐらい)もらって終わった。

あっけない。


ーーーー街に帰って、夜、宿にてーーーーー


「アリー、これからも盗賊討伐には参加しよう。」


「そうですね。色々なことを教えてもらいましたし。」


そう、盗賊討伐に参加する冒険者は冒険者ギルドの指名制で信用がある人たちなので、基本優しい。

冒険者ギルドからの信用があると、情報や依頼で優遇されるらしい。


「アリー。どこかのパーティーに入らないか?」


「嫌です。」


「え?なんで?」


「この旅はあくまで、贖罪の旅です。パーティーに入るとそのパーティーが優先になるので、贖罪の邪魔になるからです。」


アリーの意見が変わっている。


「そうだな。でも今回みたいに臨時で入るぐらいなら、いい経験になるだろ。」


「そうですね。臨時で入るなら、いいですね。」


この1月あまりで、仁はアリーに結構絆されている。

異世界でひとりぼっちだからだろう。だから、アリーの言うことは結構聞く。


「いつか、俺たち二人だけで、盗賊討伐できるようになったらいいな。」


「いえ、お金を貯めて戦闘奴隷を買えばいいのではないでしょうか?

荷運び人は商人に向いてる職業ですし。」


仁に電撃走る。確かに、自分で戦う必要なかった。奴隷を買えばいいんだ。

奴隷の選択肢が思いつかなかった仁は慄く。


「確かにそうだな。じゃあ、お金稼ぎするか。」


「いえ、お金稼ぎをするにもある程度の強さは要ります。

まず、強くなることが先決でしょう。」


「まあ、結局そうなるか。コツコツ頑張ろうか。」


「そうですね。頑張りましょう。」

アリーは微笑みながら答える。


結構可愛い。もしかしたら、アリーのことが好きなってるかもしれない。

仁はそう思った。



ーーーーーー1年後ーーーーーー


「ステータスオープン」





名前 佐藤 仁


職業 荷物持ち


レベル39


スキル 収納4 体力回復4 身体強化3  剣術2 盾術1 弓術2

魔力操作2 魔力感知2 魔力回復1 魔力隠蔽1 

風魔法2 火魔法1 水魔法1土魔法1 影魔法1 回復魔法1 

気配察知2 気配隠蔽1


「よし、アリー、今日から、別の街に行こう。行商をしようか。」

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