訓練しなくちゃ

武器屋でスワン達の武器を換金して、二人の装備を整えた。

とりあえず、仁は剣と弓を選んだ。


「アリーとりあえず、盗賊が殲滅されるまで、町の周辺で、レベル上げとスキルレベルを上げを頑張ろう。」


「そうですね。私も光魔法を鍛えたいですし。」


仁は戦闘職ではないので、なんでもほどほどに使える、器用貧乏を目指していた。


「二人の宿代ぐらい、二人で稼げるようになる。小さい目標だけどまずはこれを目指そう。」


ーーーーーー町周辺の森ーーーーーーー


「アリーここら辺で一番弱い魔物って何?」


「一角ウサギですね。土モグラかもしれませんが、土モグラは見つかりませんから。それに、一角ウサギは売れますし。」


「ウサギだし、剣じゃなくて、矢で殺そうか。」


「はい、光魔法で援護します。ウサギを見つけるために、スキル気配感知も並行して使っていきましょう。」


「分かった。」


この世界には、たくさんのスキルが存在するので、冒険者にとって必須のスキルは、どの職業だろうがとっておくべきスキルもたくさんある。



アリーからあまり離れずに、弓を持ちながら、周りを観察して一角ウサギを探す。

そうすること30分



「仁さん、一角ウサギを見つけました。光魔法でまず牽制しますね。」


「分かった。俺は弓を構えておくよ。」


アリーのメイスから、光の矢が発射し一角ウサギを貫く。


「キュイ!!!」


一角ウサギは一度鳴いたのち、すぐに沈黙した。

多分死んでる。


「あれ?アリー、あのウサギ死んでない?」


「はい。仕留めました。」


「え?じゃあ、俺いらなくね?」


「いえ、今回は完全に相手の不意をつけたからだけでしょう。」


仁は、アリーがいると心強い反面、自分の役割がないと思った。

ウサギを収納した。


「じゃあ、新しいウサギを探そう。」


「分かりました。でも、ウサギの血の匂いに気づいてゴブリンが3匹こちらに

向かっていますがどうしましょう?」


「木の上に登って、対処しよう。」


「分かりました。」


俺一人では、ゴブリン3匹と命懸けの戦いになるだろうが、アリーがいるから

強気の判断ができる。強くなるチャンスだしな。


「ぐぎゃ」

「ぐぎゃがや」

「グググぎゃぎゃが」


ゴブリン3匹が向かってきた。アリーに目で合図して、光の矢を放ってもらう。

同時に、俺も矢を放つ。


「グガ!!!」

「ギャ!!」


2体は急な攻撃に対応できず。アリーの矢に打たれたものは、即死。

俺の矢に打たれたものは、まだ息がある。

間髪入れずに、矢を放つ。放つ。放つ。

4発打ち込んだところで、3匹全員が沈黙した。死んだのだろう。

二人で木から降り、したいから矢を回収する。


「ゴブリンは金になるのか?」


「はい、耳と小銅貨1枚と交換してくれます。」


小銅貨1枚は百円ぐらいの価値である。


「じゃあ、一体で耳2枚か。」


「そうですね。ちなみに一角ウサギは一体で銅貨一枚ですよ。」


銅貨1枚は1000円くらいである。


「アリー。血の匂いで魔物が寄ってくるんだろう。

じゃあ、血をばら撒いて、魔物を誘き寄せればいいじゃないか。」


「それでもいいですけど、気配察知の練習にもならないですし。

血の匂いで寄ってくるのは、ゴブリンと魔狼ぐらいですよ。」


「そうだな。でも安全に稼げるし、これで宿代問題は解決したな。」


宿代は一日銅貨3枚。

食事は自炊するので、1日の生活費は銅貨5枚位だ。


「意外に簡単だな。」


「命をかけているので、これぐらい普通でしょう。」


「そうだな。」


確かに、命をかけた代償としては安いのかもしれない。

それでも


「こんな簡単にお金を稼げるのも、アリーのおかげだな。」


「ありがとうございます。」


アリーは褒めるとすぐ照れる。

今の俺にとってアリーは生命線なので、隙さえあればすぐ、ヨイショする。


初日は、それから何度か戦闘して帰宅した。

ーーーーー宿に帰ってーーーーー


「おかえり〜。今日も泊まるの?」

この宿の看板娘(10)歳のリリーちゃん。

髪が栗色で目がくりくりしていて、小動物っぽい。

アリーと名前が似ているので、すごく覚えやすい。


「ああ、この街で稼げるのが分かったから、とりあえず1週間は予約する。

前払いでな。」


「毎度ありがとうございま〜す。お兄ちゃん達って強いの?」


「普通だよ。」


「普通?普通ってどれくらい?」


「二人だけで盗賊1グループ殺せるぐらいだ。」

嘘をついた。この世界で弱いことは死に直結するから。

弱いことを知られることも危険だから。


「え!?二人ともそんなに強いの!!じゃあ、盗賊討伐の依頼受けてよ。

お客が増えるし。」


「気が向いたらな。」


そう言って、会話を切り上げて、二人で二階の部屋へ階段を登る。

部屋に入り、アリーに魔力操作をお願いする。

そうしているうちに、アリーに質問する。


「アリー。スワン達を殺して、レベルが上がったけど、そんなに身体能力上がったように思えないんだけど。」


「レベルが上がったら、職業に合わせて、能力が上がりますけど、そこまで劇的には上がりません。特に職業荷物運びは持久力以外は伸びにくいです。

でも、レベルの差は確実に能力の差ですよ。」


「塵も積もれば山となるか。」


「それに、レベルが一定まで上がると、転職できますし。」


「それは、何レベルぐらいなんだ?」


「人によります。50レベルの人もいれば100レベルでも転職できない人もいます。本人の才能ですね。」


「そうか。荷物運びが転職すると何になるんだ?」


「運送屋ですね。運送屋になると、戦闘スキルも多少は延びやすくなりますし、

能力も戦闘職に多少見劣りしますが、今よりは強くなります。」


「生まれながらに、上位職に奴もいるんだろう?」


「そうですね。ごく稀にいます。」


そんな雑談をしながら、アリーとの新しい日常を過ごしていた。


ーーーーーー1月後ーーーーー


石板に血を垂らしながら、自分のステータスを確認する。

「ステータスオープン」

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