一瞬の煌めき
むーが
夜空に咲く花とカツカレー
暗闇の中にポツポツある明るい点が輝いている。キリッと身が引き締まるような匂い。吐いた息が白くなる。自分の呼吸の音すらも辺りに響きそうだ。
しばらくしてドーンと音がした。音がした方を見ると綺麗な花火が咲き、そしてパラパラと散っていった。
こんな時期でも花火をやるんだな。
赤、オレンジ、緑や青等の花が咲いては散っていく。自然と手を伸ばした。グッと握り締める。
「楽しかったね」
「来年も楽しみだよ」
通りすぎていった声で我に返る。どうやら花火が打ち上げるのは終わったらしい。さっきまであった音が消え静寂に包まれる。
なんとも言えない寂しさがあり、唇を噛む。
不意に腹が鳴った。そういえば、まだ何も食ってなかったな。この寒さなら温かい物が食べたい。
そうだ。カレーでも食べに行こう。ここだと、あそこのカレー屋が近いな。近くのカレー屋へ足を進めた。
カレー屋にたどり着く。店の近くにいるだけでもカレーの匂いが漂っている。どうやら行列はないようだ。
これならすぐに入れるな。ああ、腹が空いた。腹をさすりながら店に入る。
濃厚なカレーの匂いに空腹を刺激して、また腹が鳴る。もう空腹に耐えられそうもない。
焦りそうになるのを抑え案内された席に座る。メニューをパラパラと見て店員を呼び出した。ボリュームがありそうなカツカレーを頼んだ。
待っている時間も待ち遠しい。
周りを見渡すと他にもそれなりに客がいた。これだけ人がいるなら味に期待しても良いかもしれない。
早く来ないのかとソワソワしていると店員が来た。テーブルにカツカレーが乗せられる。
「ご注文のカツカレーです」
「ありがとうございます」
やっと来たカツカレーに顔が緩む。手を合わせていただきますと呟く。
スプーンを手に取り、まずはカレーだけを食べる。
程よく具材が煮込んであって歯がいらない程、柔らかい。スパイスも効いていて、それなりに辛いが旨みもちゃんとあるので辛さを楽しめる美味しさだ。
今度はカツと一緒に一口パクっと食べる。
うん。カツの衣がサクサクしているが、肉は柔らかさがあり簡単に噛み切れる。カレーとも相性が抜群で、これはスプーンが止まらなくなりそうだ。
どんどん食べ進めていき、あっという間に完食してしまった。スプーンを置いてごちそうさまと呟く。そしてカツカレーの余韻に浸る。
久々にカレー屋でカレーを食べたが納得のいく味だった。これだけ美味いならもっと味わって食べれば良かったな。
ここなら、また来て食べても良いな。口をティッシュで拭いた後レジへと向かう。会計を済ませ自分の家に向かった。
一瞬の煌めき むーが @mu-ga
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