27 両手持ち用の杖は校長先生と戦う
ボォーンボォーン! と辺りに爆発音が響き渡る。
いやぁー、マジで辺りに人いなくて良かったわ。
こんなうるさいと騒音被害で訴えられちゃうかもしんないしね。
「ウオォォォ!」
と大事で叫んびながらルルドさんが迫ってきた。
すんごい
『自爆杖』を放つ。
「ぐぁぁ!?」
よしよし効いてるっぽいな。
でも『自爆杖』を直に受けてまだピンピンしてるのは凄いな……。
絶対防御魔法とか薬使ってるじゃん……めんどくせぇー。
そう思いつつボンボンと放つ。
めちゃくちゃ当たってるはずなのに……一向に倒れない。
やっぱそういう魔法とか薬って凄いなぁー。
「ウルアァァァ!!」
てかさっきからもうルルドさんの声が人じゃない!
見た目はまあ、人っちゃ人な感じだけど中身がもう違う!
魔物や魔物!
するとルルドは謎の瓶を投げてきた。
あれ絶対当たったら駄目なやつだ!
「任せて!」
ルーファさんが
「ガァ!?」
ルルドに瓶が当たり割れる。
「アアァァァァ!」
そして中に入っていた液体がルルドに当たると当たった部分から煙が出て溶け始めた。
「あ、当たらなくて良かったわね」
いや本当に当たんなくて良かった! マジ良かった!
あんなんなりたくないもん!
シュゥゥと腕が溶ける音が止まり、ルルドが何かを体に刺す。
「やべ!」
「あっ」
反応できなかった!
くそぉ……前世の反射神経は受け継がれてるのか……。
というかルーファさんも反応出来なかったのか。
「ウオオオオオオオオオオ!!!」
うるせぇー! 『自爆杖』の爆発音の二倍はデケぇぞ!
そう叫んだルルドの体がみるみる変わる。
腕がムキムキになり、服が破れ、肌が緑色に…………
…………ハ◯クか?
ズボンが破けていないところとかもうそれじゃん。
するとルルドは四つん這いになり、こっちに突っ込んでこようとした。
「おっと!」
【
「アァ!?」
突進中に急に消えたため驚いた様子がだったが、すぐにこちらに気付き、足に力をこめて飛び上がってきた。
うぉぉ!? 跳躍力凄いあるな!
私今30mくらい浮かんでるのに結構ギリギリにところまで来たよ!?
てかもうほんとにルルドさん人間卒業しちったな。
絶対元には戻れないでしょ。
ルルドさんがこっちに向かって手を掲げる。
ん? 何してんだ?
「【
辺りの空気がルルドの手に集まって放たれる。
うぇ!? お前魔法打てたんかい!
避けようとしたが反応が遅れて
「痛った!」
中々に痛い。
腕がなくなってるという訳ではないが結構深く切られてた。
掠っただけでこれか……。
直撃したら即死するな!
絶対避けねば!
【
だが『自爆杖』は効かなかった。
うーむ、どうするか。
……ケルベロスと同じ様な戦法やるか。
デカい穴を作り、そこに水を入れて蓋をする。
よし、出来た。
「良くやったわね。あとはこのまま窒息死するのを待つだけね」
「そうですね」
そう言った直後……
『ズカッ』
地面から手が出てきた。
うわぁ……なんかきも。
緑色なのも相まってマジでゾンビ映画みたいだな。
そしてその手は周囲の地面を割った。
えぇー! 嘘ぉー!
私とルーファさんはルルドから距離を離す。
「ウゥ……ウゥ……ウゥゥルガァァァァ!!」
空気が揺れた。
やばいな……マジで死ぬかもしれん。
怖すぎ。
「メルアちゃん。私がどうにかしてあの硬い皮膚を
「はいぃ!?」
そう言った頃にはもうルーファさんの姿はなかった。
ルーファさんはルルドの体を鞭で縛りつけながらさまざまな魔法やスキルを発動している。
「グルゥゥゥ!」
どうやら結構苦しんでるっぽい。
というかルーファさんって冒険者ランクSSなんだよな?
その攻撃に耐えれてるルルドやべぇな。
「ウゥ……【
ルルドがそう唱えた。
「やば――!」
あれを喰らえば流石にルーファさんもやばいんじゃないか!?
いやまぁ私のDPは150だからあんなにダメージ喰らったのかもしれないけどね……。
急いでルーファさんにヤバイと言おうとした……が……
「あ、あれ?」
発動してない。
どうゆうことだ?
「大丈夫よメルアちゃん」
全くもって慌ててなさそうな声でルーファさんはそう言った。
「この鞭で縛れてる奴は魔法とか使えなくなるのよ」
……わーお。
それ対私用に作られてね?
私魔法が使えなくなったら貧弱な小娘でっせ?
ハハハー。ルーファさんと戦うことになったら
この間の戦いではギルドマスターさんが来てくれたから何とかなったけど……来なかったら……死んでたんだろうなぁー。
取り敢えず、その鞭が今私に向けられていない事に喜ぼう。
「メルアちゃん!」
結構必死な顔のルーファさんがそう叫んだ。
おいおい、さっき余裕そうな声出してたけど結構余裕なかったんじゃないか?
「今よ!」
すぐに『自爆杖』を飛ばそうとしたが……
「ルーファさん! どいてください!」
このままだとルーファさんに『自爆杖』がぶつかってしまうのだ。
「ここで私が動いたら拘束が解けてしまうわ!」
嘘ぉん!?
「じゃあどうしたら!」
「このままやって!」
それこそ嘘ぉん!?
ルーファさんに向かって放つなんて出来ねぇよ!
流石に死なんとは思うけど絶対傷つく!
いやでも……ルーファさんは……強いから大丈夫なはずだ。
『自爆杖』を喰らっても傷一つ付かないだろう。
仮に重傷を負っても【
…………いや、待てよ、仮に、仮にいつかルーファさんが私の敵になった時……
その時に倒すのは非常に大変だろうが、今やってしまえば敵になる可能性は完全に消える……。
………………うぉ!? なんだなんだ!? 今私絶対考えちゃいけない事考えてたぞ!?
ルーファさんを今を殺すなんてありえない!
というかこれから先も殺すなんてありえない!
今『自爆杖』をルーファさんのいる方向に放つのは信頼しているからだ!
「やりなさい!」
「……はいっ!」
そうして、『自爆杖』を放った。
「ウッ、ウガァァァァァァ!!!」
ボォーンボォーンと爆発音がしまくる。
あぁールーファさん大丈夫かなぁー?
絶対終わったら【
叫び声が止み、『自爆杖』を放つのをやめる。
「ルーファさん!」
煙がの中に突っ込んでルーファさんを探す。
「メルアちゃん」
声がした方向には、ルーファさんが立っていた。
「あぁールーファさん! 良かったぁー! 傷は無いですか!?」
「無いわよ、あれくらいの攻撃で私がダメージを受けるわけないじゃない」
「ほ、本当に良かったぁー」
その場に座り込んで息を吐く。
良かったールーファさんが無事で。
「じゃあルーファさん。元いた場所に戻りましょうか」
「ええ、そうしましょ」
『
「じゃ、お先に」
そう言ってルーファさんは薬を噛んで消えた。
…………またあれをやるのか……。
嫌だが、仕方ない。
そして意を決して噛んだのであった。
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