〜 とある学校の校長室にて 〜

「やはりメルアの力は凄いですよ」


 強すぎる。


 恐らく内の生徒は誰も彼女に勝てないだろう。


「ふぅむ、どうします? 〝ラーダさん〟」


 後ろにいるラーダさんに問う。


「そうね、もう少し様子を見ても良いと思うわ」

「……分かりました」


 本当は今すぐやってしまいたいが逆らえない。


 この学校はラーダさんのおかげで成り立っていると言ってもいい。


 ラーダさんがこの学校への支援をやめたら終わりだ。


 だから従わなくてはならない。


「私は家に戻ります。何かあればまた呼んで下さい」


 そう声が聞こえて振り向いた時にはもういなかった。


「……くそ、あの忌々しいババアめ。さっさと潰してしまえば良いというのに……」


 そう言って拳を壁に叩きつける。


「メルア・ヴォン・スフェールド……待っていろよ、必ず〝私が〟潰してやる」


 そう言って椅子にもたれかかって煙草たばこを吸うのだった。

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