24 両手持ち用の杖は懐かしい人に会う
朝日が顔面に当たって目が覚める。
「うぅ〜ん……」
目を開けて、即目を閉じる。
まっぶし! マジまっぶし!
ヤバいヤバい目を閉じてないとお
布団の中に顔をうずくめる。
あったかくてもふもふだ〜。
しかしそんな幸せもすぐに壊された。
布団をバッとめくられたのである。
「あぁ〜!」
あったかいのがなくなってしまうー!
「起きろメルア!」
「えぇ〜」
まだ、まだ寝てたい。
「マスターを知らないか!?」
「マスター?」
……あぁーラーダさんの事か。
「ん〜……知らない」
「そうか……今朝からいないのだ」
「えぇ?」
ラーダさんいなくなっちったのか。
てか眠い、マジ眠い、寝かせてくれ。
「おい寝るな! マスターがいなくなったらこの館が大変な事になるぞ!」
「なっ、何が起こんの?」
「マスターがいなくなって24時間経つとこの館が崩れる。というかこの空間が崩れる」
わーお。
やっべぇな!
「ほら、分かったらさっさとマスターを探すぞ」
そう言ってマーダは駆け足で部屋を出ていく。
……この空間が崩れる……かぁー。
現実味
でもラーダさんはなんか凄い魔法とか扱えてるからきっとマジなんだろうなぁー。
………………あれこれ結構ヤバくね?
空間崩れたら泊まるところが宿しか無くなる!
金払わなきゃいけなくなる!
まあ金は結構あるにはあるんだけど……やっぱ払いたくない。
よし、ラーダさんを死ぬ気で探そう。
「【探す者】!」
…………あれ? 発動しない。
ラーダさんに対してやったのだが場所が分からなかった。
えぇーどーすりゃ良いんだこれ。
「マァーダァー!」
まずはマーダに探した所を聞こう。
部屋を出てマーダが行った方向に向かう。
…………見つかんねぇー。
あー自力で探すのやっぱめんどいわぁー。
やっぱこういう時は【探す者】が一番だな。
「【探す者】!」
マーダの場所が何となく分かる。
「よし、行くか」
【
「マーダ、探した場所ってどこ?」
「うわぁ!?」
え、そんな驚く?
「音も無く来るな!」
あぁそか、浮いてるから音しねぇんだった。
まあ風切り音は聞こえると思うけどね……。
「ごめんてー。で? 探した場所は?」
「探した場所はこの空間と冒険者ギルド、そんでルルド高校付近だ」
おー昨日私が行った所じゃないか。
つまりそこ以外……って事だよな?
めんどくせぇー。
でも探さないと空間崩れちゃうからなぁー。
頑張りますか。
「分かった。【
うし、向かうか。
玄関の扉を4回ノックし、町へ出た。
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【見る者】と【
「…………いない……」
結構探したがいない。
うーむ、一体どこへ行ったんだ?
それなりに飛んだぞ?
あー視線が痛い痛い。
ラーダさん早く出てきてくれませんかぁー?
あんまり見られたくないんですよぉー。
今は市場の辺りを飛んでいるが……いないな。
まーじでどこ行った?
ひたすら飛ぶしかないのがキツい。
いやーなんで【探す者】がラーダさんに対して効かないのかねぇー。
ほんっとめんどい。
「メルアちゃん!」
ん? 今名前を呼ばれたような?
「メールーアーちゃーん!」
え? 誰誰誰誰?
声がした方向を向くと……
「……ルーファさん!?」
マジかよ! こんな所で出会うとは!
ルーファさんの元へ着地する。
「お久しぶりです!」
「久しぶりね〜、最近どう? 大丈夫?」
「元気です!」
いっやぁーまさかこんな場所で会うとは。
「ちょっとお茶してかない?」
「あーいや今は……」
「? どうしたの?」
事情を説明した。
「ラーダ…………もしかしてシルファー・ラーダ?」
「そっ、そうですね」
ルーファさんでも知ってる人だったのか。
ラーダさんってどんな人なんだ?
「あの魔法薬のエキスパートの?」
えぇー! そうだったんだ!?
「そっ、そこまでは……」
知らんかったわぁー。
でも確かに魔法薬作ってたなぁー。
「まあどちらにせよ、メルアちゃんは今その人を探しているってわけね?」
「そうです」
「なら私も探すわ」
「えぇ!?」
そこまでしてもらうのは……ちょっとね……
「いいのよ、暇だし」
いや……
「あっ、ありがとうございます!」
「じゃあ私はあっちを探すから貴方はそっちを探してちょうだい」
「分かりました!」
そしてルーファさんは消えた。
よし、私も頑張って探しますかー。
再び【
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