〜 とある空間にて 〜

「分かったわ、決してバレないようにね」


 ……ふぅー、まさかこの道の事が記されている地図がまだ存在するなんて……


 おかしいわねぇ、この道のことが書かれている地図は全部燃やした筈なのに。


 まあでもあの子が上手くやってくれるでしょう。


 あの子は優秀だから……。


 そういえば紅茶を淹れていたんだった。


 冷めないうちに飲んでしまおう。


 ……やはり茶葉はウィーレット産が一番美味しいわ。


 そう思いながら新聞を見る。


「ブフゥ!?」


 新聞の見出しを見て思わず紅茶を吹き出す。


『オウレオ街が壊滅!! 犯人は冒険者ランクSSのルーファ・レベッカか!?』


 ……オウレオ街って……あいつが……。


 いや、心配は要らないわね、あいつは強いから。


 100%生き残っているわ。


 でもオウレオ街が壊滅……ね……。


 少し調べてみるとしましょうか。


 あの地図の件も。


 さぁて、少しだけ今日は忙しくなりそう。


 吹き出してしまった紅茶を拭き、仕事用の椅子に座る。


 そして一息して調査を開始した。

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